食せよ我が心と異形は言う (Novel 0)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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本棚登録 : 67
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042560074

作品紹介・あらすじ

十年前、世界を救うため人知れず犠牲になった月白カノ。
死んだはずの彼女がある日、英雄の一人・黒羽園の前に現れる。
彼は知る、今の世界が“真っ黒な英雄譚”の上にあるということを。
かつての恋人、月白カノが自ら望んで犠牲になったのではない、ということを。
そして彼は、復讐者と、化す――。

感想・レビュー・書評

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  • えげつない、とあとがきに書いてありましたが本当にえげつない……しかしそのえげつない部分に差し掛かってからというもの、ページをめくる手が止められなかった。

    人類未曾有の危機に立ち向かった6人の少年少女、というありふれた話の、その後の話。
    入りはあまりピンとこなくてのんびり読んでいたのだけど、種明かしから先はもう夢中で、オチに至ってはマジか! となること……いや、気づいてもよさそうなものだったけど全く気づかなかった……。
    やだもう……言ってよ……。
    月白がすごい好みの子でだから全体的にツラいんだけど、でも面白かったです……。

    続編が出ていたことを今初めて知ったので、心を強くもって挑みたい。

  • 「エピローグとそのあらまし」
    舞台上で起きたこと。
    突然のことで理解が追いつかなかっただろうが、全ての出来事を理解した途端の恐怖は凄まじかっただろうな。

    「アテネ」
    残党処理も仕事の内。
    記憶があれば敵側になる可能性もあるかもしれないが、そうなるか分からないのであれば殺すのは間違いだろ。

    「シェムハザ」
    彼女の身に起きた事。
    今まで共に戦ってきた仲間を簡単に差し出そうとしただけでなく、価値のあるものに仕上げるなんて狂ってる。

    「プシケ」
    取り戻すためならば。
    当時の感覚全てを経験したからこそ選んだ道なのだろうが、絶望よりも憤怒が勝ち生き残るなんて辛すぎるな。

    「イヴァ」
    正常に戻り見た世界。
    心を失っていた間の記憶が無ければ、身体の異常を顧みず助けようとした者は化け物に見えてしまっただろう。

  • 異形と戦う能力者が復讐をする話。ウェットに富んだ文章が勢い良く、一気に読めました。残虐さには好感が持てましたが、スピード感に置いていかれてしまい、私にはちょっと合いませんでした。激しいバトルが好きな方にはおすすめの本。

  • 10年前、世界は一人の犠牲によって救われた。

    自己犠牲で残された人間はどうなるのか、ですが
    話の軸はそこじゃなかったという現実。
    驚きの真実というか、自分が可愛ければ、と言いますが
    これはすごい、ものすごい選択です。
    知ってしまえば、それは当然走ります。
    あれがどうなってこうなっていたのか、が
    良く分かった状態、ではありましたが。

    よく考えた、という賛辞と、手段を選ばない、という
    行動をほめたたえたい、と思います。
    そして貧乏くじ、空気な人。
    後よろしくお願いします的な状態になっていますが
    そもそも最後の最後、ええ?! な一文でしたし。

    いやでも、彼ら…というか、約2名は
    さくっと終われてよかったのでは?
    ちょこっとと10年の重みは違いますし。

  • 読み始め、地の文がライトで「あ、ハズレ引いたかも」と思ったけれど少し読んだだけでその印象が一変する。鳩尾に一発くらったみたいな幕開け。
    『血塗られた英雄譚を曝き、かつての仲間を屠る。──おれは、世界を赦さない』
    帯の煽りが脳裏を過ぎる。
    復讐の物語である。復讐に至るまでの経緯と、その経緯より以前、積み重ねた思い出と。和やかな場面もある、軽快な台詞もある、だけれどもやはり復讐の物語で、薄目で読み飛ばしたくなるような描写もある。
    楽しい物語ではないのにのめり込んだ。続きが出たら買うと思う。

  • 絶望と復讐と怨恨と救済。救済については色々ご意見が有ると思いますが。
    彼女の絶望の描写はもしかしたら、作者さまも書き足りなかったのではとか思ってしまう。他が他だけに。それくらいキツイ描写過多です私は好きです。

  • 単純な復讐劇かと思ったら、読み進めるうちになんとなくみんなの意見もわかるような気もするし、ラストはラストでいい終わり方になるのかと思ったらやっぱり絶望が待っているし、最後はどっちなのかものすごく悩んだけど、面白かった。
    とりあえず、グロが苦手な人は読まないことをオススメします。

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著者プロフィール

『レイトン教授VS逆転裁判』等のゲームデザイン、シナリオを担当。自身を中心とした制作チームによる同人ゲーム「ファタモルガーナの館」で人気を博す。小説はほかにMF文庫J刊「モーテ」等がある。

「2016年 『ファタモルガーナの館-The house in Fata morgana- あなたの原典に至る物語Ⅴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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