- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044005818
作品紹介・あらすじ
侍女になりたくなかった紫式部が中宮の侍女となった理由、宮中の人付き合いの難しさ、主人中宮彰子への賛嘆、ライバル清少納言への批判……。『源氏物語』の時代の宮廷生活、執筆動機がわかる!
感想・レビュー・書評
-
大河ドラマを見ていて本書を手に取りました。
読み始めたばかりですが星5つつけました。
少しずつ読み進めているので、毎日本を開くのが楽しみです。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
例によって大河ドラマの影響で読んでいます。紫式部さんの内なる思いが肉声で聴こえてきそうなほどリアルな描写でスイスイ内容が入ってきました。肉声というか吉高由里子さんのお声で再現されてしまっていますが。笑 それはそれでまたドラマを楽しめるのでぜんぜん良しとします。
-
京都への旅のお供にと、Kindleへ。
著者がTVでコメントされていた方、というだけで中身を確認せずに選んだにも関わらず、大正解でした。
現代語に訳された「ひとり語り」というだけでなく、原文があるおかげで(ドラマのシーンと相まって)千年の時を越え、今語りかけているよう、いや、自分が平安の「世」に誘われているよう。
若き日に円地文子訳の「源氏物語」を読み、定年を機に、今度は原文で読み始めたところ。
特に、彰子のお産の箇所は興味深く、女子校ならば、是非この部分をテキストに!などとも思いました。「紫式部日記」もいつか読めるかなぁ。 -
大河ドラマ「光る君へ」に触発されて読みだした本。紫式部って源氏物語の作者であることは知っているもののそれ以外のことは意外と知らなかった。
源氏物語を書きだしたきっかけは、夫、藤原宣孝が突然になくなり、その後、物語を書くという作業を通じて、自らを昇華させていったという所なのかな。
初めは、雨夜の品定めといった一編を収録している「箒木」、「空蝉」、「夕顔」の三帖から物語は始まったそうだ。その後、「桐壺」の巻やいろいろな物語を書き足していって源氏物語が完成していく。その間、物語の成立には、藤原道長などの援助もあったようだ。
読んでいていると、結構他の女房達の批評が乗っているが、特に清少納言などについての人物評は手厳しい。かなり口で言えない分、書くことで発散する人だったのだろうかとも思う。
一条天皇の皇后で、紫式部がつかえていた上東門院藤原彰子が徐々に人間として成長していく様を描いている所がまたいいなあ。
注目は、道長との関係。昔、読んだ北山茂夫氏の「藤原道長」では、関係があったという記述があった記憶があるが、実際はどうだろう。この人の性格を見ているとmそういう危ない橋は渡らなそうだし、召人のような関係は好まなさそうだから、ない様な気がするのだが、どうだろう。
「紫式部日記」や歌集の「紫式部集」の成立の事情にも触れている。この人は、根っからの作家のような気がする。こういう人は、これまでの文学史上居たのだろうか?
紫式部とはどんな人だったのか、その生涯、述作などを知るための入門書としてはちょうどいい本だと思う。 -
2024大河への助走⑥
形見の話が印象に残った。
読んだのは文庫じゃないやつなんだけど出てこない…。
-
先に読んだ小説のこともあってか少々内容が当然ですが被るけど、フィクションばかりではなく紫式部式部日記と紫式部集の引用が途中に組まれ、
よりリアル感ありました。ひとり語りという独白なのが作者の言われるように小説のようで全く違うと思いました。ここでも源氏物語の登場人物の投影の事が描かれていますが、特に印象に残ったのは召人。源氏物語を読んだ時今まで主人公に愛された女君にしか注意が行かなかったけど、その女君に隠れた召人の存在はいたわけで、そういったことも書かれていたことに気がつきました。でも当時は儀礼的部分もあって、現代の常識ではわかり得ないので難しいなと思いました。 -
2023.05.13 2024年大河ドラマに備えて
-
紫式部の書き残したもの、歴史的資料などを元にした紫式部の人生が小説風にまとめられています。
偉大な物語作家ではあるけれど、シングルマザーでお勤めをして、仕事や職場の人間関係に悩み、ついいじめに加担するなど、あぁ、普通にいそう、こういう人…と紫式部が身近に思われます。また、主人である中宮彰子の人柄についても述べられています。藤原道長の娘で、政治の道具としてしか印象がなかったのですが、そうではなかったのだな、と。
全体の印象としては、紫式部の心のなかに入り込んで世界を見ているような。心の奥に沈み込むでいくような。そんな感覚を覚えました。
-
自伝風評伝
紫式部の姿が浮かんできて興味深い。
清少納言が機知や意志の人、紫式部はねちっこくてリアリスト。それも彰子の女房だったからか。枕草子や清少納言へのいらつきっぷりに、枕草子の力(「枕草子のたくらみ」)が感じられておもしろい。
-
2020.12.19市立図書館
(長女の冬休みのお楽しみ用も兼ねて)
『私が源氏物語を書いたわけ 紫式部ひとり語り』(2011年)を改題。「紫式部日記」「紫式部集(家集)」をはじめとした資料・研究成果に基づきつつ、紫式部本人が語るスタイルでかかれた自叙伝風評伝で読みやすい。「紫式部日記」はちゃんと読んだことがなかったけれど、もともとは一条天皇中宮彰子の出産時の記録を中宮に献上するために頼まれて書いたもの(日記文)に、いずれ宮仕えをすることになろうわが娘が困らぬようにその他の経験や本音の意見をまとめて書きとめたごく私的な消息文を加えた体裁らしい。経済的な理由でなかなか結婚ができないこと、出仕(後宮づとめ)にあたっての戸惑いや中宮に仕える女房の心得、今の言葉で言えば「推し」といってよさそな主(中宮)への心情など、千年を経た現代と大して変わりのない悩みや問題の顛末がくわしく語られていることがわかって(さまざまな文献を突き合わせてていねいに読み込むことでここまでわかるのか!とおどろかされる)、一気に紫式部という人が身近で親しみさえ感じられる人(←これはもちろん人によると思うけど、わたしや長女はその生まじめさに親近感をおぼえた)になり、今度はちゃんと読んでみたくなった。
高3長女は2021年初読みとしてたのしく読了。
清少納言をえがいた冲方丁の小説「はなとゆめ」と対(つい)にして楽しめる作品だったとのこと。そして、「正反対のように理解されている二人だけど、実はけっこう似た者同士なのでは?」と。たしかに、仕えた先がかたや定子、かたや彰子と敵のような関係で、先行した定子の後宮の影響を強く意識せざるを得なかっただけで、それ抜きで出会えていたら分かり合えることも多そう。