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- Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042157083
感想・レビュー・書評
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漁師のキーノは妻のフアナ、赤ん坊のコヨティートと共に雑木小屋で真面目に質素に暮らしていた。
ある日漁で牡蠣の中から巨大な真珠が出てきた。この真珠を手にした事で周囲が俄にざわめき、家を燃やされ命まで狙われるようになる。
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スタインベックの作品中最も短い小説だそうです。思わぬ富を手にし、欲に翻弄される人間の姿を描いたわかりやすいテーマなんだけど、一種独特の表現で詩を読んでるような影絵を見ているような不思議な感覚がする。
主人公のキーノが自身の心の動きや周りの人々の感情、それから自然の波動などを音楽や調べとして捉えている。貝を採っている時の希望を誘う調べ、真珠を得た後に感じる人々の悪の歌など、空気感をそんな風に表現している。
悪の追手から逃げるシーンは、半端なホラー小説よりもずっと怖かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
翻訳の日本語が古いのかと思ったが、原文が散文的な書き方なのでその雰囲気を出したということが解説に書いている。
意図的にこのような書き方ができるのは、技術が高いということか。