鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)

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  • / ISBN・EAN: 9784044051013

感想・レビュー・書評

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  • 妖怪好きなら知らぬ者はいない、かの鳥山石燕の妖怪画集全点を収録した一冊。考えたら一部は挿絵などで見たことあっても全てを見たことはなかったなと思って。江戸の洒落とかの知識があればもっと楽しめるのでしょうが、絵を見るだけでも面白かったです。個人的に”三味長老(しゃみちょうろう)”が可愛くて好きでした。楽器、食器系は味があっていい感じ。

  • 江戸時代、鳥山石燕が日本の多様な妖怪を描いた画集。好評を博したようで、続編をどんどん描いていったようだが、最後の方は「それは妖怪?」みたいなものも多い。ただ、色々なものに神が宿ったり、化して動き出すという日本人の世界観が垣間見えて面白い。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/694796

  • ひたすら妖怪の絵が書いてある。付喪神や風刺画みたいなのもある。構図がいい。どこか可愛げがある妖怪もいる。水木先生の妖怪辞典と比べても楽しい。

  • 妖怪画大集合。妖怪なのにどこかコミカルな雰囲気が漂っているのがいい。画を見ているだけで楽しい。
    生活のすぐそばに妖怪がいたんですね。

  • この本を読むと江戸の街を練り歩く沢山の妖怪たちに出会った気分になることが出来ます。また、画家石燕による迫力のある妖怪画も楽しめます。我が家の家宝です。

  • 鳥山石燕による百鬼夜行の全画集。すべてが妖怪なわけではなく石燕の当時の洒落やお遊びで作った妖怪も多く加わる。暗い江戸の街で、この絵の妖怪たちが跋扈していたことを想像するとそれだけでもうワクワクする。

  • しげおか秀満さんのポッドキャスト「おばけラジオ」第1回、第7回で予習してから読んでみた。
    ひたすらビジュアル。後年の手による解説はなし。狂歌や皮肉や洒落やパロディで満ちているんだとか。
    なんでも絵巻ではなくページ単位の図鑑形式にしているのが画期的だったのだとか。
    さらにいえば本草学者にして平賀源内の行った薬品会=物産会から影響を受けている、つまり博物学志向のひとつのあらわれなんだとか。
    このあたりは香川雅信「江戸の妖怪革命」にもあった。
    そして感じ入ったのは、水木しげるの妖怪図鑑がいかにリミックスというかデータベースというかヒップホップというかあたりかまわずというか、そういう感覚に貫かれているのだな、と。
    さらにさらに鳥山石燕そのものもオリジナルではなく、博学を駆使して貪欲にネタを掘っているので、そもそも妖怪を楽しむ姿勢がそういうものだった、と。
    今風にいえば「ぼくのかんがえたさいきょうのようかい」か。
    こりゃ果てしない沼だなと気づいた。

    追記
    池澤夏樹が、スクロールとコデックスについて述べていたことを思い出す。
    テクノロジーと文化内容は同時に(進化というか)変容する、ということの例として、妖怪文化を考えるのも面白いのかも。



    『画図百鬼夜行』

    前篇 陰
    木魅(こだま)
    天狗(てんぐ)
    幽谷響(やまびこ)
    山姥(やまうば)
    山童(やまわろ)
    犬神(いぬがみ) 白児(しらちご)
    猫また(ねこまた)
    河童(かっぱ)
    獺(かわうそ)
    垢嘗(あかなめ)
    狸(たぬき)
    窮奇(かまいたち)
    網剪(あみきり)
    狐火(きつねび)

    前篇 陽
    絡新婦(じょろうぐも)
    鼬(てん)
    叢原火(そうげんび)
    釣瓶火(つるべび)
    ふらり火(ふらりび)
    姥が火(うばがび)
    火車(かしゃ)
    鳴屋(やなり)
    姑獲鳥(うぶめ)
    海座頭(うみざとう)
    野寺坊(のでらぼう)
    高女(たかおんな)
    手の目(てのめ)
    鉄鼠(てっそ)
    黒塚(くろづか)
    飛頭蛮(ろくろくび)
    逆柱(さかばしら)
    反枕(まくらがえし)
    雪女(ゆきおんな)
    生霊(いきりょう)
    死霊(しりょう)
    幽霊(ゆうれい)

