ひとつ海のパラスアテナ (2) (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
4.00
  • (5)
  • (3)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 66
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048650526

作品紹介・あらすじ

浮き輪もなしで波間に漂う少女・アキと、もう一人。疲労は、限界だった。「助けは『絶対に』来ないんです。ここは……セントゥリア海峡ですから」絶望的な状況の中で――二人の「生きるための戦い」が、始まる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 陸地がすべて海に沈んだアフターの世界でセイラーとして生きる少女アキの物語第2巻。

    いやなんか愉しいなあ。
    やっぱりアキのキャラクターがいい。
    アキはちょっと抜けてて都会ではダメダメである意味アホの子だと思うのだけど、「たくさん生きる」に正直に真剣に頑張って生きているのがとても素敵。
    それは何度も死にかけて、そのたびにいろんなものに助けられて、託された命の重さを彼女がよくわかっているからだ。

    そんなアキがオルカのいいお姉さんになろうとするところも微笑ましい。
    ダメダメなアキにそれはうまくいかなかったのかもしれないけれど、彼女のその想いはオルカにちゃんと伝わったよね。

    それにしても今回もサバイバルしすぎ(笑)
    2回も海で取り残されてるよ。
    トラブル体質なんじゃない?(笑)
    でも、そんな状況でのアキの頼もしいこと。
    なんかアキがほんとに野生児の少年に思えてきたよ。
    まあ、タカちゃんの王子様だもんね。

    そのタカちゃんは、アキたちの絶体絶命のピンチに現れるとか、まさにヒーローだよ。
    しかも飛行機飛ばしてくるって、なんかずるい(笑)

    今巻の個人的ハイライトは、アキが、タカとオルカとその他もろもろ全てを取り戻して、再び得たパラスアテナに向かって、「さあ行こう、パラスアテナ!」と二回叫ぶところ。
    湧き立つような、勇気に溢れる、前向きな想いがとても気持ちいい。

    そうして幸せなラストを迎えて、ああ、よかったなあと思ったところで、おー、すごい引きだな。
    次巻が気になる。
    たぶんビフォアの人たちがしたという4つの選択は、海に生きるの他には、地下に生きる・宇宙に生きると、あと何かだと思うんだけど、この引きは絶対地下世界の関係だよね。
    次巻でその謎が明らかになるのかな。

  • 1巻に比べるとそこまでの衝撃はなかったが、主人公に容赦がないストーリー展開は相変わらず。

  • またも無人島でサバイバルをして、シーロバーと対決。終わり方と言い、一巻とほぼ同じ。面白くはあるが、ある意味予定調和なので飽きが早そう。サバイバル知識やら航海知識の背景は強いが、ストーリーの作りがイマイチ。デビュー作なので、今後のストーリーの強化に期待。化ける実力はあると思う。神話になぞらえて自然現象を使ったりと、SFな手法と発想力は相変わらず上手い。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

◆著者
鳩見すた(はとみ・すた)
『ひとつ海のパラスアテナ』で第21回電撃小説大賞で“大賞”を受賞しデビュー。著書に『アリクイのいんぼう』1~4巻、『ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん』1~2巻、『秘密結社ペンギン同盟 あるいはホテルコペンの幸福な朝食』1~2巻、『種もしかけもない暮らし ~花森姉妹はいまが人生で一番楽しい~』(KADOKAWA)、『こぐまねこ軒』1~2巻などがある。

「2023年 『江ノ島は猫の島である ~猫を眺める青空カフェである~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鳩見すたの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×