いたいのいたいの、とんでゆけ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2402
感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048668569

感想・レビュー・書評

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  • 退屈はしないけど、よくある話で、それほど面白くもなかった。

  • 二度と抜け出せない穴に落ちた人の物語、美しくて溜息が出る。湯上と日隅だけでなく出てくる他の人たちもそうで、他人からみて不幸に思えるような状況も彼らにとっては幸福なんだろうな。自分もそちら側の人間なんて言うのは烏滸がましいけど、彼らの思想には共感するところばかりで、結末も彼らにとっては救済で、優しい物語だなと思った。一つ一つの場面が印象的だけど、やっぱり一番好きなのは湯上の「本当に何もかもが嫌になったら、そのときはいってくれ。僕が、君を殺してあげよう。」かな

    兵藤の、人に助言を与えたり悩みを聞いてやったりすることは巨大な責任を伴う行為であって、確実に問題に対処できる確信があると言うのでもない限り、人は他人の人生に口を出すべきではない、って思想も完全に同意。その人の気持ちとかその人が置かれてる境遇すべてを理解するなんて無理だから部外者は黙っているべきなんだよ、と私の思想を詰め込んだような作品で読んだ時本当に衝撃だった。

  • 三秋先生らしい締め方だったと思う。本人たち以外には到底理解し難いような幸福感に包まれている感じがした。

  • 3.3

  • ・三秋縋さんらしい絶望的なハッピーエンド。
    ・グロいシーン描写が多いので苦手な人は読まない方がいい。
    ・霧子の境遇に救いがなさすぎて読んでいて辛くなる。
    ・『落とし穴の中で幸せそうにしている人』とは確かにこういうことなのだろう。

  • 草紙の正当な末裔はこの辺なんだろうなあ。不思議なほどそこしか見えない感じとか、その時代の空気がみっしりとよせてくるところとか。

  • 何度も人殺しをするので過激な表現が多く、痛々しいと感じる部分もあったので、そのような表現が苦手な方は気をつけた方がいいと思います。
    最後の結末は意外で、少し時間の隔たりがあるので複雑かもしれません。ですが、理解した時にはとてもすっきりしますし、なるほど!!となります。

  • 星二つか三つで悩む。

    救われない話を悲劇で終わらせない方法だと、本作のラストのようなシーンになってしまうのも分かるが、ちょっと続き過ぎなのではなかろうか。

    作風といってしまえばそれまでなのだが…

  • 血や暴力、虐待とかの描写があるため、苦手な人もいるかも。
    鮮烈、という感じの三秋縋さんの作品。
    どこか欠陥を抱えた男女が出会い、噛み合わない日常を過ごしていく中で、不器用に惹かれあっていく。三秋縋らしい、歪なボーイミーツガール。
    終わり方もやっぱり、悲惨なハッピーエンドで、これもまた三秋縋らしい。

  • 「いたいのいたいの、とんでゆけ」は二度と抜け出せない穴に落ちた人の物語でした。薄暗い話としてではなく、元気の出る話として書いたつもりでいます。後書きより抜粋。
    読み終えた時、私は確かにそう思いました。これは、どうしようもない不幸の中で見つけた幸せの物語だったのだと。

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著者プロフィール

WEBで小説を発表していた作家

「2015年 『僕が電話をかけていた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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