太平記(五) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041753699

作品紹介・あらすじ

鎌倉幕府は崩壊し後醍醐天皇の親政がはじまったが、まだ多くの難問を抱えていた。北条一族の残党は各地に残り、武家社会の復活を望む声も大きかったのだ。北条時行が決起し、各地からも武将が集結し、鎌倉はいとも簡単に奪われてしまった。足利尊氏は征夷大将軍を拝命することを期待し、動かない構えでいたが、後醍醐天皇に反逆し、兵を鎌倉へと向けた!!壮絶なる南朝と北朝の戦いを描いた歴史大河小説の白眉。

感想・レビュー・書評

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  • 社会の情勢を純粋な目で追うことができているのは楠木正成のみ。
    優れた判断力と洞察力を持った彼の意見が、公卿や新田義貞などの味方の武士達に蔑ろにされるのが非常に腹立たしい。
    正成の意見に同調できない者は、皆なにかしら私利私欲を優先して、社会が見えていない。
    そして、彼らは決まってあとから「正成の意見を聞いておけばよかった」と後悔するのです。
    楠木正成が率いる軍はとても輝いています。
    そして、正成が息子と別れるシーンはとても印象に残ります。
    彼のような上司に出会ってみたいなあ。

  • 湊川にて楠木正成自害。
    トップにいながら全く状況の見えていない後醍醐天皇、保身と追従で贅を貪る貴族達、正四位下左近衛中将の地位を受けながら色ボケの新田義貞と誰一人として正成の真価を知ろうともせずに蔑ろにする状況は読んでいて悔しく、歯痒かった。
    真価を理解していたのはほんの一握りの人々。後醍醐側では若く口出しが出来る立場で無い人間や建武の新政に愛想を尽かして離れていった人間と言うのが才能は有っても天運に恵まれなかった彼の不幸でした。
    一番の理解者が敵である足利尊氏とは…。

    なんとも遣り切れない思いです。

  • 尊氏vs新田義貞+楠木正成、尊氏九州に引き、兵庫で再戦。後醍醐降伏。
    レビューは最終巻で。

  • 建武の新政は瓦解。戦況が行ったり来たりしながらも、楠木正成の戦死、後醍醐天皇の降伏で戦いは一段落。しかし、全体通して後醍醐天皇側の無策が目につく。序盤はここまで無能じゃなかったはずなんだが……

  • 足利尊氏の反乱ののち、一進一退の足利VS朝廷の攻防が繰り広げられるが、楠木正成が湊川の戦いで討死してから、後醍醐帝は次第に追い詰められていく。楠木正成が説いた朝武一和に取り組んでいれば、南北朝の戦いどころか、今に至る日本の国の形がずいぶんと変わっていたのであろうと思う。義貞、正成、尊氏など登場人物の個性がうまく表現されていて面白い。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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