カラヴァッジョへの旅 天才画家の光と闇 (角川選書)

著者 : 宮下規久朗
  • KADOKAWA/角川学芸出版 (2007年9月26日発売)
3.91
  • (6)
  • (8)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
  • 本棚登録 :56
  • レビュー :6
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047034167

カラヴァッジョへの旅 天才画家の光と闇 (角川選書)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 請求記号 723.37/Mi 83

  • イタリアの画家カラヴァッジョ(1571-1610)の短い生涯を追いながら、その時々で生み出された作品を紹介してくれる本。
    暴力的で破天荒な性格と、非凡な絵画の才能を併せ持つ画家の、犯罪まみれの波乱の生涯。人生の出来事と作品を照らし合わせてみると、画家の心情の変化と描き方の変化がリンクしていて、なぜその絵を描いたのかその背景がリアルに立ちあがってくる。
    どうしようもない低俗さと信仰の崇高さが、絵画の上に結実するというのはカラヴァッジョならでは、と感じました。

    明暗のコントラストが強く、人間のハッとする一瞬を捕らえたようなカラヴァッジョの作品。今までは色彩と構図がカッコイイ画家、という見方しか出来ていなかった。
    カラヴァッジョの大抵の作品は宗教画として描かれていて、その作品をより深く理解しようとすると、時代背景や、聖書のどの場面を/誰を描いているのかといった多少の知識が必要になる。それがわかってくると、聖書という脚本に基づき、画家がそこにどのような解釈を加えてその絵を描くに至ったのか、想像するのが楽しくなる。カラヴァッジョが行った宗教画に対する解釈と描き方がどれだけセンセーショナルだったか、当時の人の驚きと感動を追いかけることができる。

    著者はカラヴァッジョ研究家の宮下規久朗さん。カラヴァッジョに心底惚れ込んでいることが文章から伝わってくる。
    400年前の画家には会って話を聞くことは当然出来ないし、遺された作品や資料を研究し、実際に作品を見尽くし、画家のいた土地に出向いて、知識と想像力をフル回転しながら画家に思いを馳せるしかない。その探究はとてもクリエイティブだと思った。

  • バロックの画家カラヴァッジョの短い生涯.天才が故に偏屈で怒りやすく殺人事件までおこし、逃亡生活をおくる.しかし支援者に恵まれていたことも事実.マルタ島でみてきます.

  • カラヴァッジョの作品から人生から全てが分かりやすく書いてあり、絵もたくさん収められていて見やすかった。カラーだともっと良かったけどそれはしかたない。題名ではないがイタリアへ旅に出かけたくなった。

  • カラヴァッジョの名と絵を知る人で、「あぁ、あの殺人を犯した、放浪の、呪われた天才画家……」といったことを知らない人は少ない、と思われます。むしろそちらのイメージが強烈で、自身の絵画を本気で観賞した人は少ないかも。これは、近年日本で刊行された、彼の生涯を追って作品についても語られるモノグラフ。入手しやすいカラヴァッジョへの入門書として。地図、図版(白黒だけどしょうがない)多数。とても参考になります。私も実は、彼の展覧会、国内で1度しか観たことがありません。でもそれらの絵は、私の想像どおり、というよりは想像を遥に超えたものでした。バッカスとかメドゥーサの絵が有名かもしれませんが、宗教画はものすごい迫力です。生々しすぎる、とも言えるのでしょうか。しかし、カトリック絵画どの場面を考えても、それを描こうとして、画家によっては、生々しくならぬなどということは到底考えられません(ボッシュなどは「特別編」だとしても)。カラヴァッジョの絵は、どれも人物の表情(眼)が印象的です。安易に「殺人まで犯した異端の画家だから」という分析はやめましょう。さて、それでお前さんは好きなのか嫌いなのか、と尋ねられれば…そう、好きです、少なくとも「嫌い」とは言えません。でも、対峙するにはそれなりの覚悟が要ります、その時の体調も選びます(それでも知らぬうちに致命的な一撃を受けるかも)。カラヴァッジョ展を一緒に観て、そのあと東京一おいしい珈琲屋(と私は確信してる)で珈琲をご一緒した、ついでに夕食まで御馳走になったあの方、昨年亡くなりました。これからはカラヴァッジョを観るたびに、彼女のことを思い出すことでしょう。

  • カラバッジョに対する理解が進み大変おもしろかったです!
     「マタイの召命」のマタイが立ち上がる前の瞬間、「聖パウロの回心」のパウロの脳内の変化など、実際にこの目で見てみたいものです。カラヴァッジョが好きになった本です。

全6件中 1 - 6件を表示

カラヴァッジョへの旅 天才画家の光と闇 (角川選書)のその他の作品

宮下規久朗の作品

ツイートする