学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる

著者 :
  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047283282

感想・レビュー・書評

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  • 太陽光線が強くなると
    今の私では
    (ちっ!紫外線がっ…!!)
    と、老い行く体にかかる負担の事のみで頭がいっぱいになってしまうが、
    学生の頃は違った。

    眩しい光は若い人達を一層輝かせる衣となって
    海や山、街などへと導いてくれたものだ。
    毎日がハッピー♪
    いや、羨ましい事よ。

    だが、
    あまりにも輝きすぎていた思い出の日々のうち、
    光の見せた<妄想>も、何パーセントかは含まれているはず、とも思った。

    学校のチャイムは風向き次第で
    稀に家まで聞こえてくる事もある。

    教科書やノートをガタガタと机に仕舞い、
    すでに<放課後>という楽園の話で盛り上がっている生徒達。
    そのなかに私も見える。

    部活の無い日は更に天国で
    友人達と共に校庭の片隅で、
    ボールを追う憧れの男子の姿を見ながら、何時間でもおしゃべりに興じていた。

    この短編集は
    私達のおしゃべりの中から生まれて来た様だ。
    ある事、
    ない事、
    どれが嘘話で、どれが真実?
    だが、そんな小さな事は問題じゃない。
    若い人達を照らす
    光線はあまりにも強すぎて
    未だに消えない甘酸っぱくてほの暗い残像のごときショートストーリーとして胸に焼き付けられてしまい、
    例え、結末が(どんなでも)許せてしまう可愛らしさがあった。

  • 「短編ライトノベル集」と書いてあったので、どういうことかと思ったけど、エッセイではなく創作ということだった。
    せきしろさんのエッセイよりも喪失感やセンチメンタル感は少なめで、面白さは濃いめといった感じ。

    中高生の時に告白して断られた後も、顔を合わせないといけなくて気まずかった経験を活かし、近所のラーメン屋には行かない話がよかった。
    一度でもそのラーメン屋に入ってしまったら、どうして近所なのにまた来てくれないんだろう、と店主に思わせてしまって気まずくなるからだ。美容室も同じ理論らしい。自分もまったく同じ感覚を持っているのでニヤつきながら読んだ。

    もう少し喪失感が濃いほうがいいなあ。
    過ぎてしまった時間に想いを馳せる惨めな大人の感傷を味わいたい。

  • ■ 1735.
    <読破期間>
    2017/5/6~2017/5/7

  • たしかに面白いんだけど、短篇すぎて切り替えがしんどい。ずっと通して読むのはきつい。

  • タイトルがいい。とてもいい。
    いつになったら卒業できるのだろう?

  • ジャケ買いの失敗例。文体はいいんだけどなー。

  • あんなこと、こんなこと、あったでしょう。

    途中から「そんなバカな」と言いたくなる展開になるものもあれば、イイ感じに切なく終わることもある。実際の中高生時代も、そんなキレイに終わることばかりじゃなくて、後から考えれば消したくなったり、「オチはどこだ!」とキレたくなったり、反対に「そんなバカな」と言いたくなったり、はたまたお話のように出来すぎた展開になったり。

  • 11/6

  • 桐島、部活やめるってよとはまた違う感じで、ハイスクールデイズの余韻に浸れる。

  • せきしろさんと雪の組み合わせが好きだ。じわじわと自分のものだけでない懐かしさが染み出て来て最後の方はもうそわそわが止まらない。

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著者プロフィール

作家、俳人。1970年、北海道生まれ。A型。北海道北見北斗高校卒。主な著書に『去年ルノアールで』『海辺の週刊大衆』『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』『たとえる技術』『その落とし物は誰かの形見かもしれない』など。また、又吉直樹との共著に『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』などがある。

「2022年 『放哉の本を読まずに孤独』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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