探偵・日暮旅人の壊れ物 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.66
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本棚登録 : 801
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048917438

作品紹介・あらすじ

目に見えないモノを視ることで事件を解決する青年・日暮旅人。彼が経営する『探し物探偵事務所』に、ある日見生美月と名乗る美しい依頼者が現れた。旅人のことを「旅ちゃん」と親しげに呼ぶ美月は、どうやら旅人の学生時代の先輩らしい。旅人の過去を知る女性の出現に、陽子は動揺を隠すことができず-?旅人の学生時代が語られる『昔日の嘘』、美月が旅人に謎を出す『箱の中』ほか、『傷の奮え』『憧憬の館』『竹馬の友』の全5編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 旅人の中学時代のエピソードが中心。作者はちゃんとキャラクター作りで生い立ちまで肉付けしてたんだなと、痛々しさを感じながら読みました。ラノベに分類される本書ではあるけれど、人との関わり方や心理についての部分は主人公のような特殊な設定でない一般人にも響くものがあるのではないか。

  • やっぱり好きなお話です。私も幸せになろうって思いました。

  • 1番動きがあった巻かも。

    今後こういうスタンスで生きようと決める。
    そんな中、過去を知る新キャラ登場。
    過去の人と今向き合い、本当の意味での生き方を決める。
    ラスト10行で おっとぅ!!!!?という行動へ。

    それにつられて次回作も読むと思う。

    新キャラの当時中学生とは思えぬ考え方抜粋。
    『環境なんて場所と人と時間を替えればいくらでも変化する。その時々に応じて不幸も幸福も質を変えるはずで、だからこそ人は抑制が効く。瞬間的な殺意も、時間を置けば冷めるもの。一瞬の抑制は、まだ見ぬ未来への期待と破滅する我が身を憂えることで自発する。想像力が自制を促すのだ。だから、人は、軽々しく逸脱することができない。』
    いやいや、ここまで論理でなく身についてたら、「人は」もっと生き方出来るだろう、この域は超人だろう。。。
    と思ってしまった。

  • 前回のほのぼのした感じとは違い、暗い感じのお話が多かったです。
    そして、明かされた旅人さんの学生時代。
    捻くれるのも仕方ないのかな、と思ってしまいました。

  • 2013年5月刊。文庫書下ろし。シリーズ6作め。2ndシリーズ。4話は、依頼された探偵話。5話めが、旅人の過去に関する話で、やはりこれが無いと面白くありません。最後に怪しい男も出てきたりして、次巻が楽しみです。

  • 2ndシーズン2冊目。今の話と過去の話が同じくらい。ブラック日暮の原点がわかる。より今の主人公に深みが出たストーリーがほとんど。旅人の過去を知る女性の登場で少しだが前進している。あらすじ前のほんの数ページだけで次の話がグッと気になる。

  • 幸せになるためにいきていてもいいのかな
    耐えるだけの日常はやっぱり辛いよ
    人は死ぬからいまを幸せに暮らせるように生きたい
    灯衣ちゃんの影響はおおきいのでしょう

  • シリーズ通算6作目/セカンドシーズン2作目。
    今回は旅人の学生時代が語られたりと、また1つ旅人の過去が明らかにされていて面白かったです。
    ブラック旅人が満載でしたね。
    えぐみのある容赦無いブラックさではあるのですが、復讐の頃のそれとはまた違ったものが根底にあるように感じます。
    一方で良い方向への気持ちの変化も見え、後半のあのシーンでは思わずニヤニヤしてしまいました。
    二人には幸せになって欲しいけど、いよいよあの不穏な影がすぐそこまで近付いて来たようです。
    今回から登場したあのアイテムも妙に気になります。
    続きが楽しみ。

  • 気に入った一節(ネタばれ注意)
    ////////
    理解すべきは、その意図だ。
    見せ付けたいわけじゃなかった。
    再現してみせたものは、奴の心に巣食う忌まわしき過去と、道警。
    ////////
    --友達とは『作る』というよりはいつの間にか『成っている』もの--
    ////////
    誰にだって、たとえどんなに好きな相手にも嫌いな部分が一つはあるものだ。
    その悪感情の細かな一つ一つを読み取るたびに傷ついていたのでは人付き合いなど到底できない。

