中学んとき

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.12
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本棚登録 : 94
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739696

作品紹介・あらすじ

住宅ローンにパワハラに、転職婚活株価に過労-大人はもれなく大変だ。でも、中3男子にゃかなわない。痛くてバッカみたいで、愛おしい-思春期4人の必死な日々。

感想・レビュー・書評

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  • 青春物語ではあるけど、ハッピーエンドばかりじゃなくて、最後に気味悪さが残るような感じ。最後の章がいじめの話だということもあって読後感はあまりよくなくて、ズーンと重い気持ちになった。

  • 「ぼくたちいま、青春の入り口にいるんだ」
    ー〔願いまして〕陵太郎


    中学生っぽいっていったらぽい。

  • 『純粋恋愛機械』
    女の子に一生懸命に恋して、あの子になりたいくらいに想い続けて、近づいてみてやっと気づいたのは女の黒い感情。

    『逃げ出した夜』
    すべてがくだらなくて、つまらないように思えて、何より許せないのはそんな生活に甘んじている自分。

    『願いましては』
    気づいたら周りはみんな大人になり始めていて、だけど自分はまだそこにいたい。大人と子どもの境目で戸惑う時間が彼らを成長させる。


    『ハードボイルドなあいつ』
    教室で始まるいじめ。標的に選ばれれば耐えるしかない。それでもあいつはハードボイルドだった。どれだけやられても怒らなかったあいつは女の子が飛び降りたとき、大暴れした。

    ----------------------------

    楽しい時間も素直に楽しめないほどに、大きな自意識を抱える中学時代。友だちはいた。だけど友だちや周りの大人には知られたくない、誰にも言えない感情ばかりどんどん大きくなっていって、自尊心に呑みこまれたあの頃。
    戻りたいかと聞かれれば、戻りたいとは思う。けれど、うまく生活をこなせるかどうかはわからない。
    いじめの加害者になるかもしれない、被害者になるかもしれない、見て見ぬふりをするかもしれない。
    悪ぶってるやつらと運動部の明るいやつらばかりが騒ぐ教室で、うまく立ち回る自信はない。

    だからこそ、自信がないからこそ、いやな思いをしているひとに気づける人間でありたい。
    体育の授業で、マット運動を順番にこなしていくときに、とてつもない劣等感を背負わされる子の気持ちに気づける人間になりたい。そんなふうに思った。

    かっこよく生きたい。女の子にちやほやされたい。
    でも、自分の弱さを、小ささを、幼さを思い知らされるときが来る。
    輝いているあいつが羨ましくて、自意識が痛かったあの頃。中学んとき。

  • 【収録作品】純粋恋愛機械/逃げ出した夜/願いましては/ハードボイルドなあいつ
    「願いましては」の算盤の話が興味深かったので☆二つ。

  • 短編集。
    ハッピーエンドだけではない。

  • 中学男子はやるせない。

    「純粋恋愛機械」「逃げ出した夜」「願いましては」「ハードボイルドなあいつ」4編。
    女子のことは気になるし、思ったことを口にすれば、喧嘩を売るようなことになってしまうし、思うようにいかないな~

    「願いましては」はちょっと趣が違いますが、迷いながらも先を見つめ、突き進んでいく男子、ってところは、全編に共通しています。

    「逃げ出した夜」の”覚悟が問題なんだ”っていう男子の真っ直ぐさが印象的でした。

  • 2012/11/28
    復路

  • 中3男子、今どきの青春ものか。今一つ共感できなかったが。

  • 著者、久保寺 健彦
    この本は、好きという気持ちをえがいてあったりして面白いです。
    人生で一番スケベで、かっこ悪くて、馬鹿みたいな中学3年生を
    描いた本です。中学校で経験したことが、あふれてきて、[あぁーわかるわかる]って思ってしまうような作品で皆さん読んでみてください。

  • タイトル通り、中学生のおバカな男子視点の短編集

    「純粋恋愛機械」は刹那的でうすっぺらでヤル気だけはまんまんな遊びみたいな恋愛で、なんだかなーって感じでした

    「逃げ出した夜」は本気で家出に踏み切ること、そこまでできない男の子の話で、うーん・・
    何かから逃げ出したい衝動とか、このままじゃいけないって焦る気持ちはわかるけど、覚悟を決めて家出をするのはなんかちがう気がする

    「願いましては」これはけっこうおもしろかった。そろばんの話は読んだことなかったから、勉強になった!
    そろばんが好きなのかとか、高校で離ればなれになっちゃうさみしさとか、才能がどうとか、そういう普遍的なテーマがすきみたい

    「ハードボイルドなあいつ」これはなーうーん
    いじめられてる変なやつと、自分もいじめられるようになって自然といっしょにいるようになって、好きな女の子もいじめられちゃって、
    結局いじめられてたこは自殺をはかり、いじめてた方も反省せず、先生や学校側の対応もぐだぐだで、
    後味わるかったなー
    きれい事じゃないけど、小説ではなんらかの形でハッピーエンドっぽくしてほしいですこういうテーマの話では
    世の中変な人もいるけどそれをからかったりいじめたりするんじゃなくて仲良くやれたらいいのにな・・
    個性とか変わってるってことを受け入れられないのがこどもなんだろうな・・変わってることは悪いことじゃないのになー

    わたしは女だったし、わりと普通の中学生だったから
    こういう男子視点の中学生の小説って貴重というか勉強?になるなあと思ったけど、
    でも中学生男子ってほんとにこんなにえろえろなの?ばかなの?
    って思いました。
    「中2病」って言葉もあるけどさー
    思春期男子ってここまでひどいのかなあと中学時代の同級生やあこがれてた先輩の顔を思い出して・・
    いや、それはないな(笑)
    えろいことばっかり考えてるこばっかりじゃないって!うんうん

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著者プロフィール

1969年東京都生まれ。立教大卒業。2007年「みなさん、さようなら」でパピルス新人賞、「ブラック・ジャック・キッド」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、「すべての若き野郎ども」でドラマ原作大賞特別賞の新人賞三冠を達成。他著に『空とセイとぼくと』『オープン・サセミ』『ハロワ!』『中学んとき』『青少年のための小説入門』などがある。

「2022年 『明日はきっと お仕事小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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