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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784042791010
作品紹介・あらすじ
上院議員のもとから失踪した黒人掃除婦。彼女は議員の秘められたスキャンダルを撮影した写真を持ち去っていた。写真の奪回を依頼された探偵パトリックとアンジーは、写真を巡る陰謀に巻き込まれていく。
みんなの感想まとめ
複雑な社会の現実を描いたこの作品は、探偵パトリックとアンジーが織りなす物語を通じて、人生のままならなさや人間の苦悩を深く掘り下げています。読者は彼らが直面する人種差別や家庭内暴力、貧富の格差といったテ...
感想・レビュー・書評
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デニス・レヘインのデビュー作を再読した。
生まれ育ったその街で経験したこと、見聞きしたこと、暴かれたもの、隠されているもの。ままならない人生、社会、世界。優れたデビュー作には作家のそれまでが全て詰まっている。まさにそういう小説。
多分3回目くらいの再読だけれど、読むたびに発見があるというか、フォーカスしてしまう部分が変わってくる。そのどれもが解決することはないし、わからない。そんなものが詰め込まれた小説は、複雑で混沌としているようにも思えるけれど、人生や世界を描くというのはそういうことだ。小説というのは複雑な世界をわかりやすく描くものではなくて、世界の複雑さ、わからなさ自体を描くものなのだ。少なくともそう読みたい。そんなことをこういう小説を読む度に思う。
事件は終息し物語語りが終わっても、人生も世界も解決することはない、まさに「この世はままならない」。けれど、そのなかで、迷い、傷つき、疲弊しながらも、それを信じることが出来れば、正義や良心といったものはたしかに存在する。同時にそんなことも描く、描けるのが小説なのだ、という気もしている。その正義を個人が扱うとき、登場人物たちはまた迷い、傷つき、疲弊し、この世のままならなさを思い知ることになるのだけど。ああ。しかし、それでも……と思わせてくれるのはたしかな創作の力だ。やはり傑作である。
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最近読んだ「こういう小説」のことも思い出す。ポール・オースターの『サンセット・パーク』。あれも「その街」を舞台にした「この世はままならない」話だった。読み方によっては「クライム・ノベル」だった、とも言えるかもしれない。ボストンとニューヨーク。音楽を通じて憧れて身近にも感じていた街の「真実」を少しだけ垣間見た気にもなってくる。これも小説を読むことの醍醐味のひとつ。
そんなふたつの小説のことを考えながら思い浮かんでいる音楽、バンドは、The Mighty Mighty BosstonesとMerauder。今かかっているTHEE SINSEERSのアルバムが終わったら、それらの音楽を聴きながら、小説と、このままならない世界と、そこで信じることの出来るものについてもう少しだけ考えてみようか、と思っている。もうすぐ日が暮れる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私立探偵パトリック&アンジーシリーズ一作目。
人種差別、児童虐待、家庭内暴力、貧富格差。スコッチに涙を託して飲まないとやってられないですね。
ブッバ・ロゴウスキー、めちゃつよ。続編でも登場するんだろうか。楽しみ。 -
何度目か分からない再読。作者の意気込みがすごく伝わってくる作品。パトリックとアンジーが生まれ育ち、今尚暮らすボストンという街が抱える様々な光と陰を丁寧に描いている。パトリックの一人称だが、彼は人種や政治、夫婦間や親子間の虐待問題等、どんなことも自分の問題として考える誠実さがある。決して大上段に構えず、解決できない問題でも、自分に出来ることを自分らしくやるのだ。もちろん、プロットも上手くて彼らが依頼された事件が様相を変えていく過程はドキドキする。でもこのシリーズが成功したのは、パトリックとアンジーがいつでも遭遇する事件や問題の痛みを自分自身が感じて苦悩する誠実さにあると思う。読者はそこに一番共感するのだと思う。
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「運命の日」がすごかったので読んでみる。作者の初探偵小説にしてデビュー作!舞台は93年前後のまだインターネットも携帯電話も普及前のボストン。色男パトリックと家庭内暴力に悩む美貌のわけあり人妻アンジーがコンビを組む探偵シリーズ第1作。90年代のボストンってこんなに荒れ果てているんだっけ?ギャングは撃ちまくる、車は横転する、屍累々のハリウッド映画のような展開だが、テーマは幼児虐待と人種差別が根底に流れており、重い。なんでこの二人が最初からイチャイチャしているのか?なんでアンジーのジョークが鼻につくのか?最初はなかなか乗れなかった・・・波に乗れれば大丈夫。しかし、こんな色っぽい美人の相棒にいちいち絡まれて仕事になるのか???うらやましいけど私はダメです・・・
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映画「ゴーン・ベイビー・ゴーン」に痺れて、パトリックandケンジーシリーズを一作目から読もうと決意。
事件の展開の意外性とかは全くないけれど、登場人物が魅力的で台詞回しが素晴らしい。それに緊張感ある痺れるシーンの描写は最高ですね。惚れ込んだゆえにちょっと贔屓目にレビュー書いてる気もしますが、久々に時間をわすれて読みました。
とこれを書いていたのが四年以上前。このシリーズは偶数作が面白いんですよね。奇数はちょっと落ちる点があるなあと星主観で三つ -
