桜井政博のゲームを作って思うこと (ファミ通BOOKS)

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  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047280298

作品紹介・あらすじ

週刊ファミ通で好評連載中の「桜井政博のゲームについて思うこと」から、桜井氏がゲームを「作る」ことにこだわったコラムを集めた珠玉の1冊。特集として『新・光神話 パルテナの鏡』の開発途中の画像集を掲載。

感想・レビュー・書評

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  • おドールカード目当てで購入した点も否めないのですが。
    ゲームに関わる人だけではなく、物を生み出す全ての人に読んでもらっても損じゃないのではないか。と、思わされる一冊。
    桜井さんは、本当に、色々なゲームをやり、考えをお持ちの方なのだとおもった。
    余談だが、ふくらし可愛い。

  • 桜井さんのゲームも好きですが、文書も読みやすくて、指摘が鋭いのでいつも楽しんで読めます。ビジネス書としても成立するかもね。作り手としての視点からというコンセプトだとは思うのですが、そこまで強調はされてない印象でいつもと同じ感じでしたが、安定感ある面白さでした。

  • 「ゲームを作って思うこと」
    桜井政博氏と言えばカービィーやスマッシュブラザーズなどを手がけたゲームディレクター。そして現在は有限会社ソラの代表を務めているゲーム製作のプロ。そんな彼のゲームへの考えが詰まった作品。


    私はカービィーとスマッシュブラザーズのど真ん中世代だと思います。昔はよくやっていました。そんな好きなゲームを手がける仕事ってどういうものだろうか?と思い、読んでみました。感想としては、ゲームを作る側としての率直な意見が詰まっていると感じました。


    本書はファミ通というゲーム雑誌に連載されていた桜井氏のコラムに加筆修正が加わったものです。期間としては約2年間。その時間の中で書かれた桜井氏の意見はとても納得出来るものが多く、はっきりとした言い方にとても共感を覚えました。


    例えば、素材ゲームに対する「素材、もうやめない?」はとても共感しました。素材ゲームとは例えばモンスターハンターのように、アイテムを何度も獲ることが出来て、そのアイテムで主人公を強化することが出来るゲームのことです。これに対してファイナルファンタジーやドラゴンクエストと言ったRPGの場合は、どこにアイテムが置いてあって、一度そのアイテムを獲るとそれで終わりです。


    この素材ゲームの面白さとは、何度もアイテムを獲ることが出来るので、アイテムを獲ることに時間を掛ければ掛けるほど主人公は強くなっているところです。またアイテムを収集したいっていう気持ちは恐らく一度でもゲームをやったことがある人は持っていると思います。素材ゲームはそのな「よし、どうせだからこの強い武器はたくさん獲っておこう」というユーザーの気持ちを掴んで離しません。


    以上2点から分かるように、素材という要素をゲームに取り入れるメリットは大きいです。しかし、同時にデメリットも生じます。例えば、ゲームプレイの総時間が莫大になること(桜井氏はこの総プレイ時間の表示にも言及しています)です。昨今ではオンラインでゲームをプレイすることが出来ますので、このオンラインでの素材ゲームになると、それはいくらでもゲームをプレイ出来てしまいます。


    これによりゲーム依存で社会から離脱するユーザーが世界中で発生してしまい、一種の反ゲームの流れが生じることもあります(しかし、これはそもそもゲームソフト側がやるべき取り組みをやった上での発売であれば、後は完全にユーザー側の責任であり、ゲームを批判するのはずれていると思います)。


    さらに言ってしまうと、素材を集めることだけに特化してしまい、ゲームの本来の楽しみである独力でクリアするということも味わえなくなり、ゲームがゲームらしくなくなってしまいます。


    このように素材ゲームにはメリットとデメリットが共存しています。桜井氏はこの素材ゲームについてしっかりと意見を述べてくれています。


    その他にもゲームに関する色々な読者からの質問に答えてくれています。ゲームはあまり好きでは無い人だと恐らく疑問に思ったことがあるだろう質問も登場するので、是非そういう人達にこそ目を通して欲しいです。


    勿論、私のようなゲームヘビーユーザーはよりゲームを楽しめるようになります。

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著者プロフィール

桜井 政博(さくらい まさひろ)
1970年生まれ。株式会社プロジェクトソラ代表、ゲームデザイナー/ゲームディレクター。
HAL研究所に入社し、22歳で初のディレクターを務めたゲームボーイソフト『星のカービィ』で大ヒットし、シリーズ製作に関わる。『大乱闘スマッシュブラザーズ』で製作と販促を努め、こちらも世界的な大ヒット作に。任天堂シリーズの各キャラクターが日本国外でより知られるきっかけにもなった。
2003年HAL研究所を退社。フリーのクリエイターを経て、2009年任天堂の子会社である新会社『プロジェクトソラ』のディレクターに就任。2015年には『日本ゲーム大賞』で「経済産業大臣賞」を受賞した。

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