この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 1932
感想 : 275
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043543182

作品紹介・あらすじ

「生まれて初めて触ったお金には、魚のウロコや血がついていたのを覚えている」-お金の無い地獄を味わった子どもの頃。お金を稼げば「自由」を手に入れられることを知った駆け出し時代。やがて待ち受ける「ギャンブル」という名の地獄。「お金」という存在と闘い続けて、やがて見えてきたものとは…。「お金」と「働く事」の真実が分かる珠玉の人生論。TVドラマ化もされた感動のベストセラー、遂に文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の経験則に基づいたカネに対する考え方が記されたエッセイ本。

    普段、この類の作品は読まないのだがタイトルに惹かれ、語り部に惹かれ一気読み。

    お金の重みは働いてみればわかる。

    ザ・その通り。

  • ずっと読もうと思っていた本。
    夏休みにちびちゃんに読ませたいとまず、読んでみた。
    いろんな考えの人がいるだろうけれど、おカネってこういうこと。
    私が常々考えてきたおカネについてが、西原さんの体験と共にリアルに語られてる。
    決着がつかない「仕事」との距離感についても。
    西原さんてなんかズルいんだよね。下品なところも破天荒なところも、赤裸々すぎるところも、ちょっと引いちゃう出来事もあるのに、何度も自分の中の痛かったり、温かかったりする思い出にふっと重なる。それが喉の奥を熱くする。ズルいなー。

    「ロビンソン・クルーソー!甘い。甘すぎる…。
    『漂流』っていうなら、うちのほうがよっぽど『漂流』してんだよ、ふざけんなって思ったね。目の前の現実のほうがよっぽど大嵐が吹き荒れてるんだもん。」

    「どこかに、自分にしっくりくる世界がきっとある。
    もし、ないとしたら、自分でつくっちゃえばいい。
    働くっていうのは、つまり、そういうことでもあるんじゃないかな。
    仕事っていうのは、そうやって壁にぶつかりながらも、出会った人たちの力を借りて、自分の居場所をつくっていくことでもあると思う。」

    「お金との接し方は、人との接し方に反映する。
    お金って、つまり『人間関係』のことでもあるんだよ。
    お金をいつも自分では出さないでいると、友達も対等じゃいられなくなっちゃう。」

    「自分の中の『ダメなところ』を、そんなに恥じることはないんだよ。肝心なのは、ダメになったら、そこからどう切り返すかなんだから。どうやったら、そこで『自分なりの次の一手』を打てるかなんだからさ。」

    「自分が稼いだこの『カネ』は、誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだ。
    そう実感することができたら、それはきっと一生の仕事にだって、できると思う。」

    「いざというとき、大切な誰かを安全な場所にいさせてあげたい。
    そう思うなら、働きなさい。働いて、お金を稼ぎなさい。そうして強くなりなさい。
    それが、大人になるっていうことなんだと思う。

  • 漢字にルビが振られているので、小学生でも読めます・・いや刺激は強いが小学生から読むべきかもしれません。実は、本の体裁は全然違えど(自伝小説とエッセイ)、大平光代「だから、あなたも生き抜いて」を読んだ時と同じくらいのインパクトを受けました、そして感動しました。

    本書で指摘する、お金がない=精神的余裕がなくなる=ストレスがたまる=持っていきどころのない鬱憤を家庭で爆発させる=家族がその負の連鎖から抜け出せない・・という流れは、もしかしたら最近騒がせている我が子の虐待問題の原因にもつながっているのかもしれません。
    また、年間3万人の自殺を防ぐことは、今できる最も効果のある少子化の歯止めだという点にも気づかせてもらいました。
    そして、私が小学生が読むべきだと思ったのは、世界にはその日の食べ物を確保するだけで身を粉にして働かざるを得ない子供たちが大勢いることを知った上で、自分の現状を嘆いても遅くはないということからです。
    もちろん、悩みの大小だけで、その人の苦しみの大きさを断定できませんが、それでも日本人は恵まれていると知っておくことは意味があることです。

    一見マンガ付きで軽めにみえますが、決して侮れない本です。

  • もう文句を言わずに仕事する。
    がんばって稼いだお金をもっと大事にする。
    働くことが、生きること。
    希望を持ってがんばろう。
    こんな風に思わせてくれたこの本に感謝。

  • 『お金がないことが人をどれほど追い詰めて、ボロボロにするのか。そのあらゆるパターンを、わたしは見たと思う。
    かなしいことほど、いつまでも覚えているのはなぜなんだろうね。かなしくても、わたしにとってはぜんぶ、忘れられない思い出だけど。』

    最初の話にこう書かれているように、西原さんの生い立ちとそれにまつわるお金についての話が赤裸々に書かれた本。
    お金についての事は書きにくいものだけど、それを西原さんは綺麗事なしに、率直に書いています。
    相当な苦労をしてきた人なんだ・・・とこれを読んで思いました。

    西原さんって高知生まれで、子供の頃は高知で育ったんですね。
    その頃父親がギャンブルで首を吊ったという話、住んでいた周辺では窓もないような貧しい家もあったこと、貧しい同級生たちのこと、上京してお金がない中、仕事を選ばず懸命に働いてお金を稼いだこと、ギャンブルで大金を失ったこと・・・。
    これだけ書くと、相当暗くてお金に対してマイナスのイメージの事ばかりが書かれているのでは?と思われそうだけど、それだけでない、何かこう作者の生命力のようなものが伝わってきて、正にカネの良し悪しを等身大で描いているのがこの本の良さだと思う。

