- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043943319
作品紹介・あらすじ
岬にたたずむ黒い塔。まるでお化け屋敷のようなその塔は、鎖と南京錠で封印されているはずだった。だけど、ある日、塔に行ってみると、そこには、僕が生まれる前に亡くなったおじいちゃんが住んでいた!しかもその塔には、もっと驚く秘密もあって…!?幽霊のくせに(だからこそ?)ヘンテコなおじいちゃんとの出会いが、僕の決まりきった生活を変えていく-。運命を変えられた僕のびっくりするような毎日がはじまった。
感想・レビュー・書評
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かなり昔に買って積読していた本。ふと読んでみようと手に取った。最近、私が考えていた事柄が文中に出てきて、積読を読もうと思うタイミングも偶然じゃなく必然なのかも…としみじみ。
優等生な兄弟と正当派な家族の中で、なんとなく違和感を感じていた主人公が、祖父の残した不思議な塔で祖父の幽霊と過ごすうちに自我に目覚めていく、というようなお話。思春期のごく普通の少年が「自分」というものを見つけ、何が善で何が悪なのか考える力を持つ。
自分と家族は住む世界が違う!と家出する流れになるけれど、やはり真っ直ぐな両親に大切に育てられたからこその主人公の姿だよな~と思った。(グレたり悪ぶったりしないし…)登場人物と同様、正当派な物語な印象。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずっと読んでみたかった。
読んでみたら面白かった。
「自分」を見つけたね。
ガウディ好きのやつが作ったという部屋がうらやましい。 -
もう、毎度毎度しつこいよ!
また、同じこと言ってるよ!
分かっているから、知ってるから。
だから、天国で安心していてね。
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歪んだ善と、悪のような純粋さが痛い。
多分、大半の大人は歪んだ善と共にあって、それに違和感すら感じずにいるんだなぁと。
そんな大人に善とは悪とはと教われば、自然と子ども達にも歪みは伝わって結局前も悪も綯い交ぜになってしまう。
それを甘受すればいわゆる『普通』の大人になって、疑問を持てた子どもが『特別』な大人になる。
何の疑問も持たず普通の大人になってしまった身としては、主人公が眩しくて、おじいちゃんに叱咤された気分。
大人も読める児童文学だけど、やっぱり子どもの内に読んでもらいたいなぁ。 -
「普通」の生活を送っていた主人公・龍神が幽霊のおじいちゃんと出会って、「自分らしさ」や「普通」と「特別」などについて見つめなおしていくシリーズもの。
香月さんらしい、メッセージ性の強い物語です。 -
自分がどうあるか、どう感じるかが大切なんだよ、と教えてくれるファンタジー小説です。
足に障害を持つ友達のために、運動会のかけっこでは学校のクラスみんなで手を繋いでゴールする。これは本当に良い行いなのか?など、何が善で何が悪なのか、常識とは?というテーマも含まれています。
短くて面白いのでサクッと読めます。 -
しっかりとして男らしい父のもと、仲のよい家族の一員だった龍神。小学六年生だが、人気者の弟のように特徴のない。
そんな龍神がみつけた、不思議なお屋敷。
そこは祖父の持ち物だったことを知る。
屋敷に惹かれた龍神は、死んだはずの祖父と出会う。
自分らしさとは、良いこと、悪いこととは。
色々なことを学んでいく龍神の成長を描く。 -
僕とおじいちゃんの優しい時間が詰まった不思議な物語です。