いたいのいたいの、とんでゆけ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048668569

感想・レビュー・書評

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  • 「いたいのいたいの、とんでゆけ」は二度と抜け出せない穴に落ちた人の物語でした。薄暗い話としてではなく、元気の出る話として書いたつもりでいます。後書きより抜粋。
    読み終えた時、私は確かにそう思いました。これは、どうしようもない不幸の中で見つけた幸せの物語だったのだと。

  • 最終章、話の展開がまるで推理小説のクライマックスのようでとてもドキドキした。どうか2人に幸多からんことを。

  • そーやったんかぁぁぁぁ!!
    と、最後びっくりした。
    グロテクスな場面もそんなにグロく感じないけど、ずーんと心が重くなる凄まじい描写。
    心の機微がちょっとずつでも伝わって霧子の事も瑞穂のこともめちゃくちゃ好きになってた。
    霧子のお母さんがもっとしっかりした人やったら…。。でも、幸せな世界だったらこの2人はこうはならなかったのかもしれないと思ったら切ない。
    どうか、どうか、もう一度会えた2人が幸せな気持ちでいられますよぉに。
    しかし、何度も聞いたことあったけど、この呪文がこんなに素敵に響くなんて…!!

    他の本も読んでみたい!!

  • ちょっとグロかったかなぁ、重い…悲しい…

  • これ以上素晴らしい作品は多分これこらも出会えない!
    私はこれ以上私を救済してくれる本に数年たっても出会えていません!!

  • 重くて切ない。

  • お話しはすごく良かったが、少し過激な描写も多かったので星4。

  • 「普通」に生きられない人にどこか虚しく悲しく優しく寄り添ってくれるような本

  • 深い絶望があるからこそ、2人がより美しく思える悲しいけれど綺麗なお話。
    儚さが良く、切なくて泣きそうです。

  • 残酷で純粋で儚くて切ない物語。

    意外で切ないラストに胸がきゅっと締め付けられました。
    後味がとてもよかったです…涙

    主人公目線で進んでいて、ラストに少女視点で描かれてから全てが繋がって、それがどうしようもなく切なくて感動しました…

    三秋さんの文が大好きです。

  • 非常に後味が良かった…
    主人公の一人称で話が進んでいき、
    話の点と点がつながった時にはもう字を夢中で追いかけていました
    「人間の死の描写や、主人公の語り口調が
    どうしても…」という方以外の全ての人にオススメの本です()

  • ハッピーエンド? 霧子の人生が悲しすぎる。

  • 予約中

  • 筋はすぐに分かってしまう(少なくとも「どちらか」だろうという予想はつく)けど、終わり方がきれいでいいと思った。
    色々と、いくらなんでもやり過ぎだ、と思う部分もあるものの、惨劇はリセットされるし、一途な想いは貫かれるし、最後までずっといちゃいちゃしているから、まあいいんではなかろうか。

  • ※激しい暴力及び流血描写の含まれる作品です。

    【印象】
    「苦悩を解決しないこと。それこそが救いの本質なのだ」。

    【類別】
    小説。
    超常ファンタジーの要素。

    【構成等】
    一部、別の人物の視点から語られます。

    【表現】
    地の文は一人称視点であり、文体は平易。

  • 『いたいの、いたいの、とんでゆけ』三秋縋、読了。何もかもに見捨てられて、唯一の文通相手にも嘘をつき続けた主人公の瑞穂は、二十二歳の秋、殺人犯になってしまったーーはずだった。彼に殺された少女は死の瞬間を《先送り》することによって十日間の猶予を得た。
    彼女はその十日間を自分の人生を台無しにした連中への復讐に捧げる決意をする。復讐を重ねていく上で、知らず知らずのうちに互いの出会いの裏に隠された真実に近づいていく。暴力シーンは残虐かつリアルな描写で見ていてこっちも痛い。暴力に対して身近だった為に読むのに苦労した。
    世界は愚かしく残酷で冷たい穴ぼこがいくつも存在しているが、それでも繋いだ手だけは離さないように、そしてそれだけあれば自分は生きていける、誰かの存在が幾重にも自分を強くしてくれている/支えてくれていることを実感。どうしようもない現実にも、たったひとつの希望が、救いがある。

  • 暗闇の中で見上げる星のような美しさでした。

  • シャーデンフロイデ
    ストックホルム
    ライナスの毛布

    いたいのいたいの、飛んでゆけ

    キーワードだとか、ストーリーは面白かったんだけど、
    倫理観が合わなかった。

    気持ちはわかるんだけどね。

  • オススメされて借りた本。
    『三日間の幸福』と同じ作家さんで、ストーリーも似たように感じた。

    自分に関わる不幸を「なかったこと」に出来る少女と、その少女を轢き殺してしまう主人公の話。

    こちらの方が救いはないのに想いはあるというか。
    先の見えた展開なのだけど、時間という刹那に縋り付く少女が愛おしいなぁと感じた。
    美大生とのエピソードはちょっと消化不良。
    主人公がどエスに目覚めるのではなく、愛に目覚めてくれたら尚言うことはなかったなー。

