辺境の老騎士 1

著者 :
  • KADOKAWA/エンターブレイン
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047293656

作品紹介・あらすじ

長年仕えた領主の家に引退を願い出、老騎士・バルドは旅に出た。この世を去る日も遠くないと悟り、珍しい風景と食べ物を味わうために。相棒は長年連れ添った馬一頭の気ままな旅。彼は知らない。それが新たな冒険の幕開けとなることを。

感想・レビュー・書評

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  • 無茶苦茶面白かった。とにかく主人公の老騎士バルドが超魅力的!剣士としての技量はもちろん凄いのだが、男気があってひょうひょうとしていて、次から次へと事件に遭遇し、とんでもない働きをする。出会う者たちも魅力的、いい奴も悪い奴も。各章ごとに出てくる料理もまたまた魅力的!それを旨そうに食うんだよなあ。架空の料理が多いかな。凄いな作者!

  • 魅力的な主人公でした‼️達観してるのに、お茶目で遊び心があって、我慢強くて食いしん坊‼️読めば読むほど大好きになります。図書館ではYAになっていました。確かに読みやすいですが、内容がしっかりしていて、大人でも十分、というより、大人にも読んでもらいたい作品でした。

  • 表紙もすばらしく私好み。59歳の異界の騎士バルドが長年仕えた城を辞して、たびに出るストーリー。ほぼ同年代のバルドの活躍に非常に心励まされ、また考えさせられる。バルドに惚れていく人々とシンクロナイズしてバルドに惚れる。老人活劇グルメ本。なんせ美味しそう。バルドのキャラが秀逸、それに出てくる味方になる人々ヴェン・ウリル、ジュルチャガ、エングダル、ゴドン、が大変気持ちよく魅力的で、爽快、ストレス発散になる。月魚を食べるシーンがでてこなかったのが残念。

  • 古書店の店頭の話題作コーナーに以前から並んでいるのを目にしていて、気になるものの手にとることはありませんでした。
    その日々にちょっと後悔。どうしてもっと早く手にしなかったんだろう、わたし。

    異世界が舞台のファンタジー。
    辺境パクラで、魔獣の脅威を退けつづけるテルシア家に長年仕えてきた騎士バルド・ローエンは、老い先短いと悟って主家へ引退を願い出、財産等はすべて返上したうえで、愛馬スタボロスとともに死地を探す旅へ出た。
    ……のであるはずが、それは後世に残る大冒険のはじまりだった。

    ネットで連載されていたものが加筆修正のうえで書籍化されたのだということは、これを読み始めて知ったことでした。
    「これは面白い!!」
    一気に夢中になりました。
    バルドが初老なのがまたいい。
    辺境の地において彼の武勲を知らないものはないくらい腕っぷしは強く体格も立派だけれども、できるだけ力に頼らず無茶をしないし、思慮深い。これがいぶし銀の魅力ってヤツですか?

    出てくる料理のそれぞれが美味しそうなのも魅力です。
    異世界なので、もちろん聞いたこともない素材や料理名が並ぶけれど、表現が秀逸。またそれを食べるバルドが相好を崩すさまが目に浮かぶよう。
    じゅうじゅうと音を立てる焦げ目、とか……うーん、夜中に読むのは危険です。

    物語自体も面白く、すぐに2巻をネット注文してしまいました。ネットの連載を、待ちきれなくて読み始めてしまいましたが。

  • 読み終えて溜息が出るような、涙腺のゆるむような「物語」。表見返しから裏見返しへと老騎士の旅が続いていく感がいい。ウェブ版で何度となく読み返している、現在も「小説家になろう」さんで連載中の物語の、最初の部分の書籍化。連載は7章が終わったところだけど、この本には序章と1章部分が収められている。

    冒頭、山から下りてきた姿で登場する主人公と宿屋の娘の会話で、ここが家畜が角をもつ異世界であることが示され、やがて奥深くへ入り込んでいくこの異世界の紹介であり見聞録である導入パートだけれど、この一冊だけでも十分に楽しめる。
    主家から離れた流れ騎士バルド・ローエンが旅の途中で様々な人と出会い、野菜売りの少年の将来から一国の今後に関わる大きな問題までを少しずつ変えていく。善と悪の二元論ではない道を選べるのは齢を重ねた主人公ならではの安心感。

