さらに悩ましい国語辞典 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044005214

作品紹介・あらすじ

「了解」「了承」「承知」の違いは? 「辞典」と「辞書」はどう違う? 「猫なで声」って誰の声? 「東日本」と「西日本」の境はどこにある? 読み方や表記・意味など、曖昧なままで使っていることば。その歴史を見据えながら、どのような変遷を経ていまの使われ方になったのかを解明。辞書編集者を悩ませてきた、時代と共に変化することばの不思議に迫る、さらに蘊蓄満載のエッセイ。ロングセラー『悩ましい国語辞典』の待望の姉妹編。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は月2回くらいのコラム「日本語、どうでしょう?」をまとめたものだそうです。
    https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/index.html

    「味わう」の活用形、「味あわない」「味わわない」。江戸時代は「味あう」とも言っていた。
    「あぶらあげ[油揚]」が「あぶらげ」に変化するのは江戸中期。「たいいく[体育]」→「たいく」と同じ理屈。
    「アベック」が「カップル」に変わったのはいつ?「アベックホテル」によって、「アベック」がいやらしい言葉に堕落した頃のようだ。
    「ありがとうございます。」と「ありがとうございました。」の違い。「ございました」は、今後はもういいよという感じ。
    「アンケート」は「する」のか「とる」のか。「する」が正しいが、「統計をとる」に引かれて変化したようだ。
    「アンケート」の数え方を、私も最近読んだ『数え方の辞典』で調べていて、楽しい辞典だと言っている。

    ア行のアだけでこんな感じです。

    他にチョコッとメモに残した箇所を(自身の覚えも兼ねて)紹介しておきます。

    『袖振り合うも多生の縁』という慣用句は、複雑に揺れている。
    「袖すり合うも」「袖触れ合うも」「他生」「多少」と取り違えられている。
    「袖すり合うも多少の縁」と言われても誤用だと気付かない。

    「忖度」は難読漢字で読めない人が多かった。
    本来、配慮するという意味はなかったし、マイナスイメージの言葉でもなかった。 

    「博士」は「はか・せ」「はく・し」、読み方で意味が変わる?

    「大型」と「大形」の使い分け方は?

    「東日本」と「西日本」の境界はどこ?

    「魚介類」と「魚貝類」、「貝」を使うとイカやタコは入らない?

    「すっぴん[素面]」と「べっぴん[別品/別嬪]」の「ぴん」になにか繋がりはあるの?

    「早急」は「さっきゅう」でも「そうきゅう」でもよい。
    「早速」は「さっそく」になった。今は「そうそく」と言わない。

    一匹・二匹・三匹 「匹」という字はどう読みますか。

    「世論」は「よろん」「せろん」?「世論調査」は?

    「辞書」と「辞典」に意味の違いはない。

    「初老」は古くは40歳の異称だった。今は60歳くらいか? 老年、中年、青年、高齢者、それぞれ何歳くらい?

    「長い目で見る」は、今後の成長を期待を持って見守ることだった。現在は、ただ「長期的に見る」という意味でも使われる。

    「濡れ手で粟」は「濡れ手に泡」との誤用が増えている。

    「頁」に「ページ」という読み方はない。

    「ほぼほぼ」は、ほぼ「ほぼ」。
    「そもそも」も昔は「そも」といっていたらしい。

    「負けず嫌い」も不思議な言い方。負けないことが嫌いみたい。

    「まだるっこい」は「まどろっこしい」こと?

    「めどが○○」、「たつ」か「つく」か?

    「メリケン粉」と「うどん粉」は今の若者には通じない?

    「やむを得ない」は「やもうえない」と読む?

    「了解」「了承」「承知」の違いは?

  • 祝文庫化!

    さらに悩ましい国語辞典 - 時事通信出版局 使える本、役立つ本、他にない本、凄い本、面白い本!
    https://bookpub.jiji.com/book/b374041.html

    さらに悩ましい国語辞典 神永 曉:文庫 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321904000028/

  • 前著と同様に、辞典の言葉から色々な話題に触れることができる。

  • 810-K
    文庫(文学以外)

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著者プロフィール

【神永 曉】(かみなが さとる)

辞書編集者。元小学館辞典編集部編集長。1956年、千葉県生まれ。80年、小学館の関連会社尚学図書に入社。93年、小学館に移籍。尚学図書に入社以来、37年間ほぼ辞書編集一筋の編集者人生を送る。担当した辞典は『日本国語大辞典 第二版』『現代国語例解辞典』『使い方のわかる類語例解辞典』『標準語引き日本方言辞典』『例解学習国語辞典』『日本語便利辞典』『美しい日本語の辞典』など多数。2017年2月に小学館を定年で退社後も『日本国語大辞典 第三版』に向けての編纂事業に参画している。著書に『悩ましい国語辞典』『さらに悩ましい国語辞典』『美しい日本語101』(いずれも時事通信社)、『微妙におかしな日本語』『辞典編集、三十七年』(いずれも草思社)などがある。

「2022年 『やっぱり悩ましい国語辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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