ココロコネクト プレシャスタイム (ファミ通文庫)

著者 :
  • エンターブレイン
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047291508

作品紹介・あらすじ

「化学反応を起こすのよ!」三年に進級した藤島麻衣子が開催したのは、学校全体を巻き込んだ一大イベント!文研部員同士をも激突させた闘いと、藤島の隠された思惑が錯綜する波乱のカップルバトルロイヤルから、部長に千尋、副部長に紫乃が就任した文研部の、悪戦苦闘の新入生勧誘活動、莉奈の『お兄ちゃんの友達チェック』に、卒業を目前に永瀬伊織が振り返る高校生活まで。愛と青春の五角形コメディ、美味しいところを凝縮したココロコレクト第3弾!

感想・レビュー・書評

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  • ココロコ、最終巻!
    やっと読めました。うん、短編集と言っても
    この本を読まないとこの作品は終われないと思います。

    というのも、ココロコは「ふうせんかずら」と文研部の
    戦いの話ではなく(大笑)、
    彼等の高校生活のお話だったので。
    前回の不満が見事に解消されていました。

    逆に、この本だけ読んでも正直面白くないと思います。
    彼等が何を背負って何を乗り越えてこの巻に辿り着いてるかを
    知ったうえで読まないと泣けない。
    逆にずっと追いかけていると最後の1ページは
    感無量ですね。
    しかも、あくまで高校生活は「通過点」だということを
    しっかり感じさせるラストなのも素晴らしかったです。

    この先生の作品はまだ「ココロコ」しか知らないので
    今後も楽しみです。

  • 4つの短編からなる、ペンタゴン達のlast。

    私だけのお兄ちゃん
     文研部一同で太一の家にお邪魔する事に。
     そこで太一の妹の『莉奈』登場。
     一人一人をチェックして、ランク付けをする。
     それを知った太一は莉奈を叱る・・・が、莉奈の付き合っている 人からの連絡で、『兄妹ラブラブ』は中断される。

    カップルバトルロワイヤル
     藤島提案で、公開告白をした先生達は無事結婚までこぎ着けた。
     その余波をなんとか盛り上げようと藤島は東奔西走。
     男女、男男、女女等、ペアを作り造花を奪い合う争奪戦。
     優勝は伊織ペア。
     勝手にやってろってのは藤島とペアになった渡瀬。
     各々頑張ってるなー。青春!!
     
    新入生よ、大志を抱け
     春、文研部は3年となり、二年生コンビが1年を勧誘する。
     ある意味、千尋とよく似たカンジの加藤拓海。
     別世界と思っていたモノ、実は目の間に転がっていて『それ』をつかむかどうか。
     足を一歩踏み出すかどうか。待ってるだけではなく、踏み出す。
     拓海は文研部の一員となる。

    未来へ
     受験生となりせわしなく受験勉強に励む文研部3年組。
     伊織は腕試しで受けた推薦を突破して、無事に大学に進む事に。
     太一&姫子は同じ大学で違う学部。
     唯と青木は別大学だがなんとかやっていくのだろう。
     伊織の目線で描かれる、不思議な感覚。
     みんなと一緒に居る事の楽しさ、嬉しさを知ってしまったから。
     大の仲良しで、噓偽りなく付き合える仲間と離れるのが寂しい。
     だから。
     大クリパを催す。
     幼稚園の一時的な先生を体験して、子供達に教えられて。
     
    大団円。
    結局、伊織から始まった物語は伊織で幕を下ろした。
    コレからも頑張れ後輩達。
    伝説の『文研部先輩』を追い越せ!
    そのうち、外伝とかで後輩達の活躍も見たいと思わせる作品。

  • 本当に、本当に、本当に―
    読んでて考えさせられる事もあって好きなシリーズでした。「未来へ」のごっさんと伊織の会話、忘れません!
    ラストを飾るにふさわしい短編集に言葉はいらない。ただ最後を締めるなら藤島さんじゃないけどこの台詞で。

    「みんなそれぞれ、オンリーワンの幸せを掴んでね」

  • ふうぜんかずらとそれに起因するさまざまな出来事を乗り越えた彼らの、何てことはない高校生活の最後の煌きが詰まった一冊でした。

    僕は小説を読む時、極端に登場人物に感情移入することはあまりしないし、好きではないのですが、彼らの生き方、感情はとても人間的で、だからこそ作品、ひいては登場人物たちに惹かれていったのだろうなと思います。