    各章に登場する食べ物がまたどれも美味しそうなのだけど、なにせ異世界のことだから名前も違うし形もはっきりとしない食材が多い。口に入れた時の味わいや喉ごしの表現から「これはおそらくあれのようなものかな」と想像して楽しむのに、自分の味わった食べ物の記憶をひっぱりだしてひきくらべることになる。読み手の知識と想像力に挑むようなお話。続巻も楽しみ。

  • 「老騎士」って打とうとして予測変換に「労基署」を出してくる我がPCよ……。
     でも、もうすっかり「老騎士」を一発変換で出してくれるようになりました!
     読んでる途中から「これいいよ!」と宣伝したくなる、楽しいファンタジーでした。
     グルメ・エピック・ファンタジーの冠、伊達じゃないです。
     全部が全部美味しそうなのですが、わたしは敢えて「炊きプランの卵まぜ」をオススメしたいところ。日本人なら(笑)

     異世界ファンタジーでは、衣食住、その世界の持つ当たり前の文化をいかに説明するかっていうのは大事だな、と個人的に思っているわけですが、この小説はその辺すごいです。なんてったって、ファンタジー世界で「グルメ旅」をメインに据えているわけですから。

     しかも、ただ行き当りばったりに食べ歩きをさせているわけではない。
     老いた騎士の、当てもない半分道楽のような旅路が短編連絡で続くのを追ううちに、実はそれがより大きな物語の一部であることが分かってくる。
     骨太な本格ファンタジーであると同時に、エンタメ小説でもあるところが本当に面白いです!

     そして主人公の老騎士がまたかっこいい!
     老人ならではの達観した余裕のある雰囲気が、食道楽の旅ととてもマッチします。
     これが働き盛りの青年とかだったら、食をメインにするなんてまずできないだろうと思います。引退した老人だから良いんです。

     ただ、ファンタジーにありがちなのですが、人の名前がずらずらと出て来て、この人がどこの領主で、この人が誰の息子で~……(フリーズ)……と途中で分からなくなってしまいました^^;
     分からなくても分からないなりに読めてしまうのですが。

  • 「ライトノベルというのはやっぱりこういうのだよ!」
    と読了後にすっきりとした気分になりました。

    工場ラインから流れてくる似たり寄ったりの味付けだけ微妙に違うボーイ・ミーツ・ガールのラノベに飽きた方、2000年よりも前にライトノベルを読んでいた世代におすすめできる一冊です。

    放浪する老騎士が、死に場所と各地の美味しいものを食べ歩くストーリー…のはずが、仲間が増え、装備も豪華になり…読み始めから一転、まるで少年・青年にありがちな冒険譚のような展開は読んでいて面白く感じました。

    話の本筋も面白いですが、各話の副タイトルとして料理名が記載されているように、話中の料理描写が空想料理とは思えないほど美味しそうに描かれています。
    料理描写に拘った本は良い本が多いという説に当てはまる一冊だと思います。
    続編が夏にでることもあり今から楽しみです。

    またWebの小説家になろうからの出版とのことですので、興味を持たれた方はそちらで試し読みされては如何かと思います。

  •  ウェブ小説からの書籍化ですが、他の作品群とは一線を画する、重厚な騎士道ものです。メシテロ要素が目新しいですが。ベースとなる騎士道冒険譚は、結構がっつり。
     従士から騎士になる流れとか、決闘とか、財産の略奪権とか、実際の中世ヨーロッパ史からひっぱってきた設定が巧みに取り込まれているので、世界の重厚感が感じられます。

     主人公が年配の男性というのも、好きな設定です。最後まで、一番好きなキャラはバル度でした。
     そして、気軽な旅だったはずが、あっちこっちで戦闘をし、後の伝説にと変貌していくドラマがおいしい。

     騎士道ものといえば、やはりほしいのは貴婦人とのロマンス、プラトニック、両想いか、両片想いが理想。そういう意味では、アイドラ様は私の好みどまん中。こういう立ち回りいいよね。
     メシテロ要素も楽しみの一つでした。ファンタジーものなので、使う言葉はわざと変えてあるのですが、味や調理法の説明を読みながら、これはほっけかな、ぶりかな、白米かな、ミントティーかな……って、食材当てっこしながら味を想像するの、楽しかったです。どれもこれもおいしそうでした。

  • 老人が主人公という珍しいラノベ。もしかしたら新しい顧客層を開拓できるかもしれない。必ずおいしい食事風景が描かれるのも楽しい。

  • おじいちゃんが主人公ってだけでも愛しいのに、人格者で思慮深くて愛嬌もあって!!
    読んでて楽しい!!

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