ネバー×エンド×ロール ~巡る未来の記憶~ (メディアワークス文庫 ほ 2-1)
- アスキー・メディアワークス (2012年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048866934
作品紹介・あらすじ
この街は壁に囲まれている。札幌を襲った天災から十六年、復興という名の再開発事業のせいで、街は厚く高い壁の中にすっぽり収まっていた。そんな街で育った十五歳の少年・駆は外の世界への憧れを抱いている。怖いもの知らずの彼は、街一番の秀才・勇夢と幼なじみの夏月を巻き込み、無謀な脱出作戦を計画するが…ある夏の日、放課後の屋上に"過去へ駆ける少女"が落っこちてきて-!?一人の少女が巡る三つの暦。壁に秘められたナゾを紐解く、青春のロスタイムストーリー。
感想・レビュー・書評
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震災に見舞われて大規模な被害を受けた札幌
復興のための再開発が進められていくなか
いつのまにか町を囲むように建設された巨大な壁
閉塞感に先が見えず、ここから出たいと切望する主人公の目の前に
突然、1人の女の子が降ってきた
白銀の髪に大きなバックパック
そして印象的な青いペンダントを首からさげたその少女は
遠い遠い、
遥かな未来から落ちてきたのだ——
*
面白かったと思う!
テーマも興味深かったし、章タイトルなんかの付け方も好き。
壁の中と外で対立があって、
というような流れで進むのかと思ったら
物語は全く違った様相を呈していき…
何故、札幌を囲うように壁が建設されているのか?
札幌の外の世界はどうなっているのか?
少女はどうして未来からやってきたのか?
展開が気になるお話でした。
ただ一つだけ
”——、それはなになにだ。”
という表現多用しすぎ笑
例えばこれ
「——確かにとても美しい、それは光景のようだった」(316p)
ことここに関しては文章もおかしいし笑
作者のお気に入りの表現なんだろうなぁというのはわかったけども、
こう頻発されると、イラッときてしまいます。
せっかく綺麗な文章表現とかもあるのに、ちょっと台無し。
これは、よほど印象づけたいシーンで使った方がいいなと
私的には思うので
一作品に使って2回くらいじゃないかなぁー
マイナスでした
あとラストは、辻褄としてはカッチリ合って
なるほどーと思えたけど
なんか悲しいというか虚しいというか。
やるせない。
結局は何もかも、無駄なんだねぇ…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイムトラベルものであり作者のデビュー作。
なぜタイムトラベル出来るのか?を説明すると、今のところその結論が出るよね、という感じがする。結末はあまりすっきりしないが、話の中身は面白い。 -
★3.5
全体的に文章が若い感じ。ラノベっぽいのかな。でもその若さがこの作品には合っていたと思う。特に前半。でも徐々に真相に迫ってくると、物足りないと感じてしまう部分もあったかな。モヤモヤしたのは、登場人物達の行動の動機がよく分からなかったこと。自分が共感できていないだけかもしれないけど…、彼らの心の動きが見えづらかったと思う。
あと、もう少しいろいろ説明してほしかったかな。大事な部分は雰囲気で押し切ってる感じがあった。他の方の感想を読んでだいぶスッキリしたんだけど、そうなるとこの物語は何だったんだ…と虚しくなる。。
でも過去が未来になっているという構成は良かった。切り口は嫌いではない。だからこそもう少しあれもこれもと欲張ってしまうのかもしれない、、 -
ジャンル的にはラノベになるのだろう、年を取ったからか文体からして読むのが辛かった。一人称は書き手の腕がよくわかる。
中の人も外の人も、結局何がしたいのかよくからなかった。そして駆は格好つけているが、本当に何がしたいのかさっぱりわからなかった。背景がわからないので何ともだが、リバティの面々は中二男子の一目惚れ?と自己顕示欲?に付き合わされたってことなのかな? -
城壁に囲まれた街に住む幼馴染達。
彼らの前に、突如として女の子が現れたのが
すべての始まりだった。
壁の向こう側はそういう落ちかと想像した通りでした。
そこに至るまでが、ぐるぐるしているだけで。
とはいえ、最後の最後まで読むと
そこに行くのか! という驚きが。
いや、むしろすべてが…という状態に
はぁそうですか、というべきでしょうか?
過去は未来、未来は過去。
しかし彼の中で何が起こって、ああなったのか。
その過程が知りたいような
知ってもしかたないような? -
「時空超越」「終末」。
SFの中でも最も魅力的(と勝手に思っている)モチーフがふたつも盛り込まれている。
しかも、センチメンタル青春仕立てで味付け。わたしきっとこの作者の方と美味しいお酒が飲めると思う。
あまりぱっとしない青春を送ってあまりぱっとしない現在を生きているSF好きの胸にはきゅんきゅんくる作品。
「無能だけど馬鹿じゃない」と自分のことを指して言う少年・駆の言葉が沁みる。きっと、一度は自分のことを本気でそう思ったことがなければ出て来ない言葉なのでは、と思った。
どこかで見たような既視感もあるが、「時空超越」「終末」は数多の作家が挑んできたモチーフなので致し方ない。
しかし、ラストの浮遊感がとてもいい。これわたしが書きたかったな!と作家でもないのに思ってしまう。
これがデビュー作とのことなので、二作目、三作目にも期待大だ。 -
時間を遡れる「こよみ」。
収縮する宇宙。
壁に囲われた居住区。
何となく、詰め込みすぎて、感情移入は出来ませんでした。
良く理解出来ない所もあったので、その辺も理解カが足りない事が大きな理由ですが、残念です。 -
「雲の向こう、約束の場所」と何か関係あるのかな?
あまりにも設定(北海道に立つ塔とか3人の幼なじみとか飛行機作るとか)が酷似してるけど…
タイムスリップとか宇宙なくなるとか非現実的過ぎてあんまり感情移入できなかったなー。
キャラもそこまで魅力的ではなかったかも。