サムシング・フォー 4人の花嫁、4つの謎 (メディアワークス文庫 あ 2-4)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.20
  • (4)
  • (12)
  • (25)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 175
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048703833

作品紹介・あらすじ

アンジェリス迎賓館で働くブライダルプランナー、間宮菫子。彼女のもとに、どこか秘密を抱えたカップルがやってくる。五回も会場を下見する新婦や、まるで他人同士のような二人。菫子は彼らの秘密を解き明かそうとする。新郎新婦に心を開いてもらい、悩みを解決するために。そして幸せな結婚式に導くために。でも一筋縄ではいかなくて…。そして菫子自身にも、ある秘密があった。サムシング・フォー-花嫁に幸せを呼ぶというジンクスになぞらえた、4つの愛と秘密のかたち。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ブライダルプランナーの主人公が職場復帰して職場で起きる出来事を謎解き含めて物語る短編連作。
    主人公もトラウマを抱え込んでいて、錯綜が小さな女の子として見栄隠れする。その主題の謎が作品の底辺に有ってブライダルトラブルの物語構成をリードする手法は面白い。
    この作家さんはキャラクター設定がとても上手で魅力的なので、導かれるように読了しました⁉️
    ラストはとても感動的です

  • 2年のブランクを経て結婚式場に復職するお話
    何故か自分にだけ見えて聞こえる水色のドレスを着た女の子
    その正体のあれやこれやの話は泣ける
    やはり、有間カオルは僕に合うようだ

    最後に載ってる童話も含めて、とても良い
    一応、皆にとってのハッピーエンドなのか?


    ちなみに、サムシングフォーとは
    「何か新しいもの」「何か古いもの」「何か借りたもの」「何か青いもの」
    4つのアイテムを、結婚式の日に身に着けた花嫁は幸せになれる、という言い伝え

    マザーグースが始まりという説があるものの、そのルーツは謎

    何か新しいもの:ふたりの新しい生活の象徴
    何か古いもの:伝統や祖先の象徴
    何か借りたもの:友人や隣人との縁の象徴
    何か青いもの:聖母マリアの色、つまり純潔の象徴

    青いものは目立たないところに身に着けるので、欧米では青いガーターベルトを着けたりしてるよね



    4つの象徴に関したお話4篇
    新しい自分、親子の絆、立場、亡くなった人との想い
    他にも打ち合わせで揉める両人と両義母とか、身を引く恋人とか、過去の事例などのブライダル業界にはありそうなエピソードがいくつか


    2つ目の古いものに関しては僕も思うところがある
    うちの娘が将来結婚することになったとして、呼んでもらえるんだろうか?どっちの場合でも(笑)


    結婚式なぁ……
    僕も十年前に経験したけれども、主催する側としてもまぁ楽しかった
    でもって、参列者も楽しんでくれてたら嬉しいなぁという感じ
    打ち合わせも面倒くさくもあり、楽しい面もあったり
    悪いものではない

    ただ、費用対効果としては疑問だな
    もっとささやかなものでもよかったかもとも思う
    でも、値段の高いもののほうが見栄えもいいし、選ぶならどうしてもそっちにいっちゃうよね
    いやぁ~、結婚式と葬式はかなりボッてる業界だと思うわ

    ま、中の人にとっては中の事情があるんだろうけどね

  • ブライダルの世界が覗ける作品。ウェディングプランナーの仕事描写を通して、結婚式におけるハラハラ感が味わえました。
    表紙も可愛い。

  • ブライダルプランナーと花嫁さんたちのお話。
    結婚式は思ってたほど簡単じゃないんだなー…と思いました。

  • 結婚式にまつわる4つの物語。ウェディングプランナーの菫子のストーリーってやつですね。謎ってほどではないけど、最後の童話?がなんかよかったです。

  • ブライダルプランナーとして再び就職した主人公。
    新しい職場の道順を下見に…と出向いてみたら
    閉まっている職場にいた、ドレス姿の女の子。

    誰しも幸せいっぱいで来るはず! とはいいませんが
    ここまで色々な客はこない…はず。
    あり得そうなのは、双方の意見が食い違って、とかでしょうか?
    しかし指輪のサイズをひっそりと変えるというのは
    簡単にできるものなのでしょうか?
    折り返し電話、とかしないんでしょうか??
    引き出物を止められた、という話なら聞いた事がありますが
    似たようなもの?

    傍から見たら大きな独り言、で終わってしまいそうな主人公。
    それもこれも…と小出しに出てくる、多分過去の事。
    最後には、なるほどと思いました。
    これは確かに、先輩の発言の意味が分かります。

    最後には絵本(?)付き。
    これが一番のハッピーエンド、の話でしょうか?w

  • (収録作品)サムシングニュー/サムシングオールド/サムシングボロー/サムシングブルー/女の子の青い宝石

  • 時期的なもので、ここ三、四日集中力がなく、休憩して読みました。

    副題に、四つの謎とありますが、別に謎というほどではなく、普通の新郎新婦が抱える挙式前の心の闇。という感じでした。

    主人公の菫子自身、結婚していたけれど、死別していて、それを乗り切れてないながら、2年のブランクを抱え、仕事に復帰。
    そこで出てくる、青いドレスの女の子。

    サムシングニューでは、新婦が整形していることを、新郎に伝えてないかつ、新郎からのプロポーズの言葉がなかったために自信が持てずに挙式を辞めるという話

    サムシングオールドでは、新婦の親が、小さい頃離婚していて、血の繋がった父親に、花嫁姿をみせたいが…というお話

    サムシングボローでは、二組のカップル
    一組は、引き出物や、和装するか、誰を招待するか、料金とかで揉め事。でも、それは今まで苦労させてきたから、いい結婚式にしてやりたいという、親の思いが強すぎた衝突。
    二組目は、死んだ妹の代わりに挙式を…。ってことだったんだけど、実際は姉が新郎を好きで、自己満足のためにやろうとしたけど、2人とも妹の死を受け入れて、結局挙式は中止。

    最後は、ちょっとやんちゃな招待客がいて、仕事に細かい伊月が怪我して、菫子の過去話。

    『女の子の青い宝石』は、とても同感しました。
    悲しすぎると、悲しみなんていらない。
    って思いますが、実際、その悲しみがないほうが、悲しいんですよね。
    大切に思うから、嬉しくて、楽しくて、悲しい。
    それと同時に、愛とは憎しみです(笑)

  • ウエディングプランナーの菫子が、仕事を通して自分自身を見直していく。
    最初からネガティブオーラが彼女を包み込んでます。

    物語を通して、実際もこんな修羅場や揉め事が起こるのかしらん?
    だからこそ、一緒になる人との絆や度量、性格が浮き彫りになる、というのはすごく納得。

    菫子の事情部分が最後にちょろっとで、物足りなさを覚えました。

  • ブライダルプランナーが出会った4人の花嫁たちの愛と秘密。作中に出てくる絵本がいい。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

有間カオル (ありま・かおる)
『太陽のあくび』で第16回電撃大賞メディ アワークス文庫賞を受賞しデビュー。
他に『 魔法使いのハーブティー 』、『 招き猫神社のテンテコ舞な日々 』( KADOKAWA )、 わすれな荘シリーズ ( 角川春樹事務所)、『気まぐれ食堂 神様がくれた休日 』( 東京創元社 )、『 青い花の下には秘密が埋まっている 四季島植物園の静かな事件簿 』(宝島社) など 。

「2022年 『氷住灯子教授と僕とYの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

有間カオルの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×