読むのに時間がかかったが面白かった。パトリック&アンジーシリーズ。とりあえず、くそったれな亭主とどうなるのかが気になって読み進めるところもあった。
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ちょうどバーで読む本がなかったため、購入した作品。スコッチって書いてあった、っていうただそれだけで選んだのだが、これがまた面白かった。
ボストンで探偵事務所を営む、パトリックとアンジーは幼馴染。アンジーは同じく幼馴染のフィルと結婚している。
ふたりのプラトニックな関係と、パトリックからアンジーに向ける好意、「昔はいいやつだったのに」の典型のフィルに対するパトリックの憎悪、殺人マシンで街中の裏稼業の連中から恐れられているブッバ、など、主人公と彼らをとりまくメインメンバーのそれぞれへの気持ちが、事件と絡み合って展開していく。
依頼は、ある重要な書類を持って行方をくらました掃除婦を探してほしいという、上院議員からの依頼だった。それが、裏の世界の勢力争いに巻き込まれていくきっかけとなる。
掃除婦が持ち出した書類とは何か、その書類の真実は何か、というのが、この事件のポイント。
そこから、黒人差別、性的虐待、親子の断絶といった現代を象徴する問題が浮かび上がってくる。
チャンドラーの正当な後継者と呼ばれている(らしい)作者。
フィリップ・マーロウに比べるとパトリックとアンジーはやや暴力的ではあるが、世間に対する確固たる信念を持っているところや、いわゆる「世間の目」にとらわれない自由な意見を持ち、そのせいでアウトサイダーであることを余儀なくされているところ、そして皮肉屋なところは、まさしく。
また、現代の闇を描き続けているせいなのか、このシリーズ、やたら人が死んでいく。
暗く、重い物語やテーマを、軽快な行動力で引っ張って行ってくれるパトリックとアンジーが、魅力的だ。 -
上院議員から受けた失踪人捜索の依頼がギャング集団に命を狙われることに…パトリックの少年時代、アンジーのDV夫、度重なる危機、人種差別、そして敵味方双方の人物造形などなど読みどころだらけの一冊。シリーズ攻めていきたい。
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ずっと読みたかったパトリック&アンジーもの。
とてもおもしろかったです。
内容が内容なだけに、おもしろかったと言ってよいかは迷うところですが、ページターナーでした。
荒唐無稽なのかもと思いつつ、現実にはもっとヒドいことが起きているかも…などとグルグルしながら読みました。
デニス・ルヘインの、映画化作品たちにも通ずる様々なトピックが散りばめられているようにも感じました。
パトリックもアンジーも、心が傷んでいて、魅力的な脇を固める面々も、いろいろある…ブッバは除き。ブッバは、その存在が、異質。
フィルはろくでなし。でも、なかなか別れられない事情は察します。
パトリックとアンジーは幸せになれるでしょうか…
あまりに気になるので、2作目を図書館に予約。読もうと登録して約5年。ようやくです(笑)
A Drink Before The War(1994)
日本では平成11年5月初版
政治家、消防士、父や母…
ボストン
ドーチェスター
人種問題
いろいろな形でのレイプ…
ジェンナは息子を守りたかった…
いろいろ思う1冊
ネタの暗さで満点にできず。
それから、ギャング父が、16歳のギャング息子に取って代わられるかは…なんとも言えず…
でも、かなり高です。 -
ルヘインのこれはシリーズもの。ボストンの探偵コンビ、パットとアンジーが主役。うさんくさい政治家の依頼で、重要秘密をもって失踪した女性ジェンナの探索を依頼されるが、町を二分するギャング集団の抗争にもろに巻き込まれるという筋書き。ギャングの首魁がそれぞれ当の女性の夫と息子というのがあまりに出来すぎのシチュエーションで、つまり父と息子の確執が主題というわけだ。というわけで派手なドンパチが繰り広げられるものの、ミステリ的な興趣はほとんどなく、その中をかいくぐってジェンナのために奔走する2人の活躍が読みどころか。手に汗握るアメリカ的活劇を期待する向きにはいいかもしれないが、ちょっとそれだけではなあという感がある。
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面白い探偵小説の条件その1、どこか情けないがやる時はやる探偵と、相棒は美貌とユーモアの持ち主♀、という組合せ。
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★粗筋★
私立探偵パトリックのもとに、ある大物議員から依頼が舞い込んできた。「掃除婦が盗んだ法案に関する書類を取り返してほしい」
パトリックと相棒アンジーが見せる名コンビで、幾多の危機を乗り越えられるか?
探偵ハードボイルドもののなかでは、割としっかりストーリーを作ってます。軽妙でウィットに富んだ会話は少なめ。プロットのたて方は上手いとは言えんけど、暇潰しにはいいんじゃないでしょうか? -
2011年12月6日読了。
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購入者:治
洋物だけに強烈にインパクトがある作品です
悪徳代議士とマフィアの陰謀に対抗する、探偵パトリックの活躍
相棒のアンジーは魅力のある女性だと思う
今、日本でもこんな変な事件は多い
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徐々にダークな雰囲気になりつつある、私立探偵パトリック&アンジー・シリーズ第一弾。二人の関係が、回を重ねる毎に変化していくのが見ものです。あー洋物って、いいシリーズいっぱいあるなぁー。
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レヘインのシリーズ
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