    そして永瀬視点で描かれる最後のエピソード、これこそここまで彼らの物語を読んできた僕らが万感の思いでたどり着いたものだと思いますし、永瀬の最後の言葉はずっしりと重く、胸に響きました。

    彼らの行く先は誰にもわかりませんが、この物語を最後まで読めてよかったと心から思います。

  • 「ココロコネクト」見事完結!
    途中だれたところもあるけれど、最後まで読めてよかったという作品です。
    特に今作の「新入生よ、大志を抱け」と「未来へ」は個人的にはヒットで、ドタバタや超常現象に頼らなくてもしっかり読ませる力のある作者だなと再確認。
    次は単巻でシリアスな青春ものとか書いてくれないかな。
    庵田先生の次回作を楽しみにしています!

  • アスランダム上下でわたしの中で地の底まで落ちていた評価が再浮上して嬉しい。
    何故か苦しかったり泣きそうだったりしているのはこのシリーズがすきだからだ。
    たぶん、ユメランダムを読み終えた時点で境だったとも思うけれど、ずっと一体感を感じていた稲葉んが今回読みながら完全にわたしから巣立ってしまったと感じた。
    最終巻だからとかじゃなくて、理屈じゃなくて、すごく実感している。ちょっと寂しい。大すきだった。救われた。
    稲葉んに、シリーズに、本当に感謝している。ありがとう。

    バカップルをしているのを見るとすごく嬉しくて幸せで心から安心する。久しぶりにしっかりと稲葉んを見られて、とても嬉しかった。
    頭脳派実力者モード超格好良かった。(伊織の最強さもとても良かった)
    現象への対応で一人図抜けている扱いな稲葉んよりも、今回の単なる学校イベントでの活躍の方が、主体的でしがらみのない重い責任もない本来の魅力ぽくて断然すてき。
    太一の隣で伸び伸びと策略しているのがとても良い。
    太一も何だかんだちゃんと稲葉んを愛してくれていそうだとやっと、やっと、やっと思えて、安心した!稲葉んだけがあらゆる面で全力すぎて心配していたんだ……。

    自分の中では世界一でも、一般的基準ではそうじゃないと理解している稲葉んがめちゃくちゃ良かった。
    デレと冷静さの融合が素晴らしい。世界一にとても説得力があるから著者も素晴らしい。
    稲葉んと一体化しているわたしは確かに心の底からびっくりする程太一太一太一だし、それでも残る別に太一はすきじゃない感はただのわたしだと思っていたけれど、稲葉んだってもうふやけた新婚じゃないもんね。冷静にそんなことだって言えちゃうよね。
    末長くお幸せに!わたしがこんなにも積極的な気持ちでそう思うのめちゃくちゃ珍しい!

    新一年生の話は物凄く待ちなうじうじ感が青くて痛くて、紫乃千尋の時もそうだったけれど、もう勘弁して!ってなった。
    それだけ真に迫っているんだろうなあと思うがつらい。

    読んでいる時は、伊織が本当にいちばん大事に想っているひとについて、藤島の言い方が無闇に俗っぽい所為で、いや有り得ないでしょと全く琴線に触れなかった。
    直後の台詞に繋がるから「確かに」というのも肯定ではないとも取れるけれど、それをなんか仮に本人が認めていると取ってすら、そうだった。
    (稲葉ん一体化現象によりそっち方面の萌えが明らかに働かなくなっている……いた)
    でも読み終えて時間が経つに連れてこれまでの、友情秘話の短編とか、三角関係発覚時に崩壊しなかったこととか、ああそういうことだったんだな、って凄く納得した。
    ふたりが大丈夫だったのは、結局は対等の遠慮なんかしなくて良いライバルだからというよりも、優先順位が凌駕した、みたいな理屈だよなあ。現実的だなあ。
    そもそもは伊織と太一の恋愛描写自体、先の展開故にあまり強くは書かれていなかったと思うというか、単にわたしには説得力がなかっただけというかで、伊織が太一をすきだったとは然程思えず、でもわたしが読み取れていないだけと思っていた。
    対して、友情秘話を再考した時の熱量たるや……。今更悶えてしまう。本人は否定、作品傾向は押せ押せ、で作品傾向とキャラクターの意思は一致しないのだなと思っていたけれど(にぶい)なんかもう。あの頃からずっと大事だったんだね……。尊い。稲葉ん魅力的だもんね……。
    そういう作品じゃないからと流していた部分も普通に流れていた部分も、記憶にあるあらゆる描写のいちいちに、思い切り匂わせているじゃん!と今なら納得しそう。
    大体認めてしまうなら、伊織から見たら太一より稲葉んの方が、よっぽど深く関わっているし、救ってくれていると思う。稲葉んまじ主人公。
    大事だから彼女の幸せを肯定して心から祝福出来る(ついでに冷やかせる)のだと改めて思って見てみると、伊織のそういうところ、とてもすき。

