キズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代 (アスキー新書 147)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048685610

感想・レビュー・書評

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  • ■学んだこと

    第一章 ソーシャルメディアって何?


    ▼ソーシャルメディアとは?
     ⇒「社会の媒体」、人間が生活している「現実社会そのもの」である。
    ・メディアの3つの分類
    ①他社メディア
    ②自社メディア
    ③ソーシャルメディア
    ※ソーシャルメディアは企業がマーケティングをすることを目的
     に存在している場所でもなければ、口コミをコントロールできる場所でもない。

    ▼なぜ今ソーシャルメディアなのか?
    ①量的な増加

    ②発信された情報が蓄積される事、フローではなくストック

    ③発信される信頼性が向上した事

    ④消費者の買い物が変化した事

    ▼ソーシャルメディアマーケティングは「魔法」の杖ではない。
     ⇒もしかしたら企業の抱えている現状の課題を
     解決する新しいイノベーションを引き起こすことができるかもしれない。

    ▼情報爆発だけが広告の効果を低下させたわけではない
    ①消費の成熟⇒欲しいモノは、全て揃っている。

    ②消費の学習効果⇒消費を通して賢くなった。

    ③情報リテラシーの向上⇒毎日が、情報の取捨選択になった。

    ④メディアの多様化⇒消費者の接触ポイントは分散化

    ⑤UGCの量的増加と質的向上⇒量が質を押し上げるサイクルに入った。

    ⑥認識できる選択肢の増加⇒人間は選択肢が増えすぎると選べなくなる。

    ⑦認知的不協和音⇒失敗したくないから、調べまくる。

    ⑧企業の相対的信頼性の低下⇒同時に、広告のアテンション獲得力の低下を招いた。

    ▼マーケティング目標は「売上・マーケットシェア」から、「利益・顧客シェア」へか
    ・顧客との絆を深め、いかに自社商品を買い続けてもらうか
     無関心層や潜在顧客といかに「ゆるく」つながり、徐々に興味を持ってもらい、
     ニーズを顕在化していくか。

    第二章 そして本当ののキズナづくりが始まった

    ▼問題は「相手はあなたにさほど興味を持っていないということ」

    ・広告の役割は興味を持っていない人に興味を持ってもらうこと(レイ・イナモト氏)

    ・自己中心的・自己陶酔的な求愛は嫌われる前にスルーされる。


    ▼協業型ソーシャルメディア(Cooperative Social Media)
     消費者と企業が互いに助け合い”協業”してつくっていく場所

    ▼商品力は「C/Pバランス」でできている

    C=商品コンセプト⇒買う前に欲しいと思わせる力

    P=商品パフォーマンス⇒買ってよかった、次も買いたいと思わせる力

    ▼消費者は二度評価する
    ・1回目の評価が「その商品を欲しいか否か」

    ・2回目の評価が「買ったあと、買って良かったと思うか否か」

    ▼ソーシャルメディアマーケティングの2類型

    ①短期的な話題を図るバズ・バイラル型

    ※バズ・バイラル型の誤解
    ・ソーシャルメディアマーケティングで、認知を向上させることは非常に難しい。

    ・情報のコントロールは「不可能」

    ・バズ・バイラル型でクチコミされる内容は「商品やサービスそのもの」ではない。

    ②消費者との中長期的なキズナを作るアドボカシー型

    ⇒顧客や見込み顧客が最高の商品やサービスを見つけることができるように、
    企業はアドバイスを行う必要がある。しかし、推奨商品は、必ずしも自社商品とはらない。

    ※アドボカシー型のソーシャルメディアマーケティングに取り組まないことによるス

    ・潜在顧客とお近づきになるチャンスを失ってしまうリスク

    ・競合他社が先にキズナを形成してしまうリスク

    ・消費者の本音を知らないリスク

    ・無駄な広告宣伝コストをかけ続けるリスク

    ・変化したマーケティング環境に適応できないリスク

    ・手遅れになってしまうリスク

    第三章 すべてを「自分だったら?」で考える

    ▼アドボカシー型のソーシャルメディアマーケティングは、現実社会の人間関係づりと同

    ▼アドボカシー型の注意点
    ・小さく生んで大きく育てるの精神で

    ・担当するスタッフが共有できるルールやガイドラインをつくっておく。

    ・相談できる社内の人やエージェンシーを決めておく。

    ・リカバリー施策を事前に考えておく。

    ・焦らず続ける。

    ▼オーダーからオファーの時代へ
     もはやメディアの組み合わせではオファーに応えることはできない。

    ▼スコアカードによる効果測定

     普通に純広を打った場合の1回あたりのインプレッション単価や、
     クリック単価を想定した場合、ブログ、ツイッターなどでの情報掲載、
     レビュー(評価)、レコメンド(推奨)には、それぞれ広告換算にしていくらくらの価値があるのかを定めて
     それらを全部足して、効果を測定するやり方

