- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041959039
感想・レビュー・書評
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2015 4/23
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小説家 というものの 執念。
死してなお 自分の想いを遂げようとする。
大原鳳月 の つむぐ文体が
たおやかで 表現力が なんともいえない
セクシャルな 言葉。
歴史の人物を題材にする。
源氏物語を現代に 再構成しなおす。
それを支える 若桑律子。
古典的な文学作品に対して
造詣が深く 暗誦すらする。
古典文学の語り部・・・
律子が 若さを失いながらも 代償にしたものは。
現実と架空の世界の中で さまよう律子に
大原鳳月の 影が 見え隠れする。 -
2012/5/6(日)怖いよう
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著名な女流作家・大原鳳月が若手演出家とともに、自宅の茶室で焼死した。
鳳月の秘書の若桑律子は、書いた原稿を持って編集者の堀口の元に置いてきた。
小説の主人公は、嵯峨野淑子と書かれていたがその設定から大原鳳月の事が書かれていた。
その原稿を見て上司は、ノンフィクションの手記にして出版しようと言だす。
若桑は、それを承諾してノンフィクションに書き直した。
堀口は、この続きの原稿を貰いそして続きを読むと、死んだはずの鳳月の流麗さを帯びた文体に変った事を感じる。
若桑は鳳月の遺作を隠し、自分の名前で出そうとしているのか?
疑いを持った堀口は、若桑の書いてる所を見ようと彼女の家に行く。
そこで見たものは、時を忘れるくらい集中して書き続ける彼女の姿だった。
しかしそこには・・・。
死してもなお、消えない愛執の念を書いたホラーです。
と、言う事で久々に篠田節子を読みました。
今回は、ぼちぼちです。