路地裏のあやかしたち3 綾櫛横丁加納表具店 (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2014年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048666947
感想・レビュー・書評
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洸之介やっぱりいい。お父さんとお母さんの子だね。社会人になってからも見たかったけどこれからも長い年月一緒にいられる仲間と繋がってるから終わり方良かったです。
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最終巻。あったかい気持ちになる。
2015/7/15 -
あやかしというよりは変わり者の集まるお店。進路が決まってよかった。
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路地裏にひっそりと佇む、加納表具店。店を営むのは、若く美しい環。掛け軸や屏風に込められた思念を鎮める仕事を引き受けている彼女のもとには、様々な事情を抱えた妖怪が相談を持ち込んでくる。今回登場するのは、ミュージシャンをめざす“鵺”、弁護士として働く“天邪鬼”、そして“雪女”の蓮華。彼らの悩みに触れるうち、高校生・洸之介は自分の将来を考えるようになるのだった―。人間と妖怪が織りなす、ほろ苦くも、どこか懐かしい不思議な物語。これにて完結!!
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2巻あたりから少しずつ匂わされていた主人公の進路に関する悩みに焦点が当たる最終巻。
主人公の心境の変化が丁寧に描かれていて、これまでの巻の中では一番良かった。
ただ全体的に淡々としているので、主人公が表具のことを考えている時に「楽しそう」と周囲のひとから指摘される場面が何度かあるのだけど、読者は指摘があるまで主人公が楽しそうなんだとは気づけない。周囲からの指摘だけでなく読者にも楽しそうとわかる描かれ方だともっと良かったかな。
非日常な割に淡々とした雰囲気や魅力的なキャラクターが多いところは好みなのだけど、それぞれの視点やこれからの風景に思いを巡らせようという気持ちにはならない読了感だったので、物足りない。これで最終巻と言わずまだまだ描く余地はあるんじゃないかと。 -
高校生と言うのは未熟な部分があるものの、様々な可能性を十分に秘めていて、とても羨ましい年代です。
そんな洸之介が新たな一歩を踏み出しました。
揚羽が大泣きしてしまうのではないかと心配でした。
表紙の環さんは、旅立つ洸之介を見送っているのか、それとも数年後の洸之介を出迎えているのか...。 -
一作目から続けて読んだので、作家さんがだんだん書き慣れていくのがわかった。今回は様々なあやかしたちのエピソードとともに、高校三年生になった洸之介の進路に関する本人の迷いを軸にして描かれる。そうだろうなあという展開ではあったけれど、そこまで表具に魅せられていくようすがあまり感じられなかったというか、妖怪たちのエピソードは面白かったけれど、洸之介と母親の関わり、洸之介の学校生活があまり生きたものとして頭のなかで描けなかった。加納表具店と学校の洸之介のクラスのみが独立してあり、他の日常がない感じ…。それは、畠田恵さんの『しゃばけ』でも感じることで、何故だろうとずっと考えていたが、普通の小説であれば主人公とそれぞれの日常は私が慣れ親しんだ日常風景で、行間を私自身の想像で埋めることが出来るけれど、妖怪たちがあたりまえにいる暮らしってもちろん身近ではないので、行間を埋められずにそれぞれのエピソードが繋がらずに切れぎれに感じるのだろうとの結論に至りスッキリ。こういった話にもっと馴染んでいけばまた、読み方は変ってくるだろうと思う。