宮本武蔵「五輪書」 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 角川学芸出版 (2012年12月25日発売)
3.76
  • (4)
  • (9)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 159
感想 : 11
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784044072285

作品紹介・あらすじ

「地・水・火・風・空」の五巻からなる兵法書「五輪書」。無敗の剣豪武蔵が、死を前に遺そうとしたものとは何か。記述の重複部分を省略、内容ごとに順序を整理して、その極意が鮮明にわかるよう再構成。現代に通じる思想的な意義にも触れながら、その真意を読みとく。また自筆の書状や所縁ある諸藩の資料から、「巌流島の決闘」ほか、フィクションが先行しがちな武蔵の実像を明らかにする。精緻な解説と平易な訳文による決定版!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宮本武蔵の「二刀一流(二天一流)」について、自ら没する前に記し残した兵法書。武蔵は、13歳から29歳までの間に戦った真剣勝負において、一度も負けなしという。

    吉川英治の「宮本武蔵」は、何度も通読し、その剣へのひたむきな姿に、感動と尊敬の念を覚えたものだ。

    本書は、「地」「水」「火」「風」「空」の五つの巻から構成されている。全体を通じて、テーマは「必ず勝つ」ということ。「勝つ」ためにどうすればよいか、それを合理的に考えられたのが武蔵の兵法なのだろうと思う。

    当然、斬るか斬られるかの真剣勝負であり、現代のスポーツやゲームなどの世界とは違い、リアルに命がかかっており、負け=絶命を意味していたのであるから、勝てない兵法は無意味ということかもしれない。

    ただ、武蔵は他の流派についても研究している。他の流派を批評し欠点を論じている。それらの他流に置いて、型を重んじて居たり、美しさを求めていたりしていることにには否定的であり、徹底した合理主義であると感じた。実践で役に立たない兵法は不要ということだ。ただし、どの流派がどうと、名前を出していないし、出す意味もないとしている。

    武蔵の兵法は、固定的なものはない。変幻自在というか、相手によって、環境によって、状況によって、戦い方を変化させる。いわば、相手の心理を読み、環境を自分の味方につけ、状況を自分の有利に導き、いかなる不利をも有利に変化させていく兵法であると感じた。「構えあって、構えなし」というのはこのことを良く表現している。

    また、技の部分もさることながら、心理戦をも重視している。そしてそれらテクニックの部分の根本となるとなるのが「空の巻」で述べられている「心に曇り、迷いがない」という点ではないかと思う。

    以下、心に残った点を記しておきたい。

    「地の巻」
    その後なおもふかき道理を得んと朝鍛夕錬してみれば、をのづから兵法の道にあふ事、我五十歳の比なり。夫より以来は尋入べき道なくして光陰を送る。兵法の利にまかせて諸芸諸能の道となせば、万事におゐて我に師匠なし。

    「水の巻」
    兵法の道におゐて、心の持やうは、常の心に替る事なかれ。常にも兵法の時にも、少しもかはらずして、心を広く、直にして、きつくひつぱらず、少もたるまず、心のかたよらぬやうに、心をまん中におきて、心を静にゆるがせて、其ゆるぎのせつなもゆるぎやまぬやうに、能々吟味すべし。

    「火の巻」
    朝から夕まで鍛練を続け、磨き果せて後、一人自由を得て、自然と不思議な力を身に得、万事に通じる力があるようになる。これが兵として法を行う心意気である。

    「風の巻」
    此道を学人の智力をうかゞひ、直なる道をおしへ、兵法の五道六道のあしき所をすてさせ、おのづから武士の法の実の道に入り、うたがひなき心になす事、我兵法のおしへの道也。

    「空の巻」
    心のまよふ所なく、朝々時々におこたらず、心・意二つの心をみがき、観・見二つの眼をとぎ、少もくもりなく、まよひの雲の晴たる所こそ、実の空と知るべき也。

  • 時代背景と共に、武蔵の精神が理解出来る本。武に生きた漢の心構えは、何か今の時代に必要な事を感じさせてくれる。

  • 武蔵の「二刀一流」は、どんな状況、どんな相手にも通用するように構成されており、とても説得力があった。自分は剣道をやらないが、スポーツをする者として、勝負の際、相手や戦況を良く観て対応することや、自分の心が片寄らないよう意識することなどは大変参考になった。
    また「今日は昨日の我に勝ち」と日々精進することを重んずる心は、自分も見習いたいと思った。

