絶対泣かない (角川文庫)

著者 : 山本文緒
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (1998年11月19日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970058

絶対泣かない (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 仕事に就いている女性それぞれの悩みを描いた短編集。
    短いので、一つ一つはすぐに読めます。
    誰にでもある迷いや落ち込み、人生の転機…
    もがいているうちに、ふっと何かが変わったり、見てくれている人がいたり。

    「花のような人」フラワーデザイナー
    損害保険会社に入社した同期の女性6人のうち…
    それぞれの理由でだんだん辞めていった。最後の一人は、フラワーデザイナーに。再会したときには?

    「ものすごく見栄っぱり」体育教師
    長身でがっちりした体育教師の女性。あだ名はアケボノ。
    華奢で弱々しい女の子にイライラして、ずばっと叱ってしまうが…

    「今年はじめての半袖」デパート店員
    失恋して会社を辞め、デパートに再就職。
    独りで日曜や祝日を過ごす羽目にならないのが救いだった。夢中で2年が過ぎ…

    「愛でしょ、愛」漫画家
    東京に出た娘が漫画家になっていたことを突然知った母親。しかも、大胆な作風のよう。訪ねていくと、部屋には彼氏もいて…?

    「話を聞かせて」営業部員
    営業に変わって、熱心に通う。どう頑張っても毎回冷たくされる店があり、彼氏に愚痴をこぼしていると、時間が良くないのではとアドヴァイスされる。
    別な時間に行ってみて、初めて知ったことは…?

    「アフターファイブ」派遣・ファイリング
    時間内は一生懸命仕事をしているのに、かえって働き過ぎだという苦情が出る。
    その理由は…

    「天使をなめるな」看護婦
    「女神の職業」女優
    「気持ちを計る」タイムキーパー
    「真面目であればあるほど」銀行員
    「もういちど夢を見よう」水泳インストラクター
    「絶対、泣かない」秘書
    「卒業式まで」養護教諭
    「女に生まれてきたからには」エステティシャン
    後書きに、依頼されて占い師の人が登場しているのも異色ですね。

    なんとなく元気が出ます。
    一つが短いので、すべて問題が解決するというような展開ではないんだけど。
    ちょっと何かが見える。
    みんな、いろいろあるけど、仕方ないんだよ、頑張ってるよねー!時にはいいこともあるよねって♪

  • 読み終えて改めて数えてみると15のお話が収録されていました。
    どれも働く女性が主人公のお話です。
    文庫版で結構薄い本なので1話、1話はとても短い話となっています。

    保険会社の総務に配属された女性と受付に配属された女性。
    総務に配属された主人公は一生働くつもりで色んな資格を取っている。
    それを隣で見て不思議がっていた美しい受付嬢だったが、先に自分のやりたい事を見つけて会社を飛び出したのは受付嬢の方。
    その後偶然会った彼女は受付をしていた時のように輝いておらず、疲れて見えた。
    最初はそれほどの覚悟も考えもなくフラワーデザイナーという仕事を選んだ彼女に痛々しい思いを抱いていた主人公だったが-。(花のような人)

    まずこんな話から始まり、
    曙に似ている体育教師、失恋をきっかけに事務職からデパート店員に転職した女性、娘がレディコミの漫画家だと知った女性の話・・・と15人の働く女性たちが登場します。
    どれもこれもどこにでもいそうな人々が主人公で、ドラマチックな展開がある訳でなく、日常の一コマを切り取ったさり気ない話ばかりですが、それが共感できる話ばかりで良かった。
    短い話ばかりなだけに、すぐに話に入れないとキツいけど、スッと入れてラストも爽やかで何となくしみじみくる話ばかり。
    読んでいて、そんなさりげない場面を切り取る、作者の感性の鋭さを感じました。

    好きな話ばかりですが、中でも私が好きだと思ったのは、ファイリングの仕事をする派遣社員の話とノルマを達成するために友人たちに定期を頼み、その替わりとして色んなものを買わされる真面目な銀行員の女性の話、そしてタイトルの「絶対泣かない」という話です。
    「絶対泣かない」は、秘書として雇われた会社の女社長が実は小学生の頃の同級生で、その頃、主人公は人生ピークで、おどおどした女社長のことを虐めていた、そして大人になって立場が逆転して-という話でした。

