死霊列車 (角川ホラー文庫 き 5-2)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043793020

感想・レビュー・書評

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  • 鉄道網が発達した日本らしいゾンビもの。
    常に時間に追われる緊張感が良いと思います。じんわりと哀しい気持ちになる読後感。

  • ある男性が、狂犬病に似た症状を訴えて病院を受診してきた。やがて患者は、手がつけられないほど凶暴になり、傍にいるものに見境なく咬みついた。咬まれた人間は感染し、次々と人を襲い始める。瞬く間に犠牲者は増え続け、唯一北海道だけが感染を免れていた。その北海道を目指し、島根県木次駅から一本の列車がひた走る、パニックホラー。

    いわゆるゾンビものだが、鉄道に詳しい人や興味がある人は、より一層楽しめるかもしれない。

  • 物語の設定上、ゾンビでは無いけれど、広く見ればゾンビパニックもの。
    電車好きの少年が電車を運転しつつ日本を縦断するというところが特徴です。
    妙に路線の説明が多いところを除けば、生き残っている人間間でのいざこざとか、同行する自衛隊とか、オーソドックスな作りだと思います。
    落ちがあまりに既視感のある感じで、ちょっと蛇足感あり。
    可も無く不可も無く。

  • 東京と島根で発生した謎のウイルス。これがまた人間をゾンビ化させるというウイルスであっという間に国内を爆発的に感染させて壊滅状態に。政府主要機関は北海道に移設された為、生きる術は隔離された北海道へ行くしかないという…。主人公の島根の鉄ヲタ少年らは列車を使って島根→青森青函トンネルという日本縦断『ゾンビの車窓から』の旅をするというお話。列車というキーワードと絶望と希望が目まぐるしく変わる展開に非常にスリリングで疾走感溢れ非常に楽しめた。ただ残り数ページでオチを纏めた無理矢理感と人物像の薄さは否めない。タイムリミット物なのでドキドキ感は味わえます。

  • 2010/12/3

  • 日本を舞台にしたゾンビパニックもの。
    よくあるパンデミック+ゾンビでジャンル的には大好物なんだけど…お話としてはチープ。
    ゾンビゲームやゾンビマンガをそのまんま小説にしたような内容になってる。
    非常に表層的なイベントが続くだけで、小説ならではの掘り下げを感じない。
    もうちょっと、テキストならではのうるさい設定や心理描写が読みたかった。
    登場人物にも魅力を感じないし、読んでいてもつまらんなぁ。
    台詞や行動に説得力がなく、馬鹿が右往左往しているだけに見える。
    ゾンビものとしては退屈だけど、個人的には列車に関する知識を持ってないから、列車ものとしてみると新鮮に楽しめる面もあった。
    この本は、ゾンビ小説に列車をアレンジしたというよりも、列車小説をゾンビでアレンジしてみた、という感じなのかもしれないね。
    最後に、ちょっと気になった点を・・・。
    すべての人間を嫌っていると思しきとある人物の台詞が「日本人はいてはならない!日本人は全部死ね!」みたいに言うのがすげー不自然に思えた。
    なぜ「人間」じゃなくてわざわざ「日本人」と言わせたのか。
    「日本人」に特別な恨みを持つ思想でもあったのかねぇ。作品中ではそれっぽいことは言ってないはずだけど。
    なんだお隣の国の改造美人だったか・・・と思ったらさらに萎えたな。 (;´д`)
    全体的には面白くなかったんだけど、列車+ゾンビという組み合わせがちょっと新鮮でところどころ楽しめたので★二つ。

  • 列車関連の話に興味が持てないと、ちとダレるが、ゾンビものの描写表現は勉強になる。

  • 2011/3/30 Amazonより届く。
    2013/4/19〜4/23

    寡作の北上作品。東京と島根で発生した狂犬病様の伝染病。家族を失った島根県の鉄道好き少年、翔太は安全と言われている北海道を目指してトロッコ列車「おろち号」を走らせる。安全のため、時間が来ると、青函トンネルは封鎖されるが、果たして間に合うのか?
    面白いか面白くないか、と言われれば、面白い。が、あまりにも説明不足で、御都合主義すぎる展開なので、結末にはちょっとがっかり。

  • パワフルなゾンビホラー。どちらかといえば最近のリメイク版に良くある、「運動神経が良いゾンビ」の恐怖ですね。恐怖感はさほどじゃないけど、危機感は高いです。こんなんの集団に襲われたくないよ……。
    同時に感染ホラー。そしてお約束の政府の陰謀。息もつかせぬ展開で、序盤から終盤まで盛り上がります。だけどこういうテーマにはつきものですが、結局のところ、一番邪悪なのは生きてる人間なんですよね……。
    ラストもまさしくホラー。この後は……?

  • 東京と出雲市で発生したダーズ(致死的急性狂犬病症候群)。
    「HRV」ウィルスが感染爆発し日本を襲った。
    死者はすでに1800万人と推測されて、日本政府は主要機関を北海道に移した。
    感染した者は、痛みや感情が無くなり正常者を襲う。
    ゾンビと言われて人を襲い噛むことによって鼠算式に患者を増殖させる。
    発症後の死亡率は100%に近い。
    空路は絶たれ電気の供給もストップして荒野となり地獄と化した日本。
    唯一の望みは、北緯40度より北にある地域や感染されてない北海道だった。

    島根県の雲南市の15歳の少年・翔太は、家族を失った鉄道少年だった。
    感染者(ゾンビ)にいつ襲われるか怯えてた少年は、木次駅に向かう。
    車庫に眠ってるトロッコ列車「おろち号」に生きる希望を託したのだった。
    「おろち号」を見つけ少年は、まだ生きてる人々を助ける。
    生きる希望を持って列車は、ダーズに感染した日本を北へ北へと走り出す・・・。

    と、言う事でパニックタイムリミットホラーです。
    この作品も面白かったですね

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著者プロフィール

1950年岩手県生まれ。ミステリー短編「現場痕」でデビュー。第三回北東文芸賞受賞。著書に『種の終焉 The Killer Virus 殺人菌』『クラッシュ・ゲーム』『種の復活』『戒厳令1999』『種の起源 The Origin of Species』『闇の殺戮者』『呪葬』『白兵』『火炎都市』『現場痕』『鬼哭青山遥かなり』『吸血蟲』『死霊列車』『異郷の夏』など。

「2018年 『謀略軌道 新幹線最終指令』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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