  • 電子書籍で読みました。
    五輪書全文掲載ではないのは残念だけども、ポイントとなる本文と訳、解説が丁寧に執筆、編集されていて、五輪書の中身や宮本武蔵について知るにはいい一冊。
    武蔵のイメージが変わりました。とても現実的な人だったのですね。

  • 1.はじめに
     私にとって、宮本武蔵という人物は意外と身近である。
     なぜかというと、私は漫画が大好きな少年であり、中年であり、爺であるため、漫画の中でよく宮本武蔵と出会っていた。
     最初に出会ったのは、どの宮本武蔵だったかよく覚えていないが、YAIBAという漫画に出てきたのが最初かもしれない。
    バカボンドという漫画にも出てきたのを覚えている。
     ただ、私の記憶に最も深く刻まれているのは、修羅の刻という漫画とアニメに出てきた宮本武蔵である。
     この宮本武蔵は鮮明に覚えている。
     特にアニメの影響が大きかった。
     修羅の刻にでていた宮本武蔵の迫力や眼力や気迫や人柄が好きだった。
     主人公の陸奥八雲(むつやくも)よりも好きなぐらいだった。
     宮本武蔵という人物には、修羅の刻がきっかけで興味関心を持ち、好きになった、と言っても過言ではない。
     そんな宮本武蔵が書いたという五輪書に興味関心が湧かないわけがないのである。

    2.読む前の第一印象
     読む前に考えたのは、この本は剣術や兵法の書であるという意識が強かった。武道も格闘もやってない私には少し縁遠い気がしたままであった。
     正直、この五輪書に、本気で興味関心があるのか疑問であった。
     ただ、面白そうだ、いろんな人がオススメしている、宮本武蔵の経験や知識が詰まっているのだ、そういうミーハーな気持ちはあった。
     なので、今回以外でも、すでに何度も読もうとチャレンジしていたのだが、よくわからなかった、というのが今までの本音である。
     ただ、根拠はないが、今回は理解できるという確信がなぜかあった。
     理由は今もわからない。
     でも、読む心構えもできているし、本気で読む覚悟もできているので読むことにする。

    4.感想とまとめ
    4-1.読み終えての感想
    五輪書は何度かすでにチャレンジしていた。
     しかし、そのチャレンジ虚しく、理解に及ばず、何度も撃沈している。自分自身の無知無能ゆえに、全く理解もできず、興味関心も湧いてこなかった。
     今回、読了して思ったこと。
     それは、やっと五輪書の概要が少しは理解できるようになった、ということである。

     五輪書の内容を現代社会に置き換えると、なんと実践や経験にあてはまることか、と内心驚いた。そして、感動した。心を揺さぶられた。
     語彙力の無い私の言葉でいうと、「宮本武蔵スゲ〜!」である。
     五輪書を剣術や兵法の指南書とだけの視点で見るのは、なんともったいないことか!

    この時代に、これだけのことをまとめるのがスゴいのか?

    この時代だからこそ、まとめ上げることができたのか?

    それは正直わからない。
     しかし、今の私にとっては、現代のバイブルであることに間違いない。
     私には人生で出会った本の中にバイブルとも言える著書が何冊かある。
     まさしく、五輪書はその一つに加わった。

    剣術は「活人剣」でなければならない、とあるが、
    まさしくそう同意する。

     「デザイン」も「活人デザイン」

    でなければならない、そう心より強く思う。
     「騙人デザイン」や「欺人デザイン」が横行する現代社会において、次のようであって欲しい。

     「デザイン」=「活人デザイン」

     一人のデザイナーとして、こうでなければならないし、こうであるように提供しなければならない、と強く願う。

    3.概要についてはこちら
    https://note.com/takaakinakajima/n/na0d0bc2350fe?magazine_key=m0c2168c98e46

    4-2.まとめ
     五輪書を読むには、知性を積んで、経験を積んで、徳を積んでこないと本当の意味で読破はできないと、私は感じた。
     私自身、無知無能ゆえ、全部を理解するどころか、一部しか理解できなかったが、その一端は理解できるようになったこと、そのことで自分を褒め称えたい!

