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世界文学を読みほどく (新潮選書)
- 池澤夏樹
- 新潮社 / 2017年3月24日発売
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10冊の世界文学と池澤夏樹本人の「静かな大地」について、京都大学文学部での計14回の特別講義に1つの国際会議の基調講演を追加したもの。ひとつひとつの作品への深掘り度合いが凄い!!!スタンダール「パルムの僧院」、トルストイ「アンナ・カレーニナ」、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」、メルヴィル「白鯨」、ジョイス「ユリシーズ」、マン「魔の山」、フォークナー「アブサロム、アブサロム!」、トウェイン「バックルベリ・フィンの冒険」、ガルシア・マルケス「百年の孤独」、ピンチョン「競売ナンバー49の叫び」。
読了日・感想を編集
2023年2月4日
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心の出家 変わらぬ日常をもっとラクに生きたいあなたへ
- 草薙龍瞬
- 大和書房 / 2021年11月26日発売
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心が重たくて苦しくて身動きが取れない人が、日常の中で自由な心を取り戻すためのひとつの方法。それが心の出家。周りには内緒で心の出家をして新しい自分になる。モノ、カネ、成功、承認、そんなものより心の自由を大切にする。人生はいつでもやり直せる。心に重い荷物を背負わないから心はラクになる。外の世界との間に線を引くので世間を理解しながら反応しない。世間に染まらず汚されず。執着から離れると世界は命に満ちて美しい。著者のインド体験記が感動的。
2023年1月31日
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ヒトの壁 (新潮新書)
- 養老孟司
- 新潮社 / 2021年12月17日発売
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理解は外から降りてくる入力系。解釈は自分の勝手で出力系。入力と出力の折り返し点が自己。折り返し点の先で自分の選択が発生する。これが自由意志。キリスト教では人は理性と自由意志と良心を持つと教える。理性は存在を受け入れること。自由意志は選択して運動すること。良心は行動の結果を再入力し良し悪しを吟味すること。AIがヒトに似てくるのではなく、ヒトがAIのようになるかも。なぜならヒトは社会を自分に投影するものだから。ヒトと社会は不可分。個人の自由意志のつもりが実は世の中に流されているだけ。
2023年1月28日
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書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜
- いしかわゆき
- クロスメディア・パブリッシング(インプレス) / 2021年8月31日発売
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自分のために書く。誰かの役に立つことを。。。なんて考えるのはちょっと先の話。自分は素直なアホだと考える。忘れないうちに書く。初めは誰にも見られない前提で書こう。完璧主義を捨てる。タイトルはイケメンよりも三枚目がいい。例「花火を見るたびに思い出す僕のヘンな元カノの話」など。実体験を書く。後悔したことを書くと人の役に立つ。
2023年1月28日
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「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!
- NATROM
- メタモル出版 / 2014年6月25日発売
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ニセ医学が標準医療を否定するのは不安を煽ることで自分達のビジネスに繋げるため。がんや難病と闘う患者や家族が一縷の望みをかけて藁をもすがる思いですがる。効果のない代替医療や健康食品。ホメオパシーは古典的ニセ医学。既にプラセボとの無作為化二重盲検比較試験で無効であることが科学的に証明されている。日本ホメオパシー医学協会による現代医学否定は新生児ビタミンKシロップ不使用事件、溶連菌感染症への抗生物質否定、気管支喘息へのステロイド吸入否定、がん治療否定、ワクチン否定など。ホルミシスも同様。
2023年1月27日
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水木サンの幸福論 (角川文庫)
- 水木しげる
- 角川書店 / 2007年4月25日発売
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成功や栄誉や勝ち負けを目的にしない。しないではいられないことをし続ける。他人と比較せず自分の楽しさを追求する。好きの力を信じる。才能と収入は別、努力は人を裏切るもの。なまけものになる。目に見えない世界を信じる。いまの日本は美味しい食べ物があり天国。成功が幸せではない。好きなことに没頭できるのが幸せ。うんうん。
