セリー (ビームコミックス)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 131
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047353206

作品紹介・あらすじ

生命活動に適さない外気、すべてが終末へ向かう世界で、その家で、彼と「彼女」は、本を読む。強靱で誠実なポエジーと圧倒的画才で、驚愕の才能が挑む新境地は、静謐で透徹したサイエンティフィック・フィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 表題作、世界がほとんど終わってしまった後の静かな世界と、森泉さんの絵がぴったり合う。
    特に本好きにはたまらないものがあった。
    そこでムーミンは泣くよねえ…。
    他の収録作も、短くても重さや強さのあるものばかりで、読んで良かった。

  • 0067 2018/09/29読了
    絵が好き!
    表題作の「セリー」は切なさと温かさがある。

  • 少女終末旅行+AIの遺電子。≪けれども、建立すべき大聖堂を心の内に宿している人は、すでに勝利者なのだ。≫ ≪私たちは不連続な存在であって、理解しがたい出来事のなかで孤独に死んでゆく個体なのだ。≫ ≪十三、四になると、教養への憧れから夏目漱石を手にしたのだが、読んでみたところ驚いてひっくり返ってしまった。オチがなかったからだ。…文学の目的のひとつは、そんなやり場のない感情を日常に持ち帰り携えていくところにある。≫ ≪わたしたちの求めるのは真の答えではない。われわれの探す迷子の羊は真の問いだ。羊の体のあとにしっぽがついてくるように、真の問いには答えがついてくる。≫

  • セリーとアイボがトレースする。

  • めちゃくちゃ良かった

  • 2019/1/4購入
    2020/3/26読了

  • ■読書ノートに記載

  • 終末に向かう地球でかろうじて動くホームシステムのもと生き残った人間のカケルとヒューマノイドのセリー。カケルはセリーに記憶してもらうために、膨大な蔵書を朗読してもらう。主に海外文学を。二人の置かれた状況を、関係性を暗示するような引用が語られていくが。ついに。人の寿命が先に尽きるのは仕方のないこと。その後の道行きは、手塚治虫の「火の鳥」のなに編か忘れてしまったけど、それを読んだ後の感触と似た空気を感じた。巻末には、著者と妻と義父の大林宣彦との三都市をめぐるストーリーが語られる。/以下、備忘録的に_秋ごとにかけるマーラーの「訣別」(ブルーノ・ワルター指揮キャサリン・フェリア独唱)/「私たちは不連続な存在であって理解しがたい出来事のなかで孤独に死んでいく個体なのだ。」(バタイユ「エロティシズム」)/日々の雑音のスイッチを切れば、まず安らかな静寂がやってくる そしてつぎに、とても静かに、光のように静かに、意味が戻ってくる 言葉とは語ることのできる静寂の一部分なのだ。(ジャネット・ウィンタースン「灯台守の話」岸本佐和子訳(白水社))

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著者プロフィール

水で描き、そこに墨を落とし、細かいところは爪楊枝や割り箸を使ってマンガを描く。著書に最新作のコミカライズ作品集『村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」』のほか、『セリー』『報いは報い、罰は罰』『ハルはめぐりて』『うとそうそう』『カフカの「城」他三篇』『耳は忘れない』『夜よる傍に』『祈りと署名』など多数。

「2020年 『ランバーロール 03』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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