- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047034457
作品紹介・あらすじ
壇ノ浦の合戦で源氏の荒武者に捕らわれ、出家して京の大原の里に篭った建礼門院-。彼女を後白河法皇が訪ねる「大原御幸」では、自分の数奇な人生を地獄・畜生などの六道になぞらえて語る。それは、仏に仕える聖女の祈りなのか、愛欲に生きた美女の懺悔なのか、あるいは愛児の天皇を海に沈めてしまった母の苦悩なのか。好奇の眼にさらされ、さまざまな憶測を呼んでいた彼女に、『平家物語』が語らせたものは何か。建礼門院のつくられたイメージと秘められた謎を明かす。
感想・レビュー・書評
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建礼門院(平徳子)にフォーカスを絞って考察展開された良著。殆ど資料及び平家物語中での記述がない徳子について多方面から切り込んでおり、読み物としても面白い。
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建礼門院という女性は一体どんな女性だったのか、それが知りたくて読みました。実際彼女に対する資料は少なく、それも殆どが推測の域を出ないものばかりですが、色々な「平家物語」諸本に描かれている彼女の姿を垣間見ることが出来ました。実際の彼女は一体どんな女性だったのか、今となっては何もわかりませんし、立場上色々な思惑や好奇心の目に晒され、あることないことを後世に残され、悲劇と言う言葉以上のものを感じずにはいられませんでした。 本自体は全体的に色々な文献からの紹介や比較、表にまとめてありわかりやすく面白いものでした。が、小町を例にとっての箇所、「つまり筆者が何を言いたいのかというと」に来るまでが長すぎ、回りくどすぎ、何のためにここまで話を広げて例えたのかと、ちょっと疲れました…「つまり」を読むと「ああ、そういうことか」と納得できるのですが、そこに至るまでが長すぎて周りが見えなくなり「何の話だっけ」と思わざるを得ず、正直苦痛もありました。