辞書から消えたことわざ (角川SSC新書 212)
- KADOKAWA/角川マガジンズ (2014年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047316348
作品紹介・あらすじ
著者はこれまで20以上の「ことわざ辞典」の類を著してきたが、最近気になることがある。それは、辞典・辞書から「こぼれる」ことわざが増えてきたことだ。本書は、『岩波ことわざ辞典』等を著した著者が、消えてしまうには惜しいことわざに再び命を吹き込むもの。言葉の成り立ち、使われた文学作品、時代背景などのうんちくを記しながら、ことわざを楽しく解説する。
感想・レビュー・書評
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消えてほしくない。
→http://bukupe.com/summary/12030 -
「辞書から消えた」のではなく「(現代の一般的な)辞書には載っていない」諺を収録。歌舞伎や落語といった古典芸能、明治・大正といった近代の文学作品、映画『男はつらいよ』シリーズでの寅さんの口上や啖呵等でしか触れる機会が無さそうな諺(地口のようなものも)を紹介している。
個人的に強烈な印象を受けたものは「一人娘が妹を連れて井戸に飛び込んで焼け死ぬ」。あり得ないことの喩えらしいが、表現としてかなり手が込んでいる。 -
途中で飽きてしまった。
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「世間で使われているものを扱う」という理由で、辞書から消えていくことわざが増えています。しかし、ことわざというのは様々な人が、人生のあり方や社会生活を言葉にしたもの。消えてしまうことわざにもすばらしいものはたくさんあります。著者によって息を吹き込まれたことわざの中から、自分に響くものが見つかるかもしれません。
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歴史の襞に潜んだ眠れることわざに命をふきこむ。紹介されている半分以上はことわざ辞典からも消えてしまったもの。
這っても黒豆。枝を矯めて樹を枯らす。瓦の鏡に天の月を浮かべる。雪と欲は積もる程道を忘れる。香餌の下に死魚あり。言い出し、こき出し、笑いだし。聞いて千両、見て一両。酒呑童子と腕押し。朝比奈と首押し。雲を掴んで霞に腰をかける。西瓜と腰巻は赤いほどいい。花の下より鼻の下。二八月荒れ右衛門。木七竹八塀十郎。情けの酒より酒屋の酒。一人娘と春の日はくれそうでくれぬ。うどん蕎麦よりかかの傍。親馬鹿ちゃんりん蕎麦屋の風鈴・・・・・・・・・・
どれもこれもいい。無くすにはあまりにもったいない。 -
ことわざは受け取る側が知ってるのを前提に使うもの。だからこそ、使用頻度が落ち辞書から消えたこれらのものも、結局この本(含む辞書以外の文献)を読んだ人同士でしか使えずに一般的な使用語彙として復活するのは難しいんだろうなと思ってしまった
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マイナーなことわざに焦点をあてて書いてある本。本書のことわざが言葉遊びみたいな笑えるものも多いが、ただの言葉遊びではなく、ちゃんと人生の教訓として意味のあるものだ。
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消えるのには消える訳があるとわかる。
言葉って生きものだなと思った。