中間層消滅 (角川新書)

制作 : 駒村 康平 
  • KADOKAWA/角川マガジンズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047317239

作品紹介・あらすじ

年間可処分所得201万円〜999万円。これが日本の中間所得層である。今、戦後の日本社会を支えてきたこの中間層が消滅の危機に陥っている。このままでは中間層は消滅し、戦前のような金持ちと貧乏人だけの社会になる。一億総中流といわれた日本の分厚い中間層を再構築するための処方箋を提言!

感想・レビュー・書評

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  • 日本の①グローバル経済がもたらす所得格差、貧困の拡大、非正規労働者の増加②人口の高齢化、労働人口の減少、地方人口の縮小、単独世帯の増加という人口構造の変化③1000兆円を超える膨大な財政赤字という3つの課題。これらは相互に密接に関係している。格差の拡大は出生率を下げ、経済活力を奪い財政赤字を拡大させた。この課題に対応するためには負担と給付の見直しが不可避だが、若い世代と高齢世代の利害対立が、予想され合意形成が難しいが「ゆっくりと、しかし確実に悪化」していく。

  • 高所得者層の所得は増え続け、所得格差は年々拡大している。経済的にバランスのとれた中間層が静かに崩壊しつつある。スタート時点で人生の可能性に大きな格差があれば、不利な状況下にある者は人生に絶望し社会を憎悪する。境遇に絶望する低所得者層が増えれば、暴力、犯罪といった社会問題となって顕在化する。社会保障を巡る負担と給付の問題はもはや先送りはできない。所得税・資産課税・相続税の強化、高齢者への所得、資産に応じた負担の徹底、社会保障制度の見直し、非正規労働の処遇改善など、乗り越えていくべき課題はあまりに多い。本書は所得格差の現実を数値と表とグラフで明確にし、それが齎す問題を冷徹に炙り出している。持続可能な社会のありようというものを真剣に考察させてくれる。

  • すごく大雑把に言うと、日本版『21世紀の資本』のような内容。とても面白い内容だったと同時に、これからの日本を見つめなおすのに必読の書と言える。

  • 東2法経図・6F開架 364.1A/Ko57c//K

  • 急激な社会構造の変化に応じて、それぞれの国で社会保障政策の拡充・改革がなされてきた。

    筆者は最近の統計資料を用いて現状を分析したうえで、日本の問題点を正確に分析している。

  • この本も、やはりピケティには触れているが、、
    主題としては、社会保障制度と貧困者支援といった観点で、どうして行くべきかという話。詳しく、わかりやすい。


    目次をあとで、、

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