この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043543182

作品紹介・あらすじ

「生まれて初めて触ったお金には、魚のウロコや血がついていたのを覚えている」-お金の無い地獄を味わった子どもの頃。お金を稼げば「自由」を手に入れられることを知った駆け出し時代。やがて待ち受ける「ギャンブル」という名の地獄。「お金」という存在と闘い続けて、やがて見えてきたものとは…。「お金」と「働く事」の真実が分かる珠玉の人生論。TVドラマ化もされた感動のベストセラー、遂に文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 『お金がないことが人をどれほど追い詰めて、ボロボロにするのか。そのあらゆるパターンを、わたしは見たと思う。
    かなしいことほど、いつまでも覚えているのはなぜなんだろうね。かなしくても、わたしにとってはぜんぶ、忘れられない思い出だけど。』

    最初の話にこう書かれているように、西原さんの生い立ちとそれにまつわるお金についての話が赤裸々に書かれた本。
    お金についての事は書きにくいものだけど、それを西原さんは綺麗事なしに、率直に書いています。
    相当な苦労をしてきた人なんだ・・・とこれを読んで思いました。

    西原さんって高知生まれで、子供の頃は高知で育ったんですね。
    その頃父親がギャンブルで首を吊ったという話、住んでいた周辺では窓もないような貧しい家もあったこと、貧しい同級生たちのこと、上京してお金がない中、仕事を選ばず懸命に働いてお金を稼いだこと、ギャンブルで大金を失ったこと・・・。
    これだけ書くと、相当暗くてお金に対してマイナスのイメージの事ばかりが書かれているのでは?と思われそうだけど、それだけでない、何かこう作者の生命力のようなものが伝わってきて、正にカネの良し悪しを等身大で描いているのがこの本の良さだと思う。

    『貧乏人の子は、貧乏人になる』

    こんな文章を見たら眉をひそめて、こんな本は子供に見せたくないと思う人もいるかもしれない。
    でもその厳しい文章も苦労をしてきたこの人の言葉だからこそグッとこちらに響くし、そういう言葉でカネの真実を教えてくれる、「健全なお金の本」だと思った。

    本当にいい事が書いてあって、抜き出すのは難しいけど、特に心に残ったのは二つ。
    『働いていれば、人間、そんなにものごとを悪く考えたりしないものよ。
    だから大事なのは、単に「カネ」があるってことじゃない。
    働くこと。働きつづけるってことが、まるで「自家発電」みたいに、わたしがその日を明るくがんばるためのエンジンになってくれたのよ。』

    『金銭感覚っていうのは、日々の習慣の積み重ねによってつくられていくものなんだよ。ギャンブルや、投資、借金は、その人の金銭感覚を拡大して見せてくれるものだけど、その金銭感覚をつくる元は、子どものころからの日常の習慣なんだと思う。』

    これだけ見ても、ちゃんとしているし、ただお金の恐い部分だけを強調している本じゃないと分かるでしょう。

    ギャンブルで5千万円をつぎ込んだ経験があるという西原さん。
    さすが、高知の女性だけあって豪快というか・・・。
    「バクチに追いつく稼ぎなし」という言葉は初めて知りました。
    「どんなに稼いでも、バクチをしていたら追いつかないぞ」という言葉なんだとか。
    そんなギャンブルの事を書いた話では、ギャンブルの恐さや真髄というものをしっかりとらえられていました。

    この人は相当に頭がいいし、センスのいい人だと思います。
    この本を読んで、改めて人間・西原さんの魅力を知った気がしました。

  • もう文句を言わずに仕事する。
    がんばって稼いだお金をもっと大事にする。
    働くことが、生きること。
    希望を持ってがんばろう。
    こんな風に思わせてくれたこの本に感謝。

  • 高知の田舎町で過ごした幼少時代、アル中の父親に振り回され“最下位”を経験する中高生時代、イラストで食べていくことを決心した美大時代、そして現在に至るまで、漫画家・西原理恵子氏が身を以て経験し、そこから気付いた「カネ」にまつわる哲学を、自身の半生とともに振り返る自伝的エッセイ。