     五輪書は私にとって、現在の課題解決や問題解決のための実践を伴う指南書になりうると考える。

     何か一つでも「道(みち)」を極めようとするもの、何か一つでも「道(みち)」を究めようとするもの、にとっては道(みち)を切り開くヒントやきっかけにはなるであろう。特に、スポーツ、武道、知能ゲーム、格闘などゼロサムゲーム(勝ち負けがはっきり決まるゲームのこと)の世界で生きている人間にとってはたくさんの学びがある。
     仕事の中でもゼロサムゲーム的なことは多々ある。ゆえに、ビジネスの中にもたくさんの学びがある。
     ただ、それに気づく素心があるかどうかが問われる。

     おそらく、人生の中で何度も読み返すことになる1冊であろう。
     次に読む頃に自分がどこまで成長しているか、楽しみが増えた。
     その成長具合を確認するためには最高の1冊になろう。

     すべての人にオススメできる本ではないが、オススメの1冊であった。

     特に感じたのは、原書を読むのは私には厳しいと思うが、この本は解説や現代語訳が非常にわかりやすくて、私には最適であった。

     本との出会いは偶然であり、必然であり、セレンディピティーである。

     そう、心から想う。

  • 以前からちょこちょこ読んでたやつ。ようやく読み終わったが最初の方はもうだいぶ忘れてる。兵法書だが、その道の人以外にも感じるところはやはりあって、面白い。五輪書の原文・訳と、前後に宮本武蔵の実像についてや、五輪書の現代における位置付けなんかも入っていて、宮本武蔵入門的なところもある。五輪書は完訳ではないが、大部分入っている感じかな。実際に比較したわけではないが、類書の中でもよくまとまっている部類ではないかと感じる。強いていうなら、訳が、原文を尊重するせいかかなり直訳な感じなのは好き好きかも。

  • 宮本武蔵は覇権が豊臣家から徳川家に移る日本社会の激動期の武士。
    地の巻:実績を記載し、これから自らが述べることに説得力を持たせる。兵法を学ぶものの心意気。

  • 五輪書そのものを浅読みして「ふむふむなるほど」と賢ぶっても時間の無駄。
    そんな読み方とは無縁にさせてくれる本。

    ○なぜ武蔵はこの本を書いたのか?が時代背景とともに解説されてること。
    ○なぜ五輪書がこれだけ普及しているのか?が時代推移とともに示されていること。

    この2点だけでも価値高い一冊。

    それにしても、五輪書おそるべし。人生の一冊になりそうだぞこりゃ。

  • 武蔵は頭のいい人だったのだと思う。見直しをしたらしい前半はすごくまとまっている。後半は寿命のため、余り見返せなかったであろうと書いてある通り、やや繰り返しも多い。

    全文掲載でないのは残念だが、編者が順番を工夫してくれてあり、非常に分かりやすい。加えられている説明も分かりやすい。悪くないと思います。

    武道を何もしていない私なので、理解できていない所は多いにあると思うけれど、武道、そして武道に限らず何かを突き詰めて究明したい人に対するメッセージに近い。

    武蔵が兵庫県出身なんて知らなくて、びっくりした。

    英語のタイトルがa book of five ringsなのに不満。五輪書はそもそも武蔵が付けたタイトルでないらしい。武蔵は生真面目な人だったことがうかがわれ、各巻を火の巻などと名付ける理由などを物語ってから本文に入っている。五輪の輪はせめて倫ではないかを思う。。。この本には関係ないけど、翻訳を生業とする者として気になる。

  • 武士道に関する書籍の一つとして読んだ。

    剣術とは相手を倒すためのもの。融通無碍で型はあってない空の状態がその境地。この二点が武蔵の主張だと読んだ。

    「武士道」と違って義•仁•礼の記述は少なく、修身に関する側面に集中して書かれた書物だ。このことを理解するために新渡戸氏の考えに先に触れておく方が適切だろう。

    今度は「西郷南洲遺訓」にチャレンジだ。

  • もっと、精神論が多いと思いました。

全11件中 1 - 11件を表示

宮本武蔵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×