    わたしは稲葉んになって太一がいるからとデレばんしていなければ、バトルロイヤルはまあまだしも、クリスマスパーティーなんかきっと、価値を認められない。
    例えば藤島が、生徒たちが、伊織だって現象以外の日常的学生生活を、評価して、楽しかった、学んだと言い切れるのは、本当に眩しいことだった。

    アスで萎えた著者の次作の購入を再検討し出した。
    でも次作に稲葉んは当然ながらいないからなあ。稲葉ん並に感情移入が出来る子がいる確率は果たしてどれくらいだ。
    稲葉ん一人に入り込んで完全集中した、それが物凄いパワーを持っていたものの他の子たちはほぼ全く響かないという、落差の激しい読み方ハマり方だったから……迷。

  • シリーズ番外編最終巻。短編4本を収録しています。

    「お兄ちゃんの友達チェック」は、太一の家にやってきた文研部員たちを、彼の妹の莉奈がチェックする話。

    「カップルバトルロイヤル」は、藤島麻衣子の提案により、学園全体を巻き込んだ一大イベントが開催されます。千尋と志乃がコンビを組んで、太一・姫子コンビにポーカーの勝負を挑んだり、本編では実現されなかった唯と千夏の空手対決がおこなわれたりしつつ、渡瀬が藤島さんへの想いを彼女に打ち明けるストーリーです。

    「新入生よ、大志を抱け」は、3年生の太一たちが引退して千尋と志乃が勧誘する文研部を、加藤拓海(かとう・たくみ)という男子生徒が訪れる話です。

    「未来へ」は、卒業を間近に控えた3年生の12月、卒業後に教育大に進学することが決まっている伊織の心の揺れ動きが描かれています。

    太一と姫子、唯と青木のバカップルぶりはすっかり安定軌道に乗ってしまっているためか、他の登場人物に焦点を当てた作品が多くなっています。番外編というのはそうしたものなのかもしれませんが、ちょっと落ち着きすぎの太一にほんの少しですが苛立ちのようなものも感じてしまいました。

  • 番外編短編集。文研部5人の物語とみれば「未来へ」なのだろうが、あえて「新入生よ、大志を抱け」を推したい。本作は、見えていなかったものが、様々な経験から見えるようになり、篤い友情・芳醇な人間関係を形成する過程を丁寧な心象描写で見せる作品。「新入生…」はその扉を最初にノックするまでの葛藤を丁寧に描写する、実にココロコネクトらしい一品だから。なお、本巻全体は、「未来へ」を含め、伊織の魅力全開の短編集。人並みはずれた行動力、内に秘めた葛藤、封印した淡い恋慕、夢に悩む姿。凛とした風格漂う魅力的な女性になったものだ。

  • ココロコネクト 最終巻
    シリーズ通して高校生の心の葛藤だったりを
    描いてある。
    最終巻もしかり。

    青春時代に読みたいシリーズかも。

    それぞれのキャラが悩んだり、楽しんだりするのを
    読みながら自分も共に楽しめた、という感じでした。
    アニメ化から読んだけど、この作品に出会えて良かったなぁーと思います。
    中高生時代に読めてたらベストだったけど(笑)

    とにかく…!面白かったです♪

  • 4つの物語の短編集。
    最後のココロコネクト。
    主人公は永瀬伊織だったと感じられる。
    そして、ごっさんがいい仕事してますなー。
    全体的には、話がごちゃっとしてる感が、あったかな。
    カップルバトル・ロワイアルなんて、やりたいこと詰め込んだーって感じでしたね。

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著者プロフィール

第11回えんため大賞特別賞『ココロコネクト』でデビュー。シリーズ11冊で120万部を突破。2シリーズ目『アオイハルノスベテ』全5巻、『今日が最後の人類だとしても』続刊中がある。

「2017年 『今日が最後の人類だとしても2 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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