    前篇 風
    見越(みこし)
    しょうけら
    ひょうすべ
    わいら
    おとろし
    塗仏(ぬりぼとけ)
    濡女(ぬれおんな)
    ぬらりひょん
    元興寺(がごぜ)
    苧うに(おうに)
    青坊主(あおぼうず)
    赤舌(あかした)
    ぬっぺふほふ
    牛鬼(うしおに)
    うわん



    『今昔画図続百鬼』

    上之巻/雨
    逢魔時(おうまがとき)
    鬼(おに)
    山精(さんせい)
    魃(ひでりがみ)
    水虎(すいこ)
    覚(さとり)
    酒顛童子(しゅてんどうじ)
    橋姫(はしひめ)
    般若(はんにゃ)
    寺つつき(てらつつき)
    入内雀(にゅうないすずめ)
    玉藻前(たまものまえ)
    長壁(おさかべ)
    丑時参(うしのときまいり)

    中之巻/晦
    不知火(しらぬい)
    古戦場火(こせんじょうひ)
    青鷺火(あおさぎび)
    提灯火(ちょうちんのひ)
    墓の火(はかのひ)
    火消婆(ひけしばば)
    油赤子(あぶらあかご)
    片輪車(かたわぐるま)
    輪入道(わにゅうどう)
    陰摩羅鬼(おんもらき)
    皿かぞえ(さらかぞえ)
    人魂(ひとだま)
    船幽霊(ふなゆうれい)
    川赤子(かわあかご)
    古山茶の霊(ふるつばきのれい)
    加牟波理入道(がんばりにゅうどう)
    雨降小僧(あめふりこぞう)
    日和坊(ひよりぼう)
    青女房(あおにょうぼう)
    毛倡妓(けじょうろう)
    骨女(ほねおんな)

    下之巻/明
    鵺(ぬえ)
    以津真天(いつまで)
    邪魅(じゃみ)
    魍魎(もうりょう)
    狢(むじな)
    野衾(のぶすま)
    野槌(のづち)
    土蜘蛛(つちぐも)
    比々(ひひ)
    百々目鬼(どどめき)
    震々(ぶるぶる)
    骸骨(がいこつ)
    天井下(てんじょうくだり)
    大禿(おおかぶろ)
    大首(おおくび)
    百々爺(ももんじい)
    金霊(かねだま)
    天逆毎(あまのざこ)
    日の出(ひので)



    『今昔百鬼拾遺』

    上之巻/雲
    蜃気楼(しんきろう)
    燭陰(しょくいん)
    人面樹(にんめんじゅ)
    人魚(にんぎょ)
    返魂香(はんごんこう)
    彭侯(ほうこう)
    天狗礫(てんぐつぶて)
    道成寺鐘(どうじょうじのかね)
    燈台鬼(とうだいき)
    泥田坊(どろたぼう)
    古庫裏婆(こくりばば)
    白粉婆(おしろいばば)
    蛇骨婆(じゃこつばば)
    影女(かげおんな)
    倩兮女(けらけらおんな)
    煙々羅(えんえんら)

    中之巻/霧
    紅葉狩(もみじがり)
    朧車(おぼろぐるま)
    火前坊(かぜんぼう)
    蓑火(みのび)
    青行燈(あおあんどん)
    雨女(あめおんな)
    小雨坊(こさめぼう)
    岸涯小僧(がんぎこぞう)
    あやかし
    鬼童(きどう)
    鬼一口(おにひとくち)
    蛇帯(じゃたい)
    小袖の手(こそでのて)
    機尋(はたひろ)
    大座頭(おおざとう)
    火間虫入道(ひまむしにゅうどう)
    殺生石(せっしょうせき)
    風狸(ふうり)
    茂林寺釜(もりんじのかま)