2023年1月27日
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ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書)
- レジー
- 集英社 / 2022年9月16日発売
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ファスト教養とは、特に金儲け目的で名著をYouTubeでチェックする最近の風潮を著者が名付けたもの。有名YouTuberは視聴者の不安を利用して徹底して無駄を省き、コスパが良く、儲かると言われる情報を提供しており、自己責任論をも助長しているという。まー、個人的にはファスト教養も読書への案内役と考えれば良いのではないかと思うが。。その読書さえも実は著者の考えを辿っているだけなので、結局は自分の頭で考えないといけないのだが。。
2023年1月27日
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カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)
- ドストエフスキー
- 光文社 / 2007年7月12日発売
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エピローグ読了。大人びた少年コーリャの「人類全体の真実ために死ねたら」は未来のテロリストを暗示しているようにも思える。アリョーシャの「このような善良で立派なものをあざ笑うな」「善良で、正直で、お互いを忘れないように。永遠に」はそんなコーリャを支持するもの。最後に「カラマーゾフ万歳!」と叫ぶ未来の革命家コーリャと少年たち。幻の続編はアリョーシャのキリスト教主義とコーリャの社会主義が融合して理想主義的イデオロギーとなり、ついには皇帝暗殺に至る話ではないか。テーマは第一話と同じ「父殺し」と「苦悩」か。
2023年1月26日
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カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)
- ドストエフスキー
- 光文社 / 2007年7月12日発売
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登場人物の心に変化が。。。ミーチャには流刑地に行く覚悟のようなものが。父殺害を心の中で願った無神論者イワンには苦しみと幻覚が。自分は人殺しだと言うイワンを見てカテリーナは心変わりし、ミーチャの殺人予告メモを証拠に出してしまう。グルーシェンカは聖女に?アリョーシャだけは変わらないが「彼のナイーブな理想主義と民衆原理に向けたそのひたむきさが陰気な神秘主義や排他的な民族主義に変わることのないよう心から願う」とのイッポリート検事の指摘は鋭い!これはアリョーシャとコーリヤが幻の第2話で皇帝暗殺に関与する布石ではないか?
2023年1月25日
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まず「書いてみる」生活―「読書」だけではもったいない (祥伝社新書)
- 鷲田小彌太
- 祥伝社 / 2006年11月5日発売
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人間は言葉を使う存在である。まず「話す」そして「読む」最後が「書く」となる。自分のことや社会のことを書く。書くことを趣味とすれば充実した後半生を送ることができる。書くことには終わりがない。書くことはハードで緊張を強いられるが、完成すれば充足感、達成感があるらしい。
2023年1月24日
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読書は1冊のノートにまとめなさい[完全版]
- 奥野宣之
- ダイヤモンド社 / 2013年11月29日発売
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2013年発行の本。本を読んで読みっぱなしにせず、どんなことが書かれていたかをメモる。グッとくる箇所をメモる。手で書かないと記憶に残らない。そして読書ノートをもっと活用すること。そのためには読書ノートを読み返す時間をつくる。古いアルバムをめくる感覚で。読み返しでいい言葉に出会う「発見」がある。新しいアイデアが浮かぶ。それを組み合わせてアウトプットにつなげる。ブログを書くなど。なるほど自分の読メももっと読み返すといいのか。ブクログに横断テキスト検索機能があったらいいな。。。
2023年1月21日
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まともな人 養老孟司の時評 (中公文庫)
- 養老孟司
- 中央公論新社 / 2007年1月1日発売
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食欲、性欲は歯止めがある。腹一杯食べたらそれ以上食べられない。いかに女好きでも一度に百人は無理。ところが金欲はメタ欲望。お金は欲望を満たす可能性への欲望だからキリがない。不安はメタ恐怖である。恐怖は対象が明確だが、不安の対象は不明確で漠然としている。こうした不安というメタ恐怖は政治利用される。経済が金欲というメタ欲望を利用するように。