    どれも読んでいて、「嫌な事があっても頑張って働いてるのは私だけじゃないんだな~」「明日も働こうか」と静かに勇気づけられるお話ばかりです。

  • あぁ、もう、頑張るしかないな。

    と思わされてしまう、様々な職業の働く女性を描いた短編集。みんな頑張ってるんだなぁ。だから私も、頑張るしかないんだよなぁ。

    決してエールを送ってくれるという感じじゃないんだけれども、働く女性が読むと、きっと、ちょっとだけ前向きになれるんじゃないかな。そんな気がする。

  • 日常で頑張って心が疲れちゃった時に読んで欲しい1冊。
    読み終わった後に、少し肩の力を抜く事が出来る話がタクサン(#^.^#)
    心が痛くなるけどホッコリする。

    ☆花のような人………フラワーデザイナー
    ☆ものすごく見栄っぱり………体育教師
    ☆今年はじめての半袖………デパート店員
    ☆愛でしょ、愛………漫画家
    ☆話を聞かせて………営業部員
    ☆アフターファイブ………派遣・ファイリング
    ☆天使をなめるな………看護婦
    ☆女神の職業………女優
    ☆気持ちを計る………タイムキーパー
    ☆真面目であればあるほど………銀行員
    ☆もういちど夢を見よう………水泳インストラクター
    ☆絶対、泣かない………秘書
    ☆卒業式まで………養護教諭
    ☆女に生まれてきたからには………エステティシャン

  • ケータイ小説に夢中になっている女子中高生諸君!いますぐケータイを置いて、この本を手に取りなさい。君たちが読みたがっている女子のリアルがここにある。
    この本は女性にしかかけません。
    男の知らない、女の戦いが描かれています。
    人生の戦友と出会いたいときに読む一冊。

  • 裏表紙からめくって、著作一覧に『きっと君は泣く』とあるのを見て笑う。それに対しての『絶対泣かない』なのか。だけど泣かないわけにはいかなくて、本作の登場人物は数人を除いてほとんどみんな泣いています。1人10頁ちょい×15人、さまざまな職種の女性たち。読んでいるこちらも涙を誘われる良い話が続いたかと思ったら、どう解釈してよいかわからず呆気にとられてしまう話もあり。あとがきの「どんなにつまらない仕事でも、それをつまらないと思っているのはあなた自身」という言葉は胸に響く。涙はためずに、泣きたいときは泣けばいいのだ!

  • なぜ秘書がタイトルなのか。
    わたしは花屋の方が好き。エステも好き。銀行も好き。

  • フラワーデザイナーに始まり体育教師、デパート店員、漫画家、営業部員、専業主婦、派遣・プロファイリング、看護婦、女優、タイムキーパー、銀行員、水泳インストラクター、秘書、養護教諭、エステティシャンまでの15の職業それぞれで働く女性たちが描かれている小説集。
    あとがきの後には手相観のエッセイもあり異業種の様子を覗き見れて面白かったです。

  • 15の職業のなかで奮闘する女性たちを描いた、お仕事小説の短編集。

    とくに印象に残ったお話は…↓↓↓
    「アフターファイブ――派遣・ファイリング」
    正社員より派遣さんの方が仕事がデキる~っていう職場は、意外と(?)多いもので。
    たしかに最終的な責任は負わないかもしれないけど、だからって「派遣はいいとこ取り」みたいな言い方はないんじゃない?って思った。
    双方言い分があるだろうけど、派遣に分が悪い感じで終わったので、ついつい肩を持ってしまったわ。( ̄へ ̄;)ゞ

    「気持ちを計る――タイムキーパー」
    ラストシーンが良かったw
    話し合ってみたところで、苦手な相手とだって分かり合える~なんて保証はもちろんないけど、それでもまずは話してみないと分かんないよなぁって考えさせられた。
    なんとなくだけど、「こんな時、私が男だったら…」と性別のことを考え出すのは、圧倒的に女性の方が多いような気がする。

    「女に生まれてきたからには――エステティシャン」
    も~すごい共感!ヾ(>д<;)
    容姿にコンプレックス(今回でいえば毛深さとか)があると、それを改善するために金がかかる。そこからして既に生まれながらの美人より損してる気がする。
    でもちょっと待て!!
    たしかにナチュラルボーン系の美人はいる。いるけど、そういう子たちが陰でまったく努力していないか?美にお金をかけていないか?というと、やっぱりそういうわけではないんだろうなぁとも思う。
    綺麗だからって、幸せが約束されるわけじゃないし。
    周りの目が気になるのも本当だけど、やっぱりその人自身がいちばん美醜にこだわってるのかもしれないなぁと思って…我が身に振り返って、反省。

    全体的にとても読みやすいし面白かった。(^ω^)
    小説を読んだくらいでその職業を知ったつもりになることはできないけど、さまざまな職業の裏方を垣間見られたようで良かった*

  • いろんな職種のエピソードではあるが、同じ女性として共感ポイントが多かった。仕事で辛いことがあったら、また読んで元気を出そうと思える一冊。

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