    下之巻/雨
    羅城門鬼(らじょうもんのおに)
    夜啼石(よなきのいし)
    芭蕉精(ばしょうのせい)
    硯の魂(すずりのたましい)
    屏風闚(びょうぶのぞき)
    毛羽毛現(けうけげん)
    目目蓮(もくもくれん)
    狂骨(きょうこつ)
    目競(めくらべ)
    後神(うしろがみ)
    否哉(いやや)
    方相氏(ほうそうし)
    瀧霊王(たきれいおう)
    白沢(はくたく)
    隠里(かくれざと)



    『百器徒然袋』

    巻之上
    宝船(たからぶね)
    塵塚怪王(ちりづかかいおう)
    文車妖妃(ふぐるまようひ)
    長冠(おさこうぶり)
    沓頬(くつつら)
    ばけの皮衣(ばけのかわごろも)
    絹狸(きぬたぬき)
    古籠火(ころうか)
    天井嘗(てんじょうなめ)
    白容裔(しろうねり)
    骨傘(ほねからかさ)
    鉦五郎(しょうごろう)
    払子守(ほっすもり)
    栄螺鬼(さざえおに)

    巻之中
    槍毛長(やりけちょう) 虎隠良(こいんりょう) 禅釜尚(ぜんふしょう)
    鞍野郎(くらやろう)
    鐙口(あぶみくち)
    松明丸(たいまつまる)
    不々落々(ぶらぶら)
    貝児(かいちご)
    髪鬼(かみおに)
    角盥漱(つのはんぞう)
    袋狢(ふくろむじな)
    琴古主(ことふるぬし)
    琵琶牧々(びわぼくぼく)
    三味長老(しゃみちょうろう)
    襟立衣(えりたてごろも)
    経凛々(きょうりんりん)
    乳鉢坊(にゅうばちぼう) 瓢箪小僧(ひょうたんこぞう)
    木魚達磨(もくぎょだるま)
    如意自在(にょいじざい)
    暮露々々団(ぼろぼろとん)
    箒神(ほうきがみ)
    蓑草鞋(みのわらじ)

    巻之下
    面霊気(めんれいき)
    幣六(へいろく)
    雲外鏡(うんがいきょう)
    鈴彦姫(すずひこひめ)
    古空穂(ふるうつぼ)
    無垢行騰(むくむかばき)
    猪口暮露(ちょくぼろん)
    瀬戸大将(せとだいしょう)
    五徳猫(ごとくねこ)
    鳴釜(なりがま)
    山颪(やまおろし)
    瓶長(かめおさ)
    宝船(たからぶね)
    宝船(たからぶね)

    @@@@@

  •  巻頭「画図百鬼夜行」の跋文に「桜木にうつしぬ」とある。桜木は版木。言わずもがなのことながら、絵師の描線を凸版に移す彫師の腕も超絶技巧。
     跋文の続きに「童蒙の弄ともならんかし」とある。花柳界や男色に由来するシモネタ妖怪は「画図百鬼〜」に見られない。「今昔画図続百鬼」からチラホラ出没してくる。鳥山石燕の狂歌師の血が騒いだのだろう。
     水木しげるに多大な影響を及ぼした巨匠の妖怪画が文庫サイズで総覧できる。妖怪ファン必携の一冊。

  • かまいたち、火車、姑獲鳥、ぬらりひょん、狂骨……現代の小説や漫画でおなじみの妖怪たち。その姿形をひたすら描いた江戸の絵師がいた。あふれる想像力と類まれなる画力で、さまざまな妖怪の姿を伝えた鳥山石燕の妖怪画集全点を、コンパクトな文庫一冊に収録!
    (2005年)
    --- 目次 ---
    画図百鬼夜行  陰、陽、風
    今昔画図続百鬼 雨、晦、明
    今昔百鬼拾遺  雲、霧、雨
    百器徒然袋   上、中、下

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著者プロフィール

江戸期の妖怪絵師。その生涯は謎に包まれているが、狩野派の絵師として、その後の日本妖怪画に与えた影響ははかりしれない。

「2005年 『鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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