蛇神 (角川ホラー文庫 37-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 236
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041962022

感想・レビュー・書評

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  • 伝奇ミステリシリーズの一作目。
    神話をモチーフとした話。
    閉鎖的な村に昔から伝わる蛇神信仰。
    集団狂気の恐ろしさがジワジワきます。

    面白いし、楽しんで読めたのですが
    何だか惜しい気がします。
    他の方もレビューで書かれていますが、もう少し丁寧に突っ込んでくれていたら、更に心を掴まれただろうなぁ。

    高橋克彦の作品をライトにした感じ。
    あそこまで口説い方が好み。

  • かつて蘇我氏との勢力争いに敗れて落ち延びた物部氏の末裔が
    長野県の奥深い村で大神信仰を守り続けており、
    そこでは古来から続く陰惨な祭りが現代まで受け継がれており・・・
    といったやや気宇壮大な感のある伝奇神話ミステリーのシリーズ第1作。

    「おいおいホントかよ(笑)感」のある神話の新解釈や神社の縁起、
    蛇神信仰など民俗学的なウンチクなどは楽しめるのだが
    作者の頭のなかに膨らんでいく神話と絡めた壮大な大河ストーリーに
    作者自身が興奮しながらそれを書き記していくことに
    いっぱいいっぱいな様子が伺えやや物語の進め方にぎこちなさがあるというか
    文章そのものがストーリーを展開させるためだけにあって
    読み進めていく中でのワクワク感やドキドキ感の演出まで
    行き届いてないような印象を受ける。

    もっと筆力がある作家が丁寧に書けばもっと面白くなった気がする
    というとちょっと言い過ぎだとは思うけど、ちょっともったいない感じは否めない。

    いやまあ、でも面白いです。

  • ラスト納得いかん!!と思ったらこれシリーズだったんですね;;続刊読まないと…。日登美さんが不憫すぎです…。閉鎖された村の風習というテーマは結構好きです。

  • 土着の宗教は大好物。よくある展開として対抗するために立ち上がるかと思ったら、まさかの方向に転がってとても不穏で面白い。狂っている、の一言で片付けられないぐらいの濃密さ。続きが楽しみ。

  • 「角川ホラー文庫」ってことで身構えて読んだけど、そこまでホラーじゃなくて安心しました。
    伝説の部分とか適当に読んでしまったり、気持ち悪い描写もあったけど次作が気になるという点は魅力だった。

  • 再読。

  • 因習を扱ったホラーではあるのですがあまりおどろおどろしい怖さは感じません。怖さにひいてしまうというより先がどうなるかが気になってぐいぐい読まされてしまいました。前半の日登美の部で置き去りにされた謎が、後半の日美香の部で伏線を回収するように少しずつ明らかになるのですが、日美香があるものを持っていることで凄い武器が手に入ったようで読んでいてドキドキしました。シリーズ一作目ということなので気持ちよくすっきりという終わり方ではないです。是非続きも読んでみようと思います。

  • 4-04-196202-1 410p 1999・8・10 初版

  • 長野の奥地に、天照大神~物部氏という、日本の神話から創生に関わった子孫が隠れ住んでおり、その隠れ里で行われる奇祭に、村から離れ住んでいた、日女(ひるめ)の「血」を受け継いだ親と子が関わっていく。

    ホラーというよりは、日本書紀を下敷きにした現代版ダークファンタジーで、第一部(親)と第二部(娘)で20年の隔たりが有る。「八日目の蝉」パターン?文章は非常に丁寧で、この直前に安部公房を読んでいたのもあって、読みやすいことこの上なし。

    第二部も、第一部の未解決条項をきちんと消化していて、基本的に破綻もなく安心して読める。

    ただし2点。一つは登場人物がこれっぽっちも人間味がなく、魅力がないため、ほとんどの人が誰にも感情移入できないであろう。非常に非現実的、非人間的な奇習に対して、ほとんど抗うでもなく、エスカレーターのように突っ込んでいってしまう。反論することが危険で拒否すべきであれば、その部分を描いたほうが、恐怖を掻き立てられるのではないか。

    次に、動機が弱いのだな。「物部の頃から続いているから」というだけの奇習で「血を絶やさないために」以外の動機がない。動機がないため、都合よくぽんぽんと人が死ぬのは、過去の伝統以外で説明できないのはいかがなものか。

    また、全体に漂う、狙って描かれた不快感(女性の弱い立場、性的な嫌悪感など)のようなものは、ほとんどが有ってしかるべきというものではなく、おそらくは作者の感情と、その正反対の裏返しの2通りであり、普遍的な気味の悪さというところまで消化・馴化できていないと感じる。

    「痣」で次作へ繋げたのだろうが、うーん、次読むかなあ?という程度の作品だ。スリリングな展開はなさそうだしね。

  • おもしろかったです。現代と因襲とがよく混じっていて納得して楽しみました。

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