メグとセロンVII 婚約者は突然に (電撃文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 730
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048865968

感想・レビュー・書評

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  • 文句なしの大団円。
    二人のゴールインの最後をこれほど面白く、だけど決してご都合主義にもファンタジーにもならない形で描いたのには脱帽。
    中高生向けのラノベとして、極致の形の一つかと。

  • メグとセロン最終巻でした。

    メグセロの魅力は、一見金持ちの坊ちゃん嬢ちゃんの学園ミステリー&コメディ、と見せかけて、アリソンで描いてきた舞台設定がきちんと生かされているところだと思います。
    メインの6人は東西の戦争を知らない世代なわけだけど、周りの大人たちは未だに傷が癒えていない人も大勢いるし、そういう時代があったからこそロクシェとスーベーイルの異文化交流も読んでいて面白い。

    しかしまあ、最終巻に関しては……うーん。

    事件の中心となった二人ですが、あのちょっと後味の悪いオチはどっちかというと「キノの旅」テイストですね。キノは好きだけど、メグセロでやるとちょっと違和感あります。

    このシリーズは1巻冒頭でエピローグをやっちゃってるんですよね。ただ、ラノベでよくありがちな「女の子の方から告白」をやらなかった点は高評価ですw セロンよく頑張った。
    しかし、「下手な異国語で一生懸命告白する」というのは「アリソン」でベネディクト少佐がやってるので、なんとなく二番煎じ感が。これは完全に好みの問題だと思いますが、俺は同じ作者が別作品で同じネタを使うのはあまり好きじゃないです。
    もちろん、ファンサービス的な意味ではありだと思いますが。

    まあそんな感じで、良いか悪いかで言ったら良いのですが、どうも期待していたほどじゃないなというのが正直な感想。

  • その後でのセロンの評価をリリアに聞きたい

  • “「な、な……、なんのお話をされたいのでしょうか?」
    "なぜ敬語?"——ラリーは思ったが、言わなかった。
    部員達は誰一人何も発せず、メグの言葉を待った。
    メグは、落ち着いた表情のまま、コーラスで培ったよく通る声を響かせる。
    「去年のことですけど、新人君が、私に手紙を送ったのです。それには、セロン君が私を好きであると書かれていたのでした。私は、どうしてもそれを確認しなければならなくなりました」
    "アイツがか?本当に?"——ラリーは思ったが、言わなかった。
    そして彼の優れた動体視力は、視界の端で小さくニヤリと笑った、ジェニー・ジョーンズの動きを見逃さなかった。
    "ジー・ジー!お前の差し金かあっ!"——ラリーは気づいたが、叫ぶのを必死になって堪えた。
    「そう。なるほど」
    いつもの口調に戻ったセロンに、ラリーはキッと視線を向けた。
    "言え!もう言ってしまえ!今しかない!"——ラリーは祈った。さらには蒼い瞳を光らせながら、セロンに必死になってテレパシーを送った。送り続けた。
    そしてセロンは、五人の視線を浴びながら、いつも通りの無表情で言い放つ。
    「それは、突拍子もない手紙だね」”[P.72]

    完結巻。
    アリソンから長かった。どのキャラも好きです。
    終わりは1巻の時に知っていたというのに、それでも展開から目が離せなくて。
    読み終わった後にカラーページを見返すと素敵。最初は時計見てるんだって分からなかった。
    5巻のリリアの前での発言フラグもしっかり回収セロンくん。
    ジェニー可愛いよ最後可愛い。
    この話はリリトレの3,4巻のどんぱちの直後であり、5,6巻と同時間なんだと思うと……しかもそれを読んだのが数年前だというのを思い出すと……感慨深いなぁ……。
    トレイズもセロンも秘密を他人に明かされて……。
    今回のこの発端となった手紙を書いた「新人君」はつまりは「あなた」であり自分であるとも解釈できちゃうところが嬉しい。

