首挽村の殺人 (角川文庫 お 60-1)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年9月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043943067
感想・レビュー・書評
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横溝正史っぽいと言えば、確かに良く出来てはいる。熊はアクセントにはなってはいるが、いらなかったかな。
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21世紀の横溝正史、、、
確かに雰囲気は横溝正史だと思う。
「鷲尻村のむかし噺」になぞられた連続殺人事件と赤熊事件が絡み合って展開していくストーリーはテンポ良く引き込まれていく。
でも犯人に無理があると思う。
そこが残念だ。 -
岩手県の無医村に医師が就任し,直後に連続殺人事件が発生。村には血塗られた過去が・・・。
コテコテのミステリと,熊ミスの融合で,ミステリ要素もサバイバル要素も楽しめた。 -
ミステリーと熊を追うマタギのサバイバル小説を交互に読んでいた感じ。 赤熊とマタギの雄鶴さんたちとの対決パートの方がインパクト強くて、事件の解決より赤熊との決着が知りたくなってしまった。
不気味な昔話やしきたりが伝わる村という設定はおもしろいし、雰囲気はなかなか。 -
岩手県出身の作家のデビュー作。舞台は岩手県西部の西和賀か沢内村がモデルなのだろう。小さな村で起こった赤熊という巨大熊による殺戮と殺人事件。モデルになった所の風景が目に浮かび、臨場感はあるのだが、今ひとつ登場人物の個性が見えて来ない。
そういえば、昔、奥羽山脈の辺りで、赤首のような巨大熊の目撃が相次ぎ、本州にもヒグマがと地元紙で騒いでいた記憶がある。舞台のモデルと思しき沢内村には民俗資料館があり、マタギの道具なども展示されていた記憶がある。 -
高校生の頃、映画化をきっかけとした第一次横溝正史リバイバルがあった。猟奇的な表紙絵付きの黒本が田舎書店の棚を席巻する姿は壮観であり異様でもあった。級友には全作読み切った猛者も居た。21世紀の横溝正史と呼ばれる著者。状況設定は確かに似ているし、東京者の若い医者が異界とも言える岩手の山間僻村に感じる得体の知れない違和感がよく表現されている。硝子窓を通して覗き見る様な不安定な距離感。書評では厳しい評価も見られるが、一種の様式美、書割の前で演じられる舞台劇と看做せば楽しめる。ところで赤熊は何の為に出て来たのやら。
『なにかが斜面から飛び出ている。雪の中から生えている。足だ。人の足が二本、雪の中から突き出ていた。』さすが横溝正史ミステリ大賞受賞作。お約束のパフォーマンスか?^^; 2012年09月09日
タイトルといい、”21世紀の横溝正史”という謳い文句といい、非常に陳腐で、あまり期待できそうにもないが、熊クマ繋がりで読んでみる。 2012年08月09日 -
熊が犯人じゃなくて良かった。犯行の説明がイマイチで急に話が終わった感じだっか。
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横溝正史ミステリ大賞受賞作。
雪深い山村で起こる連続殺人事件。
密室などのトリックは出てきませんが
昔話に擬えての殺され方が横溝正史っぽさを
醸し出してました。
それに加えての人喰い熊が怖い・・・ -
惜しい!惜しいよこれ。
面白くなる要素いっぱいあるのにもったいない。
というわけで、どの辺が惜しいと感じたのか挙げてみます。
解説でも書かれているけど、人物描写が弱いので感情移入しづらい。特に女性キャラ。最終的には が探偵役になるわけだが、それまでの印象が薄いので、えっ、あんたが謎解いちゃうの?って感じになる。
そして謎解きのプロセスがほとんど無いままいきなり犯人と対決。さっそうとトリックを暴いてくれるけど、展開の早さについていけない。
そして赤熊の出現。リアリティのある描写で引き込まれる内容。これだけで本1冊書けるんじゃないのっていうくらいのクオリティなのに、本筋の事件とはほとんど絡まずいつのまにやら終息。もったいなさすぎるでしょ。
大村友貴美ははじめて読んだけど、他の作品も読んでみたいと思える内容ではあった。シリーズ物で続きがあるということなので、他の作品に期待。