2023年1月19日
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限りある時間の使い方
- オリバー・バークマン
- かんき出版 / 2022年6月22日発売
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人の平均寿命は短い。ものすごく短い。80歳まで生きるとしてたったの4000週間。効率を上げれば上げるほど忙しくなる。今を犠牲にし続けると、今を生きることができなくなり、未来のことしか考えられなくなる。心配が増え、心が休まる暇はない。怒りや恐怖をかき立てて儲けるSNS。何もかもやるという幻想を捨てる。すると本当に大切なことに集中できる。生き生きとした自分になれる。どれだけの偉業を達成したかではない。自分の時間をしっかりと生き、限られた時間と能力の中で自分のやれることをやったかどうか。
2023年1月19日
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銀河鉄道の夜―最終形・初期形「ブルカニロ博士篇」 (宮沢賢治童話集 ますむら版)
- ますむらひろし
- 偕成社 / 2001年7月1日発売
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「銀河鉄道の夜」の「最終形」と「初期形・ブルカニロ博士篇」を漫画で読み比べる。最終形には出てこないブルカニロ博士が初期形では物語の最後に出てくる。「銀河鉄道の夜」はブルカニロ博士のテレパシーの実験で、ジョバンニが丘で眠っていた間に見た夢なのか。
2023年1月18日
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本を読めなくなった人のための読書論
- 若松英輔
- 亜紀書房 / 2019年9月20日発売
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読書は対話である。読むべき本との出会いを待つ。本は読み手が心を開くのを待っている。読めないことにも意味がある。絵画や音楽などの芸術に触れたり、新しいことを始めるのもよい。「ひとり」の時間を確保する。本を読めないときは文章を書いてみる。読書は「量」より「質」を追求する。
2023年1月18日
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もう一歩写真が上手くなるコツ カメラは魔法の小箱です (玄光社MOOK)
- 中井精也
- 玄光社 / 2020年10月8日発売
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写真は誰かに伝えるために撮る。何を伝えよう。空気?風?心地よさ?いい写真とは、撮り手の想いが伝わる写真。写真を見た人が「撮り手はこれに感動したんだなぁ〜」と明確に伝わる写真。構図やピントより撮り手の感情が分かること。技術よりも「伝えたい気持ち」を優先する。写真を撮る時に伝えたい内容を文章化して手紙を書くように写真を撮る。写真の主役は何かを考えて主役が目立つように演出する。ボケを上手に利用することでも主役は明確となる。目指す写真が「ゆる鉄」でなくても参考になる。
2023年1月18日
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スタグフレーション 生活を直撃する経済危機 (祥伝社新書)
- 加谷珪一
- 祥伝社 / 2022年9月30日発売
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インフレが進むとより安い商品、代替品が存在しなくなる。インフレ時代の節約方法は、単価の安い食料品等での節約はあきらめ、家電や車、住宅など高額商品でどうしても必要になった時に安く買い替える。住宅ローンを組むなら固定金利。円安が続くのなら米国株に投資する方が利益が得られる。政府は金利を上げずインフレ放置するかも。なぜなら物価が2倍になれば現在1000兆円の政府債務の政府負担は実質半分になるから。その場合我々国民が銀行に預けたお金の価値も実質半分に減ることになる。
2023年1月16日
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【文庫】 シニアの読書生活 (文芸社文庫)
- 鷲田小彌太
- 文芸社 / 2013年12月3日発売
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シニア期に読書欲があれば精神的満足と心の平和をうることができる。読書により他人の人生や経験を生きることができる。テレビや映画、演劇と違い、読書は能動的である。集中力と持続力を必要とする。読書好きにはその読書を活かす生き方として書くことを勧める。書くために読めば目的を持って読むことになるのでおのずと集中と持続が生まれる。書いてみてはじめてきちんと理解していなかったことがわかる。
2023年1月16日
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カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)
- ドストエフスキー
- 光文社 / 2007年2月8日発売