    オールスター待機。

    “「例え地獄でも、俺は、好きな人と一緒にいたい」
    「何を言って——」
    反駁しようとして、メグは途中で気づいた。
    「ああ……」
    去年の夏に、美しい景色が広がるエアコ村のジェニーの別荘で、草原と花畑を見ながら自分が言ったことを、思い出した。
    メグが次に聞いたのは、ベゼル語だった。
    セロンは、まだヘタな発音で、たどたどしく、ゆっくりと、
    「わたしは、あなたが、好きだからです。せかいじゅうの、だれよりも」
    そして、しっかりと言った。
    「だったら——!」
    メグのベゼル語による反論で、セロンがハッキリと分かったのは、冒頭の言葉だけだった。
    「×××××が、×××××!××××××××××、×××××××××××××××!私×××××、××××××××××なの!」
    猛烈な勢いでまくし立てられたセロンは、あっけに取られたあと、
    「なにを、言っているのか、はやくて、ふくざつで、私には、わかりません」
    ベゼル語でそれだけを言い返した。
    ふっ、っと微笑んだメグは、本当に優しい口調で、ゆっくりと、だいたい同じ意味の言葉を繰り返す。
    「私も、あなたが、けっこう、好きなんです」
    全てを理解したセロンが返したのは、
    「その言葉は、分かります。どうか、この私と、つきあって、ください」
    そんな言葉だった。
    メグは、一度だけ、こくんと頷いた。”[P.333]

  • 完結巻です。スピンアウトの割に長かったメグセロもようやく完結しました。タイトル通りメグとセロンがメインですが、新聞部の他の4人も負けず劣らずいいキャラなので、ちょっともったいないとか思ってしまいます。
    まぁ、蛇足でもう1本書くとのことなので、そちらにも期待で。

  • 最終巻です。
    例の手紙により波乱が巻き起こる新聞部に、とある依頼が。
    それによるさらなる波乱と、急展開による大団円。
    終着点はあのダンスパーティーなので、トレイズもちょこっと出てきます。

  • 「アリソン」から続いたシリーズの完結編、になるそうである。このシリーズは伝統的に2冊1編の構成だったのだけれど、今回は1冊でスパッと終わらせている。

    とにもかくにも、読後感の爽快さにはまったく言葉もない。この「メグとセロン」シリーズの大きな裏テーマ(別に裏じゃないけど)として、タイトル通りメグとセロンの恋の行方があるわけだけど、とにかく「大変なこと」になっている。過去に時雨沢作品を読んだことのある人ならなんとなく感覚をわかってもらえると思うが、時雨沢作品において「大変」というのは、物語の展開や描写・情景・その他諸々が、読者を半ば置いてけぼりにして"ぶっ飛んで"しまうということで、しかしその展開こそが痛快で爽快で、時雨沢作品の醍醐味なんである。

    今回もシグサワーはやってくれた。さすが、としか言いようがない。本当にきれいに、スッキリと締めくくってくれた。まさに大団円。読後に味わうこの爽快な気分こそが、ライトノベルのいわば「王道」なのだと思う。

    登場人物それぞれのキャラクタも際立っているので、端的な所作や情景もイメージしやすくて読みやすい。会話のテンポもよく計算されて書かれていて、多人数の会話もスピード感を失わずにスムーズに読める。思わせぶりなところはチラ見せするくせに、全部を書かないので先が気になる、みたいな展開の書き方も巧い。文体そのものは、もしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれないとは思うけど。

    謎解き思考パズルは好きなので、新聞部シリーズはそういう要素が多くてとても楽しかった。学校が舞台なので、人が死なないのもいい。実に面白い。軽くミステリチックな物語を読みたい人にはお勧めできるシリーズだ。

  • 完結
    によによしたい時向け

  • 予定調和の美しい作品
    安心して読めるシリーズでしたね。

    オールスターに期待。

  • ニックさん・・・(;ω;)ブワッ

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著者プロフィール

2000年『キノの旅 the Beautiful World』でデビュー。アニメ『ソードアート・オンラインII』の銃器監修も担当。

「2023年 『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインXIII ―フィフス・スクワッド・ジャム〈下〉―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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