江勢物語 (角川文庫 し 11-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041804018

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    ・現代語訳「江勢(えせ)物語」
    ・生臭(なまぐさ)心経(しんぎょう)
    ・スノー・カントリー
    ・かくもわかりにくい日本語のキーワード
    ・ほんのジョーク
    ・タテのものを横に
    ・訳者あとがき
    ・日本の猫である
    ・町の顔
    ・我がインド
    ・再びのインド

    小説あり、エッセイあり、旅行記ありの一冊。
    一番面白かったのは、巻頭の『現代語訳「江勢物語」』。
    てっきり伊勢物語のパロディかと思ったらそれだけではなく、徒然草や枕草子、土佐日記にサラダ記念日と縦横無尽に繰り広げられるパロディは、元ネタが簡単にわかるくらいの有名な文章を、なんとも奇天烈なところに着地させるというもの。
    思わず噴いた箇所もいくつか。

    後半の3編以外は翻訳という形で書かれた、日本語または日本文化の紹介。
    翻訳というのはどこまでオリジナルを紹介できているのか。
    それは翻訳者の問題だけではなく、受け入れる側の理解力とか偏見とか、同じものを読んでも受け取り方はそれぞれになってしまうだろう。

    さて、一般的な日本人というのはどういう人なのか。
    ”つまり、うっかりすると東京に住んでいる人間は、東京だけを見て日本を語ってしまう誤りをおかしてしまうのだ。東京周辺だけを見て、今の日本はこうだと決めつける。”
    これねえ、テレビ朝日が甚だしいよねえ。
    7時からの番組を見たら、途中からだったってことが頻繁にある。
    地方民への軽視。
    日本中で大流行りっていう、東京だけのブーム。

    それをどう、日本中が納得できるものに翻訳できるのか。
    東京至上主義のマスコミの皆さんに、考えていただきたいと思います。

  •  
    ── 清水 義範《江勢(えせ)物語 199111‥ 角川書店》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4041804019
     
    …… 清水義範の「スノー・カントリー」(角川文庫『江勢物語』所収)
    が面白いです。(libros 20160517 14:30:59)
    http://q.hatena.ne.jp/1463445723#c288039
     
    …… 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
    “The train came out of the long tunnel into the snow country”
     Translated by Edward Seidensticker(1956).
     
     川端 康成      作家 18990611 大阪  逗子 19720416 72 /ガス自殺
     Seidensticker, Edward G. 19210211 America 東京 20070826 86 /日本文学

     清水 義範      作家 19471028 愛知 /NHK 用語委員
    ── 《国語入試問題必勝法 1988 第9回 吉川英治文学新人賞》
     
    (20160518)
     

  • 次から次へとネタが流れていく。
    古典が好きでよかった。本当に楽しめた。

  • 中学か高校の時に笑い転げた本。オチが分かってると駄目ですね。
    でも、ヤーサンアリ・クワバッタ著のスノーカントリーは文学史に残る傑作です。

  • 母国語以外の言語のニュアンスを獲得するとこは、結局のところ不可能ではないのかと私は思っています。しかし、その言語と言語のズレ、エアポケットの部分にこそ面白みを感じられる人たちが「翻訳家」なのだとも感じました。
    また、本書で読むべきは、この翻訳の面白みと般若心経の箇所だけで、後半はとても冗長である。

  • 内容覚えてなす。

  • ずいぶん前に購入し、冒頭の3作に受けてしまいました。
    これらの元ネタを知ってるとなお笑えるかも?!

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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