  • 哀しくも美しく切ない話。

    文通凄いな。あれだけ続くのは羨ましい。根っこが同じような相手と文字を通して語り合えるの憧れるなぁ。

    キャラ作りとはいえ霧子の設定がなかなか酷だが、それがこの物語の味を出す要でもある。
    先送りにする力、使おうと思えばいくらでも使い所あっただろうにそれをしない所があってそれが良かった。

    霧子は、隣人さんか少女のどっちなのだろうと思って読んでた。
    序盤では隣人さんかなと思ってたのに、まさか進藤と何かしらあったとは。
    でも、そのあとは瑞穂のことを気にかけてたんだなやっぱ。
    瑞穂が隣人さんとの物理的な接触が少ないのはなんとなく察してた。
    隣人さんと瑞穂の夜の散歩だとかベランダで話をする間柄だとあの程良い関係性良いよな。

    瑞穂が実は既に死んでたというのにはなかなか驚かされた。
    ラストあたりからかなり読み応えが増した。
    実は学生の頃に既に会っていたとはなぁ。
    死んだのは霧子の父親に刺されたのではと予想してたけど、予想を裏切られた。
    まさか解放感を噛み締めて遊園地デートしてる最中とは…。
    どこまでも酷で哀しいけど、そこがいい。

    メリバっぽいけど、キレイな終わり方だった。
    あとがきで作者が、“暗く深く狭く寒い穴の中で、強がりでなく微笑んでいられる人の話”“二度と抜け出せない穴に落ちた人の物語”と言っているが、本当にそれをよく描いている構成だった。

  • 最高だった。
    その一言に限ると思う。
    三秋さんの本はこれで読むのは二冊目。
    残酷な言葉をも美しく書き記してしまうこの人は、どんな人なんだろう。あまり三秋さんを知らない私はそう思う。

    好き過ぎる本の感想はあえて----というより、うまく言葉に出来ずに、いつも歯痒い。
    それでも、この本は、今までであってきた本の中でも、ずっと手元に置いておきたくなる。何度も何度も読み返したくなる。そんな本だと思う。

    三秋さんの本はほかにも出ているそうなので、近いうちに読みたい。

  • 文庫書き下ろしとのことで給料日前でカツカツなのに予約までして買った。げんふうけいファンの鑑。
    今までそんな暴力描写あったかしら?ってぐらいたくさん血が出てきてブルブルしながら読んだが、青年×JK好きにはたまらない展開だった。最高に無駄なことをしている有意義な時間の流れが愛しくて、ページを読み進める手が止まった。(二時間ぐらいで読破したけどほんとに寂しかった)
    ラストに向かうにつれて目頭が熱くなり鼻の奥がつんとする。あの台詞の意味はもしかして、と読み終わった後も考察しすぎて通勤中に泣いた。読み返して意味を悟ると、また一気読みでラストで胸が苦しい。一つ一つの台詞が終わってから突き刺さる小説だった。

  • 筆者の「三日間の幸福」が良かったので購入。物事を「先送り」する能力をもつヒロインをひき殺した主人公が、ヒロインの復讐を手伝う話。ヒロインの人生があまりにも凄惨で救いがない。父、姉、姉の友人に同級生とむごい虐待を受け、身体は傷だらけ。そこに救いはない。たった一つの希望である文通相手の主人公との交流がすべての希望。それ以外は本当に、言葉にできないくらい酷い。ここまで悲惨な虐待を描く必要があったのかと思ってしまうくらい。たった一つの愛に救われるなんて許せない。物語の登場人物だからこそ、幸せにならなくちゃいけない。

  • 【自分で殺した女の子に恋をするなんて、どうかしている】
    「私、死んじゃいました。どうしてくれるんですか?」
     何もかもに見捨てられて一人きりになった二十二歳の秋、僕は殺人犯になってしまった――はずだった。
     僕に殺された少女は、死の瞬間を“先送り”することによって十日間の猶予を得た。彼女はその貴重な十日間を、自分の人生を台無しにした連中への復讐に捧げる決意をする。
    「当然あなたにも手伝ってもらいますよ、人殺しさん」
     復讐を重ねていく中で、僕たちは知らず知らずのうちに、二人の出会いの裏に隠された真実に近付いていく。それは哀しくも温かい日々の記憶。そしてあの日の「さよなら」。

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著者プロフィール

WEBで小説を発表していた作家

「2015年 『僕が電話をかけていた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三秋縋の作品

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