新版 竹取物語 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043568017

作品紹介・あらすじ

竹の中から生まれて翁に育てられた美少女かぐや姫は、たくさんの求婚者を退けて月の世界へ帰っていく。『源氏物語』に「物語の出で来はじめの祖なる竹取りの翁」と評されている、現存最古の物語。最新の研究成果による校注と、こなれた現代語訳を付した文庫版の最高峰。資料・索引付き。

感想・レビュー・書評

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  • 古典文学の竹取物語を原文と現代文とともに、豊富な解説を収録した本です。構成としては小学館の日本古典文学全集シリーズと似ていますが、あちらは解説と本文と現代語訳が3段組で書かれているのに対し、本書はまず現代文を章毎に掲載した後に、各章の最後に単語などの解説を行い、書籍の後半部分でまとめて現代語訳をするという体裁で書かれており、日本古典文学全集と比べ遥かに読みやすいです。

    【こんな人におすすめ】
    竹取物語を本格的に勉強しながら読みたい

  • 子供の頃に絵本で読んでからの親しみのある物語。大人になってこうして原文を読むと、かぐや姫の仕打ちのひどさに気づいた。絵本ではそのあたりはやわらかく表現されていたのかもしれない。解説では後の多くの書物に登場していることを示してくれている。それを読むのもおもしろかった。

  • 『源氏物語』のなかで「物語の出で来はじめの祖」と称されるなど、わが国の文学のなかでもとりわけ古い歴史をもつことで知られる作品。講談社学術文庫版の冒頭で触れられているように、じつにさまざまな要素が含まれており、幾通りもの読みかたができる。もちろん底本と現在の流通版のあいだには多少の潤色があるとはいえ、最古級の作品でありながらこの完成度をもっていることに、まずは単純に驚かされる。内容を細かくみていっても、文句のつけようがないであろう。たとえばかぐや姫に求婚する5人の皇子のくだり、ウソをついてごまかそうとしたり、眼の前で燃える姿をみて呆然としたり、手に入れたと思ったらただの糞の塊であったり、取りに行こうとしたら生命の危機に陥る大航海になったりと、それぞれ違った結末が待っていて、この部分だけでも物語としての完成度は相当高いといえるであろう。そのほかの部分についても、もちろん多様な読みかたが可能であり、たとえば翁の心境も、かならずしもかぐや姫寄り一辺倒ではないなど、微妙な揺れ動きがよく表現されている。このようなハイ・レヴェルの作品を、教科書で誰でも親しめる、しかも古典初学者でも気軽に読めるということは、もっと誇りにされてもよいのではないかと思う。しかも長さもそこまでではないので、人生において何度でも読み返したいと思った。

  • 竹取物語をきちんと読んだことがないので購入。
    本は大きく分けて、古文パートと現代語訳パートにわかれてます。
    自力でがんばって読むもよし、現代語訳を見ながら読むもよし、現代文だけを読むもよしだと思います。
    竹取物語にでてくる求婚者の話とか、かぐや姫の気持ちとか、色々見てると思うところがある。

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著者プロフィール

一九三二年生まれ。國學院大學大学院博士課程修了。
跡見学園女子大学教授、東京女子大学教授を経て、現在、跡見学園女子大学名誉教授。文学博士。昭和四十九年、第3回武田祐吉博士記念賞。平成八年、第18回角川源義賞を受賞。
主な著書に、『王朝物語史の研究』(平成七年、角川書店)、『新版 竹取物語』(平成十一年、角川書店)、『世界一わかりすぎる源氏物語』(共著、平成二十三年、角川書店)、『テーマで読む『源氏物語』(全四巻)』(監修、平成二十ー二十二年、勉誠出版)など。

「2014年 『王朝日記物語論叢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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