    赤裸々に綴られた半生から見えてくる、万人に当てはまる生きていく上で必須の処世術。「カネ」と「労働」を掘り下げていくと、ヒトとして生きる大切な姿勢が浮かび上がってくる。自分が自分らしく生きるために、そしていざという時に周囲にいる大切な人を守れるように、愚直に仕事に向き合っていこうと思った。
    時間を置いてまた読み返したい。

    ~memo~
    ・仕事に対して貪欲になる。
    ・過剰なプライドはカネにはならない。
    ・まずやってみる。
    ・働くこと、働き続けることは明日への活力に繋がる。

  • 「世の中には学校に行っているだけ、机に向かっているだけじゃわからないことが、それこそ山のようにある。」当然のことではあるが、改めて言われると胸に「グサッ」とっきた。

  • 働くことが生きること。豊かさが当たり前になった日本では、何がしたいのか分からない病が蔓延している。それが良い悪いのではなく、人として生きるためには働くことが大切だと諭してくれる一冊。著者の壮絶な幼少期を聞けばより説得力があります。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「何がしたいのか分からない病」
      それは若い人だけの責任じゃないと思うけど、取り敢えずは、そこから抜けなきゃならないのは確かで
      「何がしたいのか分からない病」
      それは若い人だけの責任じゃないと思うけど、取り敢えずは、そこから抜けなきゃならないのは確かで
      2013/06/14
  • 金にまつわる人生。 どうしても生きていくには金がまつわる。 逃げようにも逃げれない、まとわりつく、そして崇める。 この物語の中にはお金にまつわるドロドロした人生がある。 行きつ戻りつそして倒れてやがて死滅する。 それが人間とお金の物語だ。

  • 幼いころより『カネ』というものに翻弄されてきて、人生の浮き沈みを体験してはしては漫画にする西原理恵子が語りおろす『カネ』の話。子供から大人まで必読の本である、と言えます。

    この本を僕は何回読んだかわからないなぁ。彼女が漫画家になってから今まで飛ばしたカネが、マージャンをはじめとするバクチ関係で5000万。狂気のレバレッジ200倍という取引を敢行したFXで1000万。そのほかに個人的に貸して貸し倒れになったカネが1000万。さらにこの本を出版した会社が民事再生法を適用して未回収となった売掛金の印税が2000万円を突破して、某マンガ雑誌で血まみれのギャグをかっ飛ばし続けている。そんな彼女が語る『カネ』の話です。

    その中で一番印象に残ったのは彼女の言う『貧困』と『借金』と『ギャンブル』がとっても仲がいい、というのは本当のことです。状況を一発逆転しようとしてギャンブルに手を染めたりする、というのは破滅への片道切符を買っているようなものです。そして、彼女の幼少期の思い出で
    「カネがないと日常のあらゆることで衝突が起こる」
    というのは実体験があるだけにすさまじいリアリティをもって読んでいる人間の奥底に響いてきます。

    ここまでカラダを張って『カネ』というものに向かい合ってきたオンナはなかなかいないでしょうね。さすが『八金』といわれる土佐の女だけのことはあります。ゼヒご一読を。

  • 経験に基づいた生の言葉がいくつもささった。
    なんて力強く生きているんだろうか。
    なんて思いやりのある人なんだろうか。
    さいばらさん。尊敬します。

  • マンガ家・西原理恵子が「カネ」と自らの人生について、赤裸々に語った本。
    「カネ」で家族が崩壊するという壮絶な経験をしたのち、高知から上京。貧乏生活を続けながら美大の予備校に通うも、成績は最下位…。そんな状況で「絵でお金を稼ぐ」という信念を持ち続けるのは容易ではなかったはずですが、彼女は自分のやり方で道を切り拓き、徐々に「絵を描くこと」でお金をもらえるようになっていきます。やがてマンガ家になった西原さんは、またしても「カネ」に翻弄されてしまうのですが…。
    才能がある人と自分を比べて落ち込む暇があったら、自分が戦える場所を探し、そこで勝負する…そんな生き方を選択できたのも、お金を得ることの厳しさを幼い頃から身に染みてわかっていたからこそ。逆境から這い上がり成功した西原さんの生き方には敬服。お金や仕事への向き合い方を改めて考えさせられました。(書店員・パンダ)

  • どん底の時代が長かったからこそ見えていた社会。一言一言に重みがあって、「お金を稼ぐ」ことの基本が語られている。息子にもぜひ読んでもらいたい。

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