建礼門院という悲劇 (角川選書 445)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047034457

作品紹介・あらすじ

壇ノ浦の合戦で源氏の荒武者に捕らわれ、出家して京の大原の里に篭った建礼門院-。彼女を後白河法皇が訪ねる「大原御幸」では、自分の数奇な人生を地獄・畜生などの六道になぞらえて語る。それは、仏に仕える聖女の祈りなのか、愛欲に生きた美女の懺悔なのか、あるいは愛児の天皇を海に沈めてしまった母の苦悩なのか。好奇の眼にさらされ、さまざまな憶測を呼んでいた彼女に、『平家物語』が語らせたものは何か。建礼門院のつくられたイメージと秘められた謎を明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 建礼門院(平徳子)にフォーカスを絞って考察展開された良著。殆ど資料及び平家物語中での記述がない徳子について多方面から切り込んでおり、読み物としても面白い。

  • 建礼門院という女性は一体どんな女性だったのか、それが知りたくて読みました。実際彼女に対する資料は少なく、それも殆どが推測の域を出ないものばかりですが、色々な「平家物語」諸本に描かれている彼女の姿を垣間見ることが出来ました。実際の彼女は一体どんな女性だったのか、今となっては何もわかりませんし、立場上色々な思惑や好奇心の目に晒され、あることないことを後世に残され、悲劇と言う言葉以上のものを感じずにはいられませんでした。 本自体は全体的に色々な文献からの紹介や比較、表にまとめてありわかりやすく面白いものでした。が、小町を例にとっての箇所、「つまり筆者が何を言いたいのかというと」に来るまでが長すぎ、回りくどすぎ、何のためにここまで話を広げて例えたのかと、ちょっと疲れました…「つまり」を読むと「ああ、そういうことか」と納得できるのですが、そこに至るまでが長すぎて周りが見えなくなり「何の話だっけ」と思わざるを得ず、正直苦痛もありました。

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著者プロフィール

1953年生まれ。
同志社大学文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。帝塚山学院大学助教授、国文学研究資料館助教授を経て、青山学院大学文学部教授。
主要著書:『平家物語遡源』(若草書房・1996年)、『戦場の精神史─武士道という幻影─』(日本放送出版協会・2004年)、『建礼門院という悲劇』(角川学芸出版・2009年)、『「武国」日本─自国意識とその罠─』(平凡社・2018年)、『四部合戦状本平家物語全釈・巻六〜巻十一』(共著、和泉書院・2000〜2017年)、『平家物語大事典』(共編、東京書籍・2010年)など。

「2021年 『軍記物語と合戦の心性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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