堤中納言物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫 A 3-6 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)

制作 : 坂口 由美子 
  • 角川学芸出版
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本棚登録 : 146
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043574254

作品紹介・あらすじ

気味の悪い虫を好む姫君を描く「虫めづる姫君」をはじめ、今ではほとんど残っていない平安末期から鎌倉時代の短編10編を収録した作品集。姫君と間違えて祖母を盗んできてしまった男の失敗談や浮気男が元の妻の許に戻る話などを収める。「滑稽な話」「しみじみした話」「状況が面白い話」「もどかしい話」「微笑ましい話」「あきれる話」と、おもむきを変えながら、人生の一こまを鮮やかに描き、その魅力と味わいを存分に楽しめる。

感想・レビュー・書評

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  •  2年前に一読してから、再び読みたくて購入。多少省かれているところもあるけど、原文に触れつつ生き生きとした十編の物語を楽しめた。特に好きなのは、虫愛づる姫君と貝合わせ。

  • 久しぶりにナウシカのマンガを読み、そのモデルとなったお姫様の話を読みたくなった。
    まだ幼いにもかかわらず、見た目にこだわらず物事の本質を見極めることの大切さを知る姫様。
    オシャレに興味のない様子に親近感がわいた。
    表紙が花鳥風月色とりどりでかわいい。

  • 堤中納言物語は、思いがけない話を集めた短編集。
    虫愛づる姫君が読みたくて、久々に借りてきたのだけど、相変わらずほとんどの話が男の身勝手さを描いてて最低だなと思いながら読んだw
    虫愛づる姫君はその中でも面白い話。
    結びの「ニの巻にあるべし」と書いているのに続きがなく、読者の想像に任せるように図ったのは面白い。

  • 「虫愛づる姫君」
    毛虫を愛する風変わりな姫君のお話にはかなりインパクトがありました。

  • 虫愛づる姫君で有名。解説にもあるが堤中納言物語が散逸しなかったのはそれぞれの話が持つ意外性だと思う。結果が予想できなくて、ページをめくる手が止まらなかった。

  • 「おもはぬ方にとまりする少将」は何か怖かった…。

  • はいずみの話は高校時代にやった記憶があり改めて読むとおもしろかった!

  • 堤中納言物語が面白くない訳ではなく、ビギナー向けの体裁が今一つ。
    まず現代語訳、原文、解説という流れはまぁいいとして、紙面の都合かビギナー向けだからか、長い話は解説だけで端折ってるのがいただけない。現代語訳もイマイチ。専門家ぽい訳だけど文章を書き慣れてる人ではないのか、微妙な感じ。
    せっかくだから、他の、ちゃんと全部載っているのを読んでみよう。
    しかし『虫めづる姫君』って子供の頃読んだお伽噺とは全然違う。あれは子供向けにアレンジされたものだったんだなぁ。

  • 十の物語が入った短編小説集、院政期末期で貴族文化が頽廃にむかっていたころで、思いがけないやや歪んだ話をあつめたもの。第三編の「虫めずる姫君」が秀逸。
    「花桜折る中将」 姫と間違えてその祖母を盗み出す話
    「このついで」 中宮を慰めるために話をするが、気の毒な女性の話をしてしまう。
    「虫めづる姫君」 美しいがお歯黒も黛もせず、毛虫を可愛がり、子供に虫の名前などをつける姫の話、姫の理屈にはやや老子からとった節がある。
    「ほどほどの懸想」主従三人がそれぞれの相手と結ばれるが、主人だけは後悔する
    「逢坂こえぬ権中納言」 貴公子が恋になやみ、姫の寝所に入りこんだが、思いをとげない。
    「貝合せ」色好みの蔵人が子供にほだされて観音様になって願いをかなえる。
    「思はぬ方にとまりする少将」 二人の少将がたがいの恋人である姉と妹を間違えて結ばれる。
    「花々のをんな子」 好き者が里さがりした女房たちの話を聞き、上流階級の実情を聞く
    「はい墨」 浮気した男がもとの女にほだされてもとの鞘におさまる。新しい女は白粉とはい墨をまちがて顔にぬってしまう。
    「よしなごと」 僧の内縁の妻となっている女に、その女の師にあたる僧が物をたかる手紙を書く話。物欲がいっぱい。

    『源氏物語』とくに宇治十帖との関連が指摘されており、和歌や『伊勢物語』などとの対照もしっかり説明してある。何より、平安物語の型を書いてくれているのが大変面白く読めた。

  • 短篇集。
    第一話 花桜手折る中将
    第六話 貝合せ
    第九話 はい墨
    第十話 よしなしごと
    が面白い。

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