白愁のとき

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048727235

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  • <font color="#666666"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048727230/yorimichikan-22" target="_blank"><img src="http://homepage3.nifty.com/flat_m3/f/noimage.gif" class="booklog-imgsrc" style="border:0px; width:100px"></a>
    <br clear="left">
    <blockquote><p><strong>わたしが、失われてゆく――
    アルツハイマー病。精神余命1年。
    働き盛りの<ruby>造園設計家<rp>(</rp><rt>ランドスケープ・アーキテクト</rt><rp>)</rp></ruby>・恵門潤一郎を突然襲った<ruby>それ<rp>(</rp><rt>・・</rt><rp>)</rp></ruby>は、自分が病気であるという意識さえ彼から奪いながら、ゆるやかに、しかし確実に、心と体を冒してゆく。
    生への執着と死への誘惑の間で揺れ動く男の絶望と救済を、精妙で叙情あふれる筆致で描いて、新境地を開く長編小説。</strong>  ――帯より</p></blockquote>
    恵門潤一郎は今年五十一歳になる。妻と、息子と娘の四人家族で、十一年前にゼネコンから独立して興した≪恵門ランドスケープ・デザイン事務所≫の所長である。
    仕事は軌道に乗り数々の依頼を受けて忙しくしていた。そんな折、物忘れが多くなっていることを自覚し、高校以来の友人・八木がいる病院を受診する。彼には、亡き叔母のアルツハイマー病を診てもらったことがあったのだった。
    初回の診察で叔母のことを話題に出され、恵門は自分が若年性アルツハイマーかもしれないと思い至り、事実その疑いがあると八木にも告げられる。
    精神活動がほとんど阻害されていない初期の段階で、自分がアルツハイマーという病気であることを認め、それからどう生きていくかを葛藤の中で選び取る物語であり、恵門本人の胸中を思い、最初の衝撃から 当面の仕事の段取りをつけるまでの葛藤を思うと 胸が締めつけられるのだが、それにしてはあまりにも家族の存在が軽く描かれてはいないだろうか。最後に気持ちを救うのがどうして妻や子どもたちではなく 若い女性でなくてはならなかったのか、と その辺りは腑に落ちなくもある。</font>

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著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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