    『貧乏人の子は、貧乏人になる』

    こんな文章を見たら眉をひそめて、こんな本は子供に見せたくないと思う人もいるかもしれない。
    でもその厳しい文章も苦労をしてきたこの人の言葉だからこそグッとこちらに響くし、そういう言葉でカネの真実を教えてくれる、「健全なお金の本」だと思った。

    本当にいい事が書いてあって、抜き出すのは難しいけど、特に心に残ったのは二つ。
    『働いていれば、人間、そんなにものごとを悪く考えたりしないものよ。
    だから大事なのは、単に「カネ」があるってことじゃない。
    働くこと。働きつづけるってことが、まるで「自家発電」みたいに、わたしがその日を明るくがんばるためのエンジンになってくれたのよ。』

    『金銭感覚っていうのは、日々の習慣の積み重ねによってつくられていくものなんだよ。ギャンブルや、投資、借金は、その人の金銭感覚を拡大して見せてくれるものだけど、その金銭感覚をつくる元は、子どものころからの日常の習慣なんだと思う。』

    これだけ見ても、ちゃんとしているし、ただお金の恐い部分だけを強調している本じゃないと分かるでしょう。

    ギャンブルで5千万円をつぎ込んだ経験があるという西原さん。
    さすが、高知の女性だけあって豪快というか・・・。
    「バクチに追いつく稼ぎなし」という言葉は初めて知りました。
    「どんなに稼いでも、バクチをしていたら追いつかないぞ」という言葉なんだとか。
    そんなギャンブルの事を書いた話では、ギャンブルの恐さや真髄というものをしっかりとらえられていました。

    この人は相当に頭がいいし、センスのいい人だと思います。
    この本を読んで、改めて人間・西原さんの魅力を知った気がしました。

  • 幼いころより『カネ』というものに翻弄されてきて、人生の浮き沈みを体験してはしては漫画にする西原理恵子が語りおろす『カネ』の話。子供から大人まで必読の本である、と言えます。

    この本を僕は何回読んだかわからないなぁ。彼女が漫画家になってから今まで飛ばしたカネが、マージャンをはじめとするバクチ関係で5000万。狂気のレバレッジ200倍という取引を敢行したFXで1000万。そのほかに個人的に貸して貸し倒れになったカネが1000万。さらにこの本を出版した会社が民事再生法を適用して未回収となった売掛金の印税が2000万円を突破して、某マンガ雑誌で血まみれのギャグをかっ飛ばし続けている。そんな彼女が語る『カネ』の話です。

    その中で一番印象に残ったのは彼女の言う『貧困』と『借金』と『ギャンブル』がとっても仲がいい、というのは本当のことです。状況を一発逆転しようとしてギャンブルに手を染めたりする、というのは破滅への片道切符を買っているようなものです。そして、彼女の幼少期の思い出で
    「カネがないと日常のあらゆることで衝突が起こる」
    というのは実体験があるだけにすさまじいリアリティをもって読んでいる人間の奥底に響いてきます。

    ここまでカラダを張って『カネ』というものに向かい合ってきたオンナはなかなかいないでしょうね。さすが『八金』といわれる土佐の女だけのことはあります。ゼヒご一読を。

  • これは最良の経済教科書と言えるのではないか?

  • 私はあまり個人の見解みたいな本は好きでないが、この本は面白かった。日本ではお金のはなしをすると、卑しい奴みたいなイメージがある。しかしながら、お金がないと何もできないということもまた、事実である。そのような事実を実体験を踏まえて書いてあります。

  • なんかよかった。若い人達にむけて母目線で貧困とはどういうことか教えてくれる。
    あんまり西原さんの作風が好きじゃなかったけどこれ読んだら他のも読んでみたいなと思った。

  • 良くも悪くも衝撃が走った。作品というより、本での活字を通して生き様と経験を伝承、発信、打ち明けたいという気概が伝わってきた。
    貧困に対しての基礎知識となっている20歳までの経験と、その後のお金を手に入れてからのギャンブルにハマるという急転換があまり結びつきはしないが、スタンスがはっきりしていて潔い。

    自分の価値観、同じ1万円というお金に対しての価値が変わる瞬間が大人なるにつれて来る予感がしている。もう来ているかもしれない。
    その分岐点で、ある種有限のお金の流れと価値観をつかみ、乗りこなすことが出来るかが大切。

    人とご飯に行って奢られるのが当然という人はどうかと思う、お金を出さなくて知らんぷりという言葉にはドキッとした。『損』したくない、卑しさが自分の中にある限り、お金を持っても本当の意味で豊かというか、セレブというか、やりたいお金の使い方が出来ないんじゃないかと危惧した。
    安物買いの銭失いを繰り返し、自己投資や成長・家族や大切な人のためにお金を使えず下手くそな使い方をしてしまうのではないか。
    周囲からケチだなとか、卑しさがあるところにお金やいい話が集まるとは、客観的には思えない。
    自分のお金に対してのスタンスや管理方法を見直すきっかけにしたい。アジアの貧しいスラムまで飛躍しては、自己投影できないけど、自分の今の暮らしが本当にこれでいいのか改めて考えるきっかけになった。
    あと、買いっぱなしで全然動かしてない株券のことも思い出したし。


    若林の人見知り学部卒、又吉の夜を乗り越えると並ぶ積読本のひとつになりそう。

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著者プロフィール

高知生まれ。漫画家。’88年『ちくろ幼稚園』で本格デビュー。’97年『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞を受賞。’05年『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「2021年 『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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