- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043590018
感想・レビュー・書評
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最後に著者自身がこの歎異抄を読んでいても全く感動しないのは何故かと書いていて笑った。喜びがないのは煩悩の仕業であって、こういう煩悩に悩む者を救うのが阿弥陀様である、と親鸞が言っているという。「他力」も専修念仏も一種の了解放棄である。それが早道かもね。
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この書籍は、親鸞上人の真言真宗の考えや当人の日頃の政治情勢などが、当時の本文、要旨を付けて説明しています。また、後半に現代語訳付きになっていますで読みやすくなっています。
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吉本隆明が自身の著書で親鸞についてたびたび紹介していたので興味が湧き、読んでみることにしました。(「歎異抄」自体は親鸞の弟子である唯円とされています。)
思えば日本史では必ず出てくる、日本人なら名前を聞いたことがない人はいないのではないかと思えるほどの有名人物ですが、親鸞の思想自体にふれる機会はかなり少ないのではないでしょうか。
かの有名な「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」のくだりをはじめ、親鸞の思想の数々に触れることができます。
浄土真宗内部の異義、異端を嘆く内容になっており、「〜〜と説く人がいるがそれは誤りで、〜〜ということなんだよ」というスタイルで書かれています。「◯◯でない」という書き方がなされていることで、親鸞のメッセージをより理解しやすくなるかもしれないなと感じました。
「達観レベル」でいうと、これほど達観している思想は他にないんじゃないか、もう行き着く所まで到達してしまっているんじゃないかとさえ思います。 -
日本の一神教入門。
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約一月前に読み終わっていたけれど、感想を書くのをめんどくさがって忘れていました。
五木寛之の『親鸞』を読了したあとに読んだのですが、正解でした。それがなかったら、そもそも読みきれなかったかもしれない。
その『親鸞』の感想でも書いたのですが、この時代、つまり戦乱や天災が続いて、河原に人の死体が棄てられたままになっていたような世の中では、信仰というのは現代の我々が考える以上に切実なものだったのでしょうね。ただひたすら仏の救いを信じる「他力本願」という考え方は、人力ではどうにもならない現実に立ち向かうための、人間のギリギリの知恵なのかもしれないです。