髑髏検校 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 201
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043555062

作品紹介・あらすじ

文化八年元旦。豊漁に沸く房州白浜で、一頭の鯨の腹から書状が出てきた。書状の主は長崎に留学中の蘭学生・鬼頭朱之助。彼が南海の孤島で遭遇した不知火検校の行状は、後日、江戸中を恐怖のどん底に陥れたあの怪事件の前ぶれであった…。吸血鬼髑髏検校とこれに立ち向かう蘭学者鳥居蘭渓・朱之助師弟、将軍家息女陽炎姫など、善魔入り乱れての戦いの結末は!?怪異の極致を描いた時代小説に傑作伝奇「神変稲妻車」を併録。

感想・レビュー・書評

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  • 表題作の髑髏検校の方は和製ドラキュラ伯爵的な感じだし、オチも含めて良かったが、
    もう一編の神変稲妻車がまあ登場人物多い・文体も読みづらい・話の展開わからん、でとうとうギブアップ。
    髑髏検校のおかげで星増えてる感じ。

  • 横溝正史にしては珍しい時代小説。2つの作品が収録。「髑髏検校」は、いわゆるドラキュラもの。「神変稲妻車」は、里見八犬伝を思わせるが、講談のようにテンポある筆致。余り期待していなかったが、一気に読破。横溝正史の別の一面に遭遇した感を受ける。

  • 横溝正史の歴史物。中長編2作が収められており、1本目が和製ドラキュラで、2本目は不思議な笛をめぐる冒険活劇。

    いずれの作品も、「なんとかだからタマラナイ」というような、講談や紙芝居口調で続くため、読む方にも勢いがつくものの、場面転換が多すぎてどこで何をやっているのかを把握するのが困難。さらにこれでもかと、キャラクター満載に仕上げてあるため、固くなった頭には相当辛い。

    しかも「神変稲妻車」はかなり長い部類の作品のため、途中完全にだれてしまう。講談ならではのダジャレや冗談も挿入されているものの、それを楽しむ余裕もなく、とにかく惰性で読みきった感がある。

    内容的には、和製ドラキュラの中途半端感よりは、里見八犬伝がごとく3つの笛を求めて東奔西走し、昨日の敵が今日の仲間になる2作目のほうが内容は濃い。

    とはいえ、子供向けかな。ルビがほとんど無いんだけど。

  • 横溝正史の時代物って初めて。
    さっすが横溝先生。時代物が苦手な私でもスラスラ読めたぁ。
    ってか、面白かった!

    一つ目の『神変稲妻車』
    これは、なんだかコメディタッチな乗りで、ハチャメチャ大冒険風に書かれてて楽しかった。
    横溝正史らしいおぞましい描写もちらほらあったけど、いろんなキャラクターがとっかえひっかえ出てくるので飽きない。
    これは、とっても新鮮な感じがして良かった。

    二作目の『髑髏検校』も時代物だけど、こっちは横溝正史っぽい感じ。お江戸の吸血鬼の話。
    時代物ホラーっていうのかな。
    なかなか怖く妖気な感じで書かれてるので、こっちも飽きずにスラスラ読めた。

    時代物の言葉遣いなのに、ここまで2編とも面白く読めるのは、やはり横溝先生ならでは。さすがだな~。
    私が横溝正史の本が好きなのは、何と言っても描写のうまさがイメージしやすく、ぞぞーっとさせてくれるとこ。

    どっちの話もハッピーエンドで読後感もさっぱり。

  • 長い…

  • 「今月の角川文庫編集長フェア 京極編集長が選んだ、おすすめの角川文庫6冊」のセット購入。

  • ブックオフで安くなっててとにかく買っとこうと買った本。とある友人には大変評判のよかったもの。吸血鬼が出てきて少し時代小説ということで面白そうな要素はありますよね。積んでないで早く読まないといけんなあ。。。

  • 吸血鬼、とてもいい。
    横溝正史はミステリーだけじゃあない。

  • 短編と中編の二本立て。

    タイトルにもなっている最初の「髑髏検校」は、ドラキュラの舞台を江戸に移したら・・・というお話。
    ある村で捕った鯨の腹の中から、手紙の入った一本の瓶が出てくる・・・。そこに書かれていたのは、ある島に住む吸血鬼のお話。

    「神変稲妻車」は、やはり江戸を舞台とした冒険活劇。さまざまな登場人物が入り乱れ、3本の笛をめぐってやったりやられたり。怪力や妖術が登場し、息もつかせないリズムの良さで、一気に読まされる。

  • 『髑髏検校』
    ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』の翻案。
    クジラの中からの手紙。江戸の町を暗躍する検校。犠牲となった陽炎姫。検校に立ち向かう鳥居蘭渓と息子・縫之助。検校に協力する鳥居蘭渓の息子・大膳。

    『神変稲妻車』
    田沼意知の圧力により伝来の笛を献上する新宮家。すり替えられた笛。3本の笛に隠された秘密と埋蔵金。騙された弦之丞の冒険。双子の妹・小百合の活躍。鳥羽姫の陰謀。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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