ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048915571

作品紹介・あらすじ

海へのプチ旅行の帰り道、事故を起こしてしまった香子はショックのあまり-引きこもりになった。電話もメールも通じない状況にしびれを切らした万里は、加賀家へ乗り込むことを決意。高級住宅地にある自宅へ電撃訪問を試みるが-。そして残り少ない夏休み、おまけんで花火大会を見にいく会が催される。女子たちの艶やかな浴衣姿にほっこりしつつ、万里は自らの過去と向き合うべく、地元でのクラス同窓会への参加を決める。竹宮ゆゆこ&駒都えーじが贈る青春ラブコメ、第6弾。

感想・レビュー・書評

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  •  なんとまあ不器用な2人。本音、つまり不安感を吐露するために、全力でぶつからなければならなかったとは…。恋に、未来への不安感はつきもの。その不安を少しでも和らげるために、言葉を交わし、時間を紡ぎ、共有する思い出を増やし、信頼を積み上げていくのだ。時にはセックスもそれになる。香子のあの良くも悪くも真っ直ぐにぶつかる姿勢がなければ、万里は過去に向き合えなかったかも。香子も自分の本音を限界まで見せられる万里なくしては気弱な仮面少女のままだったに違いない。真っ暗な香子の部屋、花火を二人で見上げる姿のコントラスト。
    これらが印象的な巻だった。とはいえ、いい子ぶって本音が見えないリンダ(諦念ともとれそうだが)。高校時代の態度や行動から見て、そんな簡単に吹っ切れるのかという含みが十分すぎる程。万里の記憶の回復過程がその「良い子」の振る舞いに鉄槌を下すのではないか。ラストの引きは終わりの始まりの予感である。

  • 香子が事故を起こしてから、何一つ連絡が取れなくなる。
    同行していた一行は心配のあまり皆で集まる。

    香子は事故後一人で引き籠る。
    万里に捨てられる夢を見て、忘れられることを恐れて。
    万里は一人で香子の家に一人で乗り込む事へ。
    香子のひどい有様を目の当たりにしながら、香子の父と対面。
    何故か父はインスタントラーメンを作りたくて娘の開け放った部屋の前で立ち尽くしていた。
    目があっても動かず、結局父は万里にラーメンを作ってもらい。
    香子は万里への告白を全て聞かれていた。
    二人は喧嘩しながら話し合い、万里は全てを受け入れる事を決意。
    香子はそんな万里を応援しながら、香子も変わる事を決意する。

    花火大会に出席。
    どうやら万里と香子は別れたものとして認定されていた。
    勝手に噂が噂を呼んだ結果らしい。

    リンダに誘われ、万里は静岡の実家に帰省時に同窓会に出席。
    怖くて仕方ない万里は同窓会にて名前入りのゼッケンをつけた皆に囲まれて。
    拒否していたのは自分とやっと悟る。
    帰り道、落ちた橋の上で『あの時の事故』現場を見て。
    落ちそうな腕を掴んでみた顔…それは万里自信。
    『おいていけ』と一言発して彼は消える。

  • もともとが現在と過去の対比とか過去の許容とか決別とかそんな感じの話であったことを再認識。
    過去と相対することを選んだ主人公は強いな、と。

    過去は捨てきれないものだけど、そういう意味では「記憶喪失」というギミックはすばらしいし、過去の自分を幽霊にしたというのはなかなかに面白い手かも。

  • 香子との衝突を経て万里が自分との向き合い方を変える。ターニングポイントの6巻。

  • 相変わらず言語センスに吹き出すのを堪えながら読んでた。

    己と向き合うことを決めた主人公の姿が凄く眩しい。自己を肯定し切れない俺自身に凄く刺さった。

  • 起承転結の転にあたる巻。

    万里が香子と喧嘩して、初めて香子の不安を知る。そして万里は過去と向き合うことを決め、リンダと共に同窓会に参加することを決める。万里はあれだけ恐れていた過去が、自ら拒絶していたからだと分かり、心が軽くなる。ここら辺のカタルシスはさすが。記憶喪失なんて分かりにくい属性だったけれど、要は過去の自分との決別と受容がテーマだったのね。続刊も読みたい。リンダがヤナっさんと付き合うことになるかが気になる。千波に救済を。

  • 物語が大きく動く。香子の万里への告白が素晴らしい。
    しかし、この二人にハッピーエンドが待ち構えているのか、とても心配になる。

    「拒絶されてるって思うことは、万里が拒絶しているからかもしれないね」

  • これまでべったり一緒だった二人に訪れる初めての別れの危機。
    壮絶なる死闘とラーメン親父、万里の決意、最後にはどでかく打ち上がる花火と、見所一杯で何度でも読みたくなる一冊。
    前の巻の鬱憤が一気に解消されてすごくすっきり来ました。

  • 面白い! 確かに面白いのだが…脇役(お父さん)が全部持って行ってしまった印象、やりすぎ。

  • 事故は衝撃的だったが、それがきっかけになって、いろいろ進んだ。
    『雨降って地固まる』な巻。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『心臓の王国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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