- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048732895
感想・レビュー・書評
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皆様お書きになっていますが、耽美で退廃的で、尖っていて。
美しい怪異譚の1冊です。
残酷で儚い物語がお好きな向きには、お勧めします。
以前に他のアンソロジーを拝見して、すっかりファンになったので
今回はこの作者様の作品だけを読みたくて借りてみました。
江戸から昭和の初期、戦争前の、華麗で懶惰な空気が作品に
満ちていて、江戸川乱歩・泉鏡花・永井荷風などの影響も感じます。
個人的には皆川博子さんなどの世界観にも近いような気がします。
怖いのですが品がいいので、嫌味な感じはありません。
擬古文が大丈夫な方なら問題なく読めます。
覗いてはいけない万華鏡のような世界ですね。
風邪っぽくて詳しいレビューは書けませんが、読み応えのある本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
耽美的、幻想的、和風と三つ揃っています。
ホラー作家さんかと思っていたら、こういうのも書いてらっしゃるんですね。
どのお話も文章がとても綺麗で思わずうっとりしてしまいました。
一つ一つの文章が素敵です。
その上、それぞれの短編の題名からしてとても魅力的です。
どの話もさりげなく同性愛に近い要素が入っていましたが、あまり気になりませんでした。
そして、話の終わり方。ゾクッとします。
怖いような、綺麗なような、悲しいような・・・
印象深いです。
それから、どことなく雰囲気が長野まゆみさんに似ています。
特に雪花草子あたりが好きな方おすすめだと思います。
とにかく、もっと多くの人に読んで欲しい、と感じる本です。
個人的には、「花影」が一番好きです。 -
七五調で書かれた小説って読んでて気持ちいい。思わず頭の中で音読する。CLAMP好き・美少年好きの人にもおすすめ。
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おしろい蝶々、夜の孔雀、琅王干物語、闇月夜、花影、亡春、の6つの短編
白粉刷毛を作る家業を手伝っている私が初めてあれを見たのは眠くなるような昼過ぎ。
白い猫だと思ったのは、人の手だった。
その影が頭から離れなくなった私は、その手の主を求めて町を彷徨って、やっと見つけた手の主は私と同じような年格好の少年で――おしろい蝶々
丹鱗堂は蛇を使った薬を商う店。
その二階にいるのは美貌の少女、または少年だという話聞いた亮一。
お使いの煙草を買いに行く途中、丹鱗堂を通りかかると二階の窓が開き――夜の孔雀 -
この作品で加門七海さんを知り、一気に和風幻想ホラーの世界にはまった。
手元においておきたい。が、なかなかめぐり合えない……。 -
今の所読んでいる加門作品の中で1番です。美しい内容に展開の面白さ、何をとっても彼女の代表作と私は思います。<br>加門入門はこの作品がお勧め
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明治日本とか中国の戦乱期が好きな方にはお勧めかも。この頃からCLAMPの絵のタッチに変化の兆しが見えだしました。
初めてこの作品を読んだのは、amieというなかよしのお姉さん雑誌。CLAMPが挿し絵だからという至極単純な理由。でも凄い作品の中に引き込まれました。
当時は文学少女だった私が言うんだから間違いないかと(エェー) -
この作品集はおもしろい。