    第四章 これだけは守りたいキズナづくりの一三カ条

    ▼ソーシャルメディアガイドラインの具体的な内容例

    ・自分が「どこの誰か」公表する。

    ・常に誠意あふれる正直者でいる。

    ・双方向の会話を心がける。

    ・カッコつけず、等身大で親しみを持って接する。

    ・実際に会って話しているように愛を持って接する。

    ・会社の機密情報を公開しない。

    ・知らないことやいい加減なことは言わない。

    ・会社の看板を背負っている意識を持つ。

    ・常にオープンな会話を心がける。

    ・質問には素早く対応する。

    ・誤りはすぐに認め、謝罪する。

    ・誹謗中傷をする。

    ・守るべき法律を確認し、遵守する。

    第五章 一番大きな壁は、実は社内にある

    ▼会社の中で進めていくステップ

    ・すべては「熱意を持った一人」の社内啓蒙活動から始まる。

    ・社内、業界、異業種のソーシャルメディアマーケティングを徹底的に調べる。

    ・部署内外に根回しして仲間を増やし、インフォーマルなチームを組成する。

    自社が取り組むべき施策の骨子をつくってみる。

    ・上長を巻き込み、さらなる上位役職者のコミットメントを得る。

    ・社内を啓蒙するソーシャルメディアマーケティングのバイブルを作成する。

    ・社内の主要メンバーにインターナルトレーニングを実施する。

    ・ソーシャルメディアアーキテクトを設置し、企画や展開の全領域を支援・統制する。
    ・効果測定の指標と数値を明確にし、上位役職者の合意を得ておく。

    できる限り多くの部署と定期的に情報を共有する。

  • 2010-08-04 08:00:44

    【書評】今どきのネットマーケティングの考え方についての解説本「キズナのマーケティング


    マス広告とのメディアミックスを提案したい本ということで、後半部分は本業について解説されている本だけあって売り込み色も強くなっている本で、アドボガシーマーケティングという概念も分かったような分からないような感のある本でしたが、私は共感できる本でした。

    最近ツイッターでもフェースブックでも、いろんな商品やサービスを見ても、「短くて手軽」が受けていますが、本書でも指摘されている「ストック」という感覚を持っているかどうかというのは、非常に大きいと思っています。

    ユーマネーの紹介でも触れた気がしますが、私がブログで1000人強の読書だけではなくて、ツイッターで1万人強、フェイスブックで2500人強のネットワークに情報を流していますが、このブログにストックを残して積み上げておくことがとても大切だと思っています。

    以下抜き書きまとめです。


    ■ネットの情報はすべてストック

    不特定多数の人たちが非同時的にアクセスしてくる

    購買意思決定に大きな影響を与え始めた

    ■広告の効果の低下

    1 消費の成熟ーほしいものは、もうすべて持っている

    2 消費の学習効果ーそして僕らは賢くなった

    3 情報リテラシーの向上ー毎日が情報の取捨選択の連続

    4 メディアの多様化ー消費者との接触ポイントは分散化

    5 UGCの量的増加ー量が質を押し上げるサイクルに入った

    6 認識できる(取得可能な)選択肢の増加ーだけど、選ぶのがメンドウクサイ

    7 認知的不協和の拡大ー失敗したくないから、調べまくる

    ■マーケティング目標

    「売上・マーケットシェア」から、本当の「利益・顧客シェア」へ向かう

    ■アドボカシー・マーケティング

    アドボカシー(advocacy)とは、「支援」「養護」「代弁」等の意味を持ちます。顧客との長期的な信頼関係を築くため、企業は顧客を支援します。自社の利益追求や、短期的なメリットの提供は二の次にして、顧客の最善を追及します。

