これやこの サンキュータツオ随筆集 (角川文庫)

  • KADOKAWA
4.50
  • (4)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044007782

作品紹介・あらすじ

学者で漫才師(米粒写経)のサンキュータツオによる、初めての随筆集。著者本人の人生をたどり、幼少時から今までの「別れ」をテーマに綴った傑作選。キュレーションを務める「渋谷らくご」でお世話になった喜多八、左談次の闘病と最期、小学生の頃に亡くなった父との思い出、そして京都アニメーションの事件で生きる気力を失ったサンキュータツオ自身の絶望と再生……。自分の心の奥に深く踏み込み、向き合い、そのときどう感じたのか、今何を思うのかを率直に描き出す。これまで「学問×エンタメ」を書いてきた著者の新境地!【内容例】「これやこの」…渋谷らくごを引っ張ってくれた喜多八、左談次二人の師匠「幕を上げる背中」…米粒写経として駆け出しの頃を支えたライブスタッフ「黒い店」…上野御徒町の古本屋「上野文庫」の店主と大学生だった自分「バラバラ」…「早稲田文学」で出会った作家・向井豊昭さん「時計の針」…大人になった今思い出す、中学校教師の話「明治の男と大正の女」…祖父母にしかわからない二人の話「空を見ていた」…仲良しだったいとこが残した一枚の写真「鈍色の夏」…2019年夏、生きる気力を失った自分を助けてくれたもの ほか

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東京ポッド許可局の「忘れえぬ人々」コーナーを自分でやっている。

  • 自分の中で消化できていないままのだれかの「死」を、そっと取り出して触れてみて、またしまっておく。そんな感覚をおぼえました。

    自分自身かなり似た経験があった「鶴とオルガン」。年代は違えど著者と同じキャンパスに通っていたというのもあり、ふと知らされた時の気持ちの置き所のなさや、かつてのキャンパスライフなど、久しぶりに過去をありありと思い出し、懐かしみました。これは涼しくなった秋の文キャン、スロープ脇の喫煙所でまた読みたい。喫煙所もうないけど。

    表題作の「これやこの」。近づく死に向き合う落語家達の凄みがありました。それとは別に、この話の中で、落語の語り口を描写している訳ではないのに、なんだか面白そう、落語聞いてみようかなと思わせるのは、著者の落語愛あってこそなんだろうなと思いました。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1976年東京生まれ。漫才師「米粒写経」として活躍する一方、一橋大学・早稲田大学・成城大学で非常勤講師もつとめる。早稲田大学第一文学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程修了。文学修士。日本初の学者芸人。ラジオのレギュラー出演のほか、雑誌連載も多数。主な著書に『これやこの サンキュータツオ随筆集』『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』『ヘンな論文』『もっとヘンな論文』(以上、KADOKAWA)など。

「2021年 『まちカドかがく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

サンキュータツオの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×