東条英機と阿片の闇 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • 角川学芸出版
4.40
  • (3)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044058050

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東条英機がヒトラーと違う点は
    彼が己の意志に基づいた政治的活動によって首相の座を得たわけではなく
    単に他のなり手がなかったからお鉢が回ってきただけなのだ
    というところにある
    しかもその時、東条に期待されていたのは日米戦の回避という役割
    じっさい、彼も己の適性省みずやれるだけのことはやった
    むしろ問題は、そういう仕事を陸軍の代表者にやらせるしかないという
    当時の日本の異常な状況にあったように思う

    そういう異常事態を招いた原因は、大陸における陸軍の暴走であり
    ゾルゲ機関の暗躍、共産主義の台頭、
    それに伴う内乱への恐怖心などであった
    いずれにしても、大陸との繋がりが招き寄せたもので
    つまり、大陸進出こそが日本にとっての「阿片」であった
    と、こじつけることもできなくはないが
    それにしたってこのタイトルはないんじゃないかと思いました

著者プロフィール

太田 尚樹:1941年東京生まれ。東海大学名誉教授。専門は比較文明論。著書に、『パエリャの故郷バレンシア』(中公文庫)、『満州裏史─甘粕正彦と岸信介が背負ったもの』(講談社文庫)、『死は易きことなり─陸軍大将山下奉文の決断』(講談社)、『伝説の日中文化サロン 上海・内山書店』(平凡社新書)、『満州と岸信介─巨魁を生んだ幻の帝国』(KADOKAWA)、『ヨーロッパに消えたサムライたち』(ちくま文庫)、『満洲帝国史─「新天地」に夢を託した人々』(新人物往来社)、『支倉常長遣欧使節 もうひとつの遺産─その旅路と日本姓スペイン人たち』(山川出版社)などがある。

「2022年 『南洋の日本人町』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太田尚樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×