    「アドボカシー・マーケティング」とは、徹底的に顧客側に立って、モノゴトを考え、実行する信頼ベースのマーケティング手法です。

    「顧客の信頼を勝ち取る18の法則ーアドボカシー・マーケティング」山岡隆志より

    ■キズナの構成要素

    「信用」「理解」「ロイヤリティ」「関与」「共感」

    【消費者とのキズナを深める十か条】

    其の一 第一印象に気を遣おう

    其の二 トモダチ(近い関係)になろう

    其の三 頻度を高く、たくさんの接点を持とう

    其の四 対等な立場で接しよう

    其の五 対話・会話をしよう

    其の六 献身的に尽くそう

    其の七 共有体験をつくろう

    其の八 継続しよう

    其の九 愛すべきキャラクターでいよう

    其の十 愛を持って接しよう


    【書評】

    多読書評ブロガーの石井です。



    【本日の紹介書籍】

  • ソーシャルメディア全般についてよく整理できていた。

  • ソーシャルメディア関係のビジネスをやっている方は読むのをおすすめします。

  • 初心者でもソーシャルメディアマーケティングに興味がある人ならば、ソーシャルメディアマーケティングの現状を体系的に学べるよい一冊だと思います。「明日の広告」同様に、何回か読み返すことになりそうです。

  • 2010年発行。2018年に読むと、「最近話題のツイッター」と紹介されていて、面白い感覚です。新しいバズに飛びつこうとしている人は、まず、少し前のこういう本を読むと良いと思います。当時の予想と現在がどう違うのか?それを考えるのは、これから先を読む事にとって、とても有益だと思いますよ!

  • 2年も前だと少し古い面もある.
    しかし,マーケティング手法についての分析は的確で非常に参考になった.

  • 何年振りかに、図書館で借りた本を購入した。
    名著。何度も読み返したいと数年ぶりに思わせてもらった本。
    ★7つくらいあげたい。

  • 第102页 第4列是 错 印刷。什么tumblr?什么advocacy?北方先生说,「先做!」

  • 消費者との関係性を築いていく過程の話である第二章は「明日の広告」で語られている内容と、わりとそっくりそのままな感じ。
    「広告はラブレター」というのはマーケティング業界の合言葉なのでしょうか。

    意外とボリュームのある内容で、ソーシャルマーケティングのいろはを余すことなく伝えてくれていると思います。
    著者の熱さがもう、すごく伝わってくる。笑

    そして、それはもう色んなことが書かれていますが、著者が一番伝えたかったのは
    「今日からブログを書き始めてください」
    というメッセージに尽きるかなと思いました。

    とにかく、やってみろと。
    なんでもいいから、ソーシャルメデイアを毎日能動的に使いなさいと。

    私個人はオンライン上のコミュニケーションが苦手ですが、ブクログにてレビューを平日毎日更新しています。
    2ヶ月が経ちましたが、人とのつながりにおいては、まだ目に見えた変化はそれほどないです(そもそもそれが目的で書いてもないですし)

    けれど、そういった記録を読み返したり、どのレビューに感心をもってもらえたのかなど、わずかながら収穫もあるように感じます。
    (朝活読書会なんてオフ会も地味に実現しているし)

    ソーシャルメディアを体感することが、ソーシャルメディアマーケティングのヒントになるのであれば、続けてみたいと思いました。

    どんどん多様化していくメデイアや情報に振り回されないよう、自分の軸はしっかり持って発信する。オンもオフもそれは同じ。

    やはり、コミュニケーションデザインしていかないとですね。
    そのツールの一つがソーシャルメディア。

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著者プロフィール

株式会社トライバルメディアハウス 代表取締役社長
株式会社トライバルメディアハウス 代表取締役社長
1973年横浜市出身。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表などを経て現職。
300社を超える大手企業の広告宣伝・PR・マーケティング部に対するデジタルマーケティングやソーシャルメディアマーケティングの支援実績を持つ。宣伝会議マーケティング実践講座 池田紀行専門コース、日本マーケティング協会マーケティングマスターコースなどの講師として、のべ3万人以上のマーケター育成に貢献。近著『売上の地図』(日経BP)のほか『キズナのマーケティング』『ソーシャルインフルエンス』(アスキー・メディアワークス)など著書・共著書多数。自身のnoteやTwitterを中心に、若者向けのキャリア、働き方に関する発信も多数。

「2023年 『自分を育てる「働き方」ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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