- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041913079
作品紹介・あらすじ
廃業が決まった取り壊し直前の民宿、南の島の極楽めいたリゾートホテル、冬の温泉旅館、都心のシティホテル……様々な宿で起こる難事件に、おなじみ火村・有栖川コンビが挑む!
感想・レビュー・書評
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宿にまつわる4編の小説。
それぞれに違う不気味さが漂ってくる。
特にホテル・ラフレシアは後味悪くて…
でもホテルのミステリーツアーに参加するアリスが結構有能に謎解きしてるのが可愛くて好き。
201号室の厄災では火村先生の有能さがまた明らかに。
何でもできる人なのに、高級ホテルで事件に巻き込まれるとか、全くついてないので可哀想。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宿にまつわる話を集めた短編集。非常にまとまりが良く、良く読み返す本の一つです。
「暗い宿」「異形の客」でのアリスの自由気ままな行動には憧れます。思い立ってどこかに行ったり泊まったり、楽しいですよね。殺人事件に出くわすのはごめんですが。
この短編集で一番好きなのは「ホテル・ラフレシア」全体の雰囲気と後味の悪さがたまりません。 -
火村英生シリーズはほぼ読んだことがなく、馴染みのないコンビだったが、短編集ならと思い購入してみた。
特に面白かった!という話はなかったが、読みやすく、自分もどこか旅館でも泊まりたいなーという旅気分にはなった。 -
作家アリスシリーズ。
4編からなる短編集。
題名の通りテーマは「宿」。
どれも読みやすくサラッといけました。 -
どの作品も最後は火村先生の辛口で終わる・・・みたいな感じでしたね。途中まではふむふむと読み進むのだけど、最後にむかって尻すぼみになっていく感が。このコンビは好きなんだけど。
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宿縛りの短編集。
『暗い宿』
廃線になった(正確には違う)線路を散策するうち引き始めていた風邪を悪化させたアリスは引き払う寸前の宿に助けを求める。一夜、横になれればいいと懇願する病人を放っておけず、一夜の宿を貸してくれた元女将。風邪薬も手伝って夢現の夜中、アリスは階下で不審な音を聞く。その音の正体は?--後日壊された宿の床下から男の死体が掘り起こされた。
『ホテル・ラフレシア』
ホテルのミステリーゲームのモニターとして片桐に連れられてやってきた石垣島の高級ホテル。火村も同行していたそのホテルで、ミステリーのイベントが盛大に行われている同じ夜、火村は浜辺で一組の夫婦と出会う。奥さんのほうが倒れており、夫はその隣で口の中で何かを咀嚼していた。--彼らの間に何が。
『異形の客』
一仕事終えたアリスが足を運んだ小さな温泉宿では、包帯をぐるぐる巻きにし、サングラスにマスク姿の男が泊まっていた。男が翌日散歩から戻ってこない間に、男が泊まっていた離れの部屋で若い男が殺されているのが見つかる。包帯の男の意味は?--人の顔についての考察が事件を紐解く。
『201号室の災厄』
それぞれの用事で東京で落ち合った二人。火村は同僚から譲り受けた優待券でいつもはけして泊まらない高級ホテルに泊まっていた。気分が高揚していつもより飲んだ酒のせいで一つ下の部屋に間違って入ろうとした火村は、外国人に腕を掴まれ、部屋が間違っていることに気付く。そしてその外国人が、今来日しているロックミュージシャンだと気付く。それが彼の不運の始まりだった。--ミュージシャンの部屋で死んでいた女。彼女を殺したのは…
少し薄暗く、ほのかに明るい。有栖川さんらしい短編集。やわらかな文体がほんとに好き。それでも情景の描写はかっちりとしている、ギャップも。アリスのうっかりした性格がちょこちょこ。一番好きなのはホテル・ラフレシア。物悲しい終わりがミステリらしい。 -
作家アリス〈火村英生シリーズ〉の短編集。〈宿〉をテーマに4本の短編が収録されている。全体を通して仄暗く、哀愁のある作品が多く感じた。その中でも、最後の火村先生が主役の第三者視点から描かれる話はアクション要素(!?)があるので楽しく読むことができた。有栖川有栖という作家の情景描写は凄まじく、中でも表題作である〈暗い宿〉では暗闇の中背筋がぞくりとするような感覚を感じることができ、アリスと同じくその場にいるような感じさえした。
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トリック自体は面白いんだけど、伏線が少なく、終盤の推理で全て解決してしまうのがちょっとな。。