葬列 (角川文庫 お 45-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 179
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (519ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043706013

感想・レビュー・書評

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  • この作品は第20回横溝正史賞。
    ★5に近い★4です
    やくざな男と主婦が主人公で進んだ話だったけど・・・
    展開がもうあり得なさ過ぎてあれでしたが
    楽しめました

  • やくざになり切れない男、何もやる気のない女、犯罪マニアで詐欺に引っかかりやすい女、武器マニアの女が、それぞれの事情でやくざの組のせん滅を目指すアクション作品。

    この作家は知らなかったけど、面白かった。章ごとに主観の人物が変わるので混乱するし、最初の頃は特に犯罪らしきものも起こるわけではないので手探りなところはあるが、きっちりした「動機」が判ったとたんに、ものすごい勢いでストーリーが進んでいく。

    結局のところ、最近読んだ本の多くでピンと来なかったそこなんだよね。本作では、相当ベタに、説明臭く動機を引き起こす。全般にわたり非常に文章は丁寧で、少々くどいといえばくどい。

    アクションの部分は、時々訳が分からなくなるけれども、滅滅とした序盤からのコントラストで、それなりの爽快感もある。

    タイトルの「葬列」のごとく、人がどんどんどんどん死んでいくし、それは主人公の4人にも例外はない。最後のあたりで「なんであんたがそれ知ってんの?」という部分のみ興ざめだが、それをもってしても☆5の価値はあるかな。

  • 無限地獄。。

  • 不幸のどん底で喘ぐ中年主婦・明日美としのぶ。気が弱い半端なヤクザ・史郎。そして、現実を感じることのできない孤独な女・渚。社会にもてあそばれ、運命に見放された三人の女と一人の男が、逆転不可能な状況のなかで、とっておきの作戦を実行したー。果てない欲望と本能だけを頼りに、負け犬たちの戦争がはじまる!

  • ハンパなヤクザと性格破綻女たち。
    不幸のどん底の中 人生賭けて 命をかけてハチャメチャな限界アクションを繰り広げる物語。

    1ページで10人 死んでゆく。凶悪なのに、命を賭ける姿に心打たれる。
    会話の中には決意がみなぎって 凄まじいエネルギーを感じた。だから残酷感ななくむしろ爽快だ。

    欲望は人間の本心。彼らにはキレイごとはない。なので卑しさは感じなかった。

    キャラクターの 奮い立つような存在感。
    社会から見放され 突っ走る彼らが愛おしい!(→これ、奥田の最悪でも書いた気がします^_^)

    アクションに負けていない心理描写に説得力がある。
    残酷な人生を選んだ彼らが切ない!

    ・・毛嫌いしてた『仁義なき戦い』だけど ・・・
    もしかして不動の人気の訳はこの辺りにあり??!

    だったら見てみようかな。

  • 前半グズグズした主人公達のストーリーの先に待ち受ける藤並渚というブチ切れた少女の立ち回りにカタルシスを覚えました。長生きしなくていいからこんな少女に会ってみたい。

  • パットしない主婦とパットしない三下ヤクザが、ヤクザの屋敷にカチコミに行く話。
    主婦ってところが新しい。

    多少無理もあるが、各々の思惑もあり、あれよあれよとそういう流れに成って行ってしまう。
    藤並渚の存在もこの小説をピリッとさせていて、伏線にもしっかり対応。楽しく読めた一冊でした。

  • ジャンルはクライム・アクション?なんですかね。。。
    タイトルが「葬列」だけあって、凄まじい死人の数だし、銃をぶっ放しまくりでアクションもすごいです。

    でも主人公達が中年主婦と気弱なしがないやくざ。
    まずそのギャップと言うか、しょうもない人達が一発当ててやろう!みたいな展開が結構好きです。

    終盤の別荘での銃撃戦は圧巻!
    というか圧倒されるほど・・・・・・・
    そんなに上手く行くものか?って気もしますが、とにかくすごいスピード感でドンドン先へ!!

