桜かんざしの舞妓さんと怪盗大旦那 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 84
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048652469

作品紹介・あらすじ

どこかどんくさい新米舞妓の一花。だが、なぜか祇園の大旦那と呼ばれる青年がひいきにしている。大旦那は謎多き人物で。いま世間を騒がす義賊、怪盗夜行とも関わりがあるとかないとかで?

感想・レビュー・書評

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  • 祇園の駆け出しの舞妓の一花と若い大旦那とのやり取りが抱腹絶倒だ。イケズなことを言う大旦那に何十センチもずれた受け答えをする一花。しまいに大旦那が「じゃかましいっ!」で締めるのが笑える。「じゃかましいっ!」というのは愛情表現ですなあ。しかし、ほんわかした祇園の雰囲気に関わらず、事件というのが、抗ガン剤に絡むえぐい話で驚く。抗ガン剤が効くのは2割ほどで、治験のデーターなど担当医の意のままになるなんて本当?製薬会社との癒着も出てくるが、どれもこれもいかにもありそうな話である。悪い医者どもは怪盗大旦那に懲らしめられるが、結構これもえぐい。

  • 【祇園の怪盗が舞妓さんと世直しをする? 花街の華麗な日常とともにどうぞ。 】

     取り柄は気立てのよさ、まっすぐなところ。やる気だけが空回りしてしまう少女、一花。最近やっと、仕込みから新米舞妓になれたばかり。
     そんなどんくさい一花を、ひいきにする青年がいる。石川総司は祇園の大旦那と呼ばれる花街の顔役。芸舞妓の憧れの総司が、なぜ一花に目をかけるのか。まったくの謎だが、ふたりの珍妙な掛け合いは花街の名物となっている。
     最近、京のちまたが騒がしい。怪盗夜行──権力者の不正をただす義賊だという。実は夜行と面識がある一花。そのせいか、一花の行くところ面倒事ばかり。今日も大旦那と新米舞妓が事件に挑む!?

  • やっと舞妓になったばかりの主人公。
    今日も今日とて、ドジを踏む。

    腕立て伏せ状態の舞妓さん…見てみたいですw
    嫌味を嫌味とも思わず生きていくのは
    幸せに満ちている気がしますが
    周囲の気苦労が大変そうで(笑)
    特に、ひいきしている顔役の大旦那?w

    師匠が倒れてみたり、いけずな医者が出てきたり
    勉強会と評して飲み食いしている病院もあったり。
    ここまで露骨にセカンドを嫌がるのも
    ものすごく怪しい感じです。
    とはいえ、どうして即退院しなかったのか。

    主人公があれなので、大事件のはずなのに
    何故かほんわかした状況。
    診療所の医者の息子と、友人の舞妓の状況も
    かなり気になってしまう展開でした。
    別の意味で、医薬品会社の担当の人も。
    完璧を目指すなら、相手によって変えなければ!w

  • 怪盗夜行が医療問題にメスを入れる・・・。
    きわどく重くなりやすい医療問題なのに、テンポの良い大旦那と一花の掛け合いがいい意味で抜けていて読みやすい。

    「君は自分の売っている薬に責任も持てないのかっ!・・・医療の世界で馬鹿だからなんて言い訳は通用しないんだっ!馬鹿ならわかるまで勉強しろっ!そうじゃないと、人を殺すことになるんだよっ!」

    あとがきより
    信じて努力を続けたとしても、必ずしも夢は叶うものではない。けれども、夢が叶わないぐらいで、幸せになれない人生なんて嫌だ・・・なにが幸せかというのは、自分でいめられるもの。一番の目標だけを幸せとし、それ以外のものに目を向けないのはもったいない

  • 一花と大旦那の掛け合いはあいかわらずで好き。

    耳慣れないはずの福井弁に馴染んでいるのは何故だろうと思ったら、
    朝ドラの「ちりとてちん」を見ていたからみたい☆
    一花ののんびり具合は、「ちりとて」の糸子さんを思い出させます。

    事件は、前回が超ハードな展開だったので
    それに比べてインパクトの弱さはありました。が、ヒドイことはヒドイ☆

    ところで、一花があんまり怪盗の正体に気付かないので
    うっかり「大旦那と怪盗が別人だと思われる点」を検証しそうになりました。
    いやいや、読者の立場としては、考えるまでもなく
    最初から「大旦那=怪盗」なんですよね。
    タイトルからして『怪盗大旦那』なんですから☆

    続巻希望ですが、一花や大旦那さんの現在に到るまでの過去を明かしていってほしいです。
    (1巻で「帰るところがない」と考えていた一花や、"何年か前から"怪盗として動き始めた大旦那さん…物語の流れでそう書かれただけで、深い意味はなかった。というオチじゃないといいな☆)

  • 京言葉に興味のある自分にとって、普通の事件物よりも興味深く読むことができた。恋愛やミステリ要素が、バランスよかったと思う。

  • 続き出ればうれしいと思っていたので、新刊情報見たときはわっほーいヽ(゚∀゚)ノとなりました。第1巻は電子書籍で買ったんですが、配信を待てずに紙書籍を購入。あんなお医者さんがいたら私も一緒になって成敗したくなるな、と思った。一歩一歩成長していく一花ちゃんと、なんだかんだと贔屓にしてくれてる大旦那さん。相変わらずのやり取りが楽しかった。続きあるといいな!

    【再読追記】2015.07.02
    再読してしまった。西山せんせのセリフを覚えていると、どんなに綺麗事並べても所詮綺麗事だってわかりますね。おまえ、患者さんに向かって「ぼくも同じ立場なら使うよ」って言ってるじゃねえか。それを夜行に「そのくらいだったら使わないでいい」とかよう言えたもんじゃ(#゚д゚) それにしても一花ちゃんの思考回路が斜め上いってて楽しいですね。いいわあwww

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著者プロフィール

福井県出身。電撃小説大賞で見い出され、メディアワークス文庫にてデビュー。『マリシャスクレーム』『鴨川貴族邸宅の茶飯事』『舞妓さんと怪盗大旦那』など著作多数。小学校入学までを石川県金沢市で過ごす。東京に出て作家デビュー後、とある事情から京都に移り住む。現在は長野在住。

「2017年 『装幀室のおしごと。 ~本の表情つくりませんか?~ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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