なぜ、それを好きになるのか?脳をその気にさせる錯覚の心理学 (角川SSC新書 216)

著者 :
  • KADOKAWA/角川マガジンズ
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047316386

作品紹介・あらすじ

なぜ何かを好きになるのか、どうすれば好きになってもらえるのか。好きになることは、そのほとんどが無意識のプロセスで起きる。この脳の秘密がわかれば、それを逆手にとり、他者から好きになってもらうこともできる-媚びたり自分の信念を曲げたりする処世術ではない。脳をうまく騙すことで、相手の心をこちらに引き寄せるということなのだ。好きになること、好きになってもらうことは人生の幅を劇的に広げる。実験心理学から「好き」の秘密にせまる。

感想・レビュー・書評

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  • 竹内龍人"脳をその気にさせる錯覚の心理学"を読む。

    ペラペラなタイトルだが、京大心理学からUCLAを経て心理学者となった著者による正統派の心理学本。

    脳の仕組みに関する最近の研究成果を踏まえ"なんとなく好き"が形成される過程を科学的に解き明かす。

    ○人間は、自分の脳が処理しやすいものを好む。

    ○なんとなく好きにさせるポイント
    1.「欲しい」と「好き」とは脳内では別のこと。
    2.「欲しい」から「好き」へ移行させれば関係が長続きする。
    3.夫婦関係改善には、コミュニケーションを増やしてもダメ。友情に基づく「なんとなく好き」と思う気持ちが重要。

    ○夫婦が抱えている7割近くの問題は解決が不可能であり、それはコミュニケーションを増やしても改善へは向かわない、というのがゴッドマンの分析です。解決が不可能な場合は妥協しなければなりません。妥協する場合は、ゆうじょに基づいて、相手のことを考えつつ落としどころを探って行くしかない、というのです。

  • 周りの実例が多く紹介されているのが良かった。実際にプチテクニックとして使えそうで、楽しく読めた。
    心理学入門にいい本。

  • 読みにくい!
    本書では、重要と思われる箇所が太字で強調されている最近の新書では良くある形式を取っているがまぁ読みにくい。1ページに3箇所から4箇所も強調されているために文章の構成が崩れてしまい、どこで文章が大枠に切れているのか分かりにくい。
    内容もぶつ切りになっており、エッセイといった方がいいだろう。どこかで読んだ話を筆者の経験も踏まえて書いている。

  • 2016/8/21

    好きの必勝法

    ⑴自由になる状況をつくる(コントロール感覚)
    ⑵物語を描く
    ⑶分類によって理解を促す
    ⑷終わり方を良くする

  • ☆脳は視覚優位だから、まずは見た目を気にしよう
    ☆繰り返し見ていれば、それだけで好きになる。単純接触効果。
    ☆脳が処理しやすいものが好き
    ・わかりやすいコードの会社の株価が上がる
    ☆好きになってもらう方法
    ・人は自由になる状況が好き
    ・人は物語が好き
    ・人は分類が好き
    ・エンドが重要

    経験則的にそうだろうなと思うことに、心理学的裏付けがあり興味深く読めた。

  •  私たちの行動は、脳が主どっているという。脳は冷静沈着な印象があるが、しかしその脳もけっこう曖昧な時もある。それが錯覚で、それを活かしたトリックアートという分野の作品もあるくらいだ。
     本書もそんなトリック的な錯覚の本かと思いきや、そうではなかった。本書は、日常を豊かにするために錯覚を利用するというもの。しかしかといって、切れ切れの脳に変貌させるとか、錯覚を利用してがんがん儲けようとか、そういった上げ上げな自己啓発本ではない。
     本書のテーマは、「少しだけ好きになる」というもの。本書の中にも引用されているけれど(昭和世代限定の引用だが)、かつて大原麗子さんがCMで「少し愛して、長く愛して」と言っていた、あのフレーズの意味。控え目だけど息の長い好き、それが本書のテーマであり、そこから拡がる人生の豊かさというのが最終的に行き着くテーマ。
     語り口調はとてもやさしく、心理学の知識がない人にも読めるように簡単に解説していますが、内容はとても深い。

    『新書ブックセンターのブログ』内のレビュー
    http://shinsho.hatenablog.com/entry/2015/12/23/174025

  • 「好き」のメカニズムについて、ここまでかと記されてる。

  • 2014.8.31了読
    この新書を読んで心理学の奥深さを知りました。もっと心理学について知りたいと思える一冊。例えば、無意識がいかに重要か。サブリミナル効果など、実際に心理学を学ばないと、実生活でこんなことが起きていると言うことが、わからないまま実生活を過ごしてしまう、意識しないところで自分の感情や選択(少しの)が変わり得ることがあることなど、大変勉強になりました。


    サブリミナル効果(サブリミナルとは無意識のこと)
    自分への好感度を高めたい時に自分をさりげなく(あくまでさりげなく)露出することは、間違いなく効果的。
    さりげなく振る舞う
    好ましく感じてほしければ、まずは赤色と青色を利用する。
    牧歌的な風景をみると、私たちの体調は実際によくなる。
    自然な風景を常時見られる環境にいる人は、ストレスレベルが低く自律神経活動が良好で、しかも注意力といった認知的能力にも優れている。
    第一印象をよくする行動
    うなずく、笑顔をみせる、大きく笑う
    人は物語が好き
    「物語仕立て」にすることでこんな地味なニュースが妙に頭の中にすっきりと入り込み、記事やそこで書かれている出来事に対して納得感や好印象を抱かせてしまう趣向になっている。
    ピーク•エンドの法則
    ピーク•エンドの法則は、単純に「ハッピー」で終われば良い、といっているのではない。エンディングにどれだけのインパクトを込められるか、そしてそのインパクトとは、その話がそこで完結せずに、未来へどうつながっていくか、それをどれだけ伝えられるかが重要。
    認知的不協和
    よい学校に進学したり、全国共通テストでよい成績をとったりする学生の特徴とは、「自制心の強さ」にあった。
    自制心とは、筋肉である。
    鍛えれば誰でも強くなる。使いすぎるとしばらくは機能しなくなる。
    何かに興味持って好きになること、これこそが誰にでも、手っ取り早く、簡単にできるアンチエイジング。
    「見たという意識もないのに好きになる」というザイアンスの閾下単純接触効果。

  • なんとなく好きというか、好感を持つと言うところの心理的な背景についてまとめた本。わかりやすい。サブリミナルについて、ポップコーン実験のようにすぐに行動に影響と言うのは違うにしても、好感を持つと(たくさん見たら好感を持つと言うレベル)言うことなど、結構詳しく書かれている。ポイントが40あまりにまとめられていて、そこは目もしておきたいところ。(個人メモに記載)

  • 明確な理由付がされた「好き」ではなく、なんとなく「好き」と思われるための脳と心に訴えかける仕組みが分かり易く書かれていた。

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著者プロフィール

日本女子大学教授。実験心理学が専門。

「2019年 『あたまがよくなる!1ねんせいシリーズ 既4巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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