    と思ったらその後また怒涛の展開にビックリ!!
    まさかの衝撃の事実!
    どんでん返しにやられました!!

    解説にも書かれていましたが、桐野夏生「OUT」・奥田英朗「最悪」に雰囲気似ていますので、それらがお好きならこの「葬列」も合うのではないでしょうか。

  • 一気読み必至のクライムアクションミステリ。
    とにかく、展開が面白くて読むのが止まらなかった。
    クライマックスの襲撃シーンも映画さながらのヴァイオレンスで
    興奮しっぱなし。
    きちんとミステリとしての伏線回収もあるし、エンディングのキレの良さも
    抜群でオススメです。

  •  気弱なヤクザが家族を殺害されたことを知ることで覚醒する。偶然に知り会った、おばさん二人と壮絶な過去を持つ娘を巻き込んでヤクザの組織を破滅させるというお話である。気弱なヤクザは目的を遂げることができるのだろうか、そして大金を手にしたおばさん二人の運命は如何に。狂気をはらんだ娘は生き残り、まだまだお話は続きそうである。渚シリーズで続本を期待する。

  • 冴えない人生を送り、あるいは、
    不幸を感じながら生きている4人が、
    ヤクザを相手にSWAT並の行動力と武器で
    バッタバッタとやっつけていく
    痛快クライムアクションストーリーといった感じかな。
    4人の絡み具合が面白い。

  • あとがきにもあるようにOUTで最悪なわけだが,これはこれでかなり楽しめた。
    伏線の回収がすごく上手い。

  • 人がいっぱい死ぬだけのやくざ絡みの話かと思ったら、最後にどんでん返し。
    それにしても、人死にすぎ。

  • おもしろい、この人がこんなことをしててこんなことになったというオチと伏線がきちんとある。爽快感あり。読みやすい。キャラが立ってる←意外と重要だ!

  • ヒロインとラスト一行の格好良さ。

  •  普通の生活をしていた4人の男女が、銀行強盗計画・現金輸送車襲撃というアイディアを起点として、どんどんと道を転がっていく。最初のうちは、パワーを感じさせない本書も、途中から登場する渚という女性の持つエネルギーが原動力となって、特に暴力的な描写を中心にして、読ませる力を帯びてくる。
     第20回横溝正史賞受賞作の本書は、序盤の平易な何でもないような部分から伏線を何重もはっている力作だが、あらも目立つ作品でもある。一番の疑問は、おどおどしたヤクザ崩れ史郎が、所属していた組員相手に凄まじく非情に相対する場面が出てくるのだが、何故そういう鍛錬が出来たのか、もしくは心境を変えるきっかけがあったのかどうか、そこらへんが全然説明もなしに話が進んでいく。しのぶや明日美という女性の描写なども視点がぶれ、化粧臭いババアを想像していると、チンピラがその姿態にそそられる描写もあったりして、人物像がはっきりしない。ただ、若い女性渚だけは、視点がぶれず、見事に描ききっている。
     中盤からのリーダビリティにはめを見張ります。けれんみたっぷりの伏線の張り巡らし方は秀逸。
     話の序盤で史郎の娘ももこがいなくなる。私は彼女の行方が気になった。娘を持つ親として。どこかで生きててくれと祈りながら読んだ。
     個人的には筆者の2作目「彼岸の奴隷」の方がぶっとんでて好きでした。新たな鬼畜作家として注目です!!!

  • 913

  • フツウにおもしろい。ばらばらだった登場人物たちが、のちに絡み合ってくる。

  • 不幸のどん底で喘ぐ中年主婦・明日美としのぶ。気が弱い半端なヤクザ・史郎。そして、
    現実を感じることのできない孤独な女・渚。社会にもてあそばれ、運命に見放された三人の女と
    一人の男が、逆転不可能な状況のなかで、とっておきの作戦を実行した―。
    果てない欲望と本能だけを頼りに、負け犬たちの戦争がはじまる!戦慄と驚愕の超一級品の
    クライム・アクション!第二十回横溝正史賞正賞受賞作

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