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ついに第3巻読了!ゾシマ長老が死ぬが奇跡は何も起こらず悲しむアリョーシャ。その膝の上に乗り誘惑するグルーシェニカ。彼女が話す「1本の葱」は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」とそっくり。その頃、衝動的な長男ドミトリーは親父の家に忍び込むが召使いに見つかり杵で殴り血だらけにして逃げる。グルーシェニカが元カレといる村へ押しかけて、大金を使って大宴会を開く。そこへ警察が現れ、父殺しの嫌疑で逮捕。。。欲望と快楽に突っ走ったツケは支払わなくてはならないが、父殺しの謎は残る。第4巻へ。
2023年1月16日
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ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法 (文庫ぎんが堂)
- ちきりん
- イースト・プレス / 2013年12月8日発売
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2011年発行の単行本を以前2回読んでいるが、文庫版を再読。10年前に比べるとコロナの影響もあり、世の中の仕事やお金や人生設計に関する考え方は少しずつ変化しているかもしれないが、まだまだ「みんながやっているから私もやる」ような「世間の呪縛」に囚われている。この本にある通り、人生は明日終わるかもしれない。もっと自分の人生を楽しもう。そのためにはもっとゆるく考えてラクになろう。自分の基準を持って生きよう。そしてできるだけ「やりたいこと」中心の生活を送ろう。
あと、人生の先輩の助言について。数十年で変わる世の中についての先輩からの助言(仕事や子供の教育など)は役立たないだけでなく害になる。一方、人間の本質(どう生きるか、心、死など)に関わることは100年経っても変わらないので人生の先輩の助言はとても有用である。
2023年1月14日
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名医が答える! 変形性股関節症 治療大全 (健康ライブラリー)
- 講談社
- 講談社 / 2022年10月20日発売
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【股関節の仕組み】股関節は骨盤の左右にあり上半身と脚を繋ぎ脚を動かすための関節。大腿骨の「大腿骨頭」と骨盤の「寛骨臼」からなる。「大腿骨頭」と「寛骨臼」の表面は軟骨で覆われている。関節は関節包という膜に囲まれ、中は関節液で満たされている。軟骨と関節液の働きで関節は滑らかに動く。すり減り変形した軟骨の破片が炎症となり痛みの原因となる。【寛骨臼形成不全】先天的に寛骨臼が小さい。男性2%、女性7%以下と女性に多い。X線検査で判明する。
2023年1月14日
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50歳からは、「これ」しかやらない 1万人に聞いてわかった「会社人生」の上手な終わらせ方
- 大塚寿
- PHP研究所 / 2021年6月19日発売
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人生後半の選択を迫られる50代は迷い、そして焦る。定年?定年後再雇用?早期退職?起業?自分は何をやりたいのかが大事。生涯現役も良し、体力が残されているうちに遊ぶのも良し、人の喜びのために生きるも良し。ワクワクする自分を描いてみる。余命があと1年だとしたら何をするかを考えてみる。豊かな人生後半のためには一生勉強すること。インプットだけでなくアウトプットを重視する。書評を書く。身体が動かなくなることがあるので趣味はアウトドア系とインドア系を両方持つ。
2023年1月14日
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カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)
- ドストエフスキー
- 光文社 / 2006年11月9日発売
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2023年1月14日
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視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話
- 深井龍之介
- イースト・プレス / 2022年6月18日発売
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リベラルアーツ(教養)は人間が「自由人」として生きるための学芸(文法、修辞学、弁証法、算術、幾何学、天文学、音楽の自由7科)。本書で紹介する学問分野は、物理学、文化人類学、仏教学、歴史学、宗教学、教育学、脳科学の7つ。今は価値観が多様化し、一人ひとりが生き方を自分で選ぶ時代。自由な反面、選択する価値観を自分で見定めなくてはならず、難易度は高い。教養により視点が増え、人生のオプションが増え、決断ができ、混乱から抜け出すことができるようになれる。中でも仏教学(東洋哲学)は面白かった。
2023年1月5日