  • 目に見えないモノを視ることで事件を解決する青年・日暮旅人。彼が経営する『探し物探偵事務所』に、ある日見生美月と名乗る美しい依頼者が現れた。旅人のことを「旅ちゃん」と親しげに呼ぶ美月は、どうやら旅人の学生時代の先輩らしい。旅人の過去を知る女性の出現に、陽子は動揺を隠すことができず―?旅人の学生時代が語られる『昔日の嘘』、美月が旅人に謎を出す『箱の中』ほか、『傷の奮え』『憧憬の館』『竹馬の友』の全5編を収録。

    『探偵・日暮旅人』シリーズ2ndシーズン第2弾。1stシーズンで旅人が過去と決別して一歩前に踏み出して、第1弾では明るい話が多くて今後もそのラインで行くのかなあと思ったら、この第2弾はひさしぶりのブラック旅人満載で、読んでいて心配になるくらいでした。と言いつつ本書の最後では笑顔を見せた旅人ですが、息つく暇もなく新たな影が忍び寄り・・・ということで旅人と陽子の今後から目を離せないのでした。

  • いつものようにやってきた建物の前に、見た目儚い
    中身騒々しい女性が1人。

    いつの時期なのか分からない話に
    方法はともかくその『勇気』を称賛したい話。
    友人とは、と問うような話の後で、黒いものとかいうものではなく
    暗黒状態の学生時代。
    この流れで行くと、前回から意味深に出てくるのは
    学生時代の『何か』という気がしなくもないですが
    一体どういうご関係でしょう?
    まったく違う関係だったりしたら…それはそれでびっくりw

    2つ目の話、ものすごい仕掛けを作った彼とその決意には
    拍手を送りたいかと思います。
    幼いころから植え付けられたもの、そこから育ってしまったものは
    長い間どうしようもなく自分をがんじがらめにしてしまうものですから。
    しかしここまで考えられたというその才能を
    無駄にされて育ってきた状態が辛いです。
    とはいえ、その呪縛から逃れるのは大変な勇気。
    最後の話に通じる物があるような気がします。
    行動を起こさねばならない、というのが。

    とはいえ、そう思ってもどうしたらいいのか。
    まず、そこで躓いてしまいますが。

  • シリーズ6冊目、セカンド2冊目。
    「箱の中」「傷の奮え」「憧憬の館」「竹馬の友」「昔日の嘘」
    今回は壊れ物ということで、割とダークな旅人さんがメインに。
    一つ選ぶなら「傷の奮え」かなぁ。
    ダークとお人よしが入り混じってて好きです。
    演技っていうより素でやってるみたいに見えるから困る。
    前回ラストにあった不審人物が出るかと思いきや今回も引っ張り。
    ところで表紙があの災害を思い出させる印象を受けたのは私だけ?「水」があまり内容にかぶってない気もするのに。

  • 日暮旅人の学生時代のはなし。
    両親と死に別れてから、あちこちたらい回しにされ
    形成された人格。
    今の穏やかさとは真逆で、刺々しい一面が見られる。

    過去、現在を通して、これからの事を改めて考える上で
    陽子の存在の大きさに気づく。
    生きると決めた旅人と陽子のこれからが次作に書かれる事を期待。

  • 今回は、旅人の中学生時代に主にスポットが当てられている章があり、今の旅人のありようを理解する一助になる。ある日不意に姿を消してしまうのではないかという心許なさも最後には払拭され、旅人自身もこれからずいぶん生きやすくなるし、周りも安心できてめでたしめでたし、と思ったのもつかの間、また新たな不穏さが忍び寄っているのだ。

  • 間違って「宝物」の前に読んでしまった……のに、違和感なく読み終えることができたのは、短編集を基本としてるからなのかな

  • 義秀と美月。学生時代の旅人を支えた先生と同級生。
    