ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白 (角川文庫)

著者 : 中島義道
  • KADOKAWA (2007年2月23日発売)
3.66
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043496051

作品紹介

ひとを愛するとは、いったいどういうことなのだろう?ひとを愛することは当然であり、それができない者はまるで怪物のように忌み嫌われる現代にあって、ひとを自然に愛せない者はいかにして生きればいいのか?愛する能力が絶望的に欠けていた父と、それでも夫から愛されることを望みつづけた母との確執を間近に見ながら、身を削られるような劣等感と病的な自己愛と格闘しつづけた著者が辿り着いた凄絶なる「愛」の哲学。

ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 変わったタイトルの小説だなと思って手にとったのだが、全く違った。これは著者自身の極めて私的な、愛についての自問自答集。育った家庭環境から愛というものの実感がなく、違和感を感じながら生きているという著者。自身でその違和感を根底までえぐり、もがきながら考え抜き、心に渦巻くものをここまでさらけ出してしまうとは。壮絶のひとことである。とはいえ、愛に不自由を感じずに育った人間からすれば、感性の違いに戸惑うに違いない。読んでいて著者の考えに引き込まれつつも、途中からは理解の範疇をこえた。共感はないが印象に残る一冊。

  • 私と同類がいるらしいことは分かったが、解決策は見出せなかったし、解決策はない。

  • このテキストはなんだろう? たしかに哲学的であるが、同時に私小説のようでもあり不思議な感じがする。エッセイにしては重すぎるし、哲学にしては個人的な経験に基づいたものが多い。自分のことをここまで、掘り返して断じることはなかなかできないし、そういった作業が普通では無いことを感じさせる。己のことを徹底して客観的に語ることは恐ろしいことであるという意味で、哲学ホラーと評した解説森岡正博の言葉は頷けるものがある。内省の徹底と疑義を挟んでの自己認識がどういうものであるか。明るい気持ちにはならないし、完全には沿えないにしても、徹底のもたらすものを客観的に見直す事ができると思う。

  • 交換不可能な人を好きになるというのは、なかなか難しいと私は思う。
    人を愛するとは何かについて、書かれているが読んでいてなかなか疲れた。

  • 鬱屈した自己愛ゆえに、他人を自然と愛することができない・・・
    そんな「マイナスのナルシス」なる者の心理を、筆者自身の経験を織り交ぜながら解説し、そもそも「愛とはなにか?」についてとことん追求している本。

  • いいような いらないような

  • 中島義道はかなり好きです。
    その社会的不適応さが。
    そして、自分のそうした側面に気づいていて、開き直るのではなく、意外なほど真剣に悩んでたりするところが。

    今回の本は、そんな中島義道の本の中でも、特別にイイ。

    …や、違うかな。
    あたしの好みから言えば、『私の嫌いな10の人びと』とか『偏食的生き方のすすめ』の方が、断然あたし好みなのだけど。

    だから、この本がイイっていうのは、好みというより、共感、って感じ。

    今までの本の中でも共感できる部分っていうのは、確かにあったのだけど(あたしも中島義道の嫌いな10の人びとのうち、8人は確実に嫌い)、それでも、中島義道は(少なくとも、おそらく)あたしの数倍はエキセントリックなので、「やっぱ中島義道は違うなぁ」みたいな感じだったのですが、この本は、全然、そんなことなく。
    うわぁ、あたしと同じだ…って。

    ただし、読み始めは微妙。
    というのは、あたしも確かにひとを愛することが極端に不得手だけれども、というか、そういうのが実感としてほとんどわからないのだけれども、それでも、そういうことは言明してはいけないこと、だと思っていたからです。
    なので、そういうことをタイトルにしてしまう正直さに、ちょっと戸惑ったり。

    でも読んでみると、かなりイイ。
    実感にぴったり。

    ……。
    これ以上感想を綴ると、不必要に、不用意に、いらないことまで書いてしまいそうなので、今日はこの辺でやめちゃいます。

  • 読んでて疲れたー。自分の弱さ(?)をえぐられるよう。

  • 途中、読みながら森岡正博のことを思い出していて、そしたら解説が森岡正博で凄くビビったし適任だと思った。

  • まぁぁ暗くて捻くれてて湿っぽい、重い重い愛に関する哲学エッセイ。
    愛とはなんと利己的で暴力的で理不尽で人を醜くさせるものなのか!
    利己的な自分の愛を底の底まで考え抜き「愛とは何か?」という問題を自らの歪んだ愛をモチーフに考察した奇妙かつ深く興味深い一冊。
    愛に疲れた人、愛を信じられない人、愛とは何かが分からず人を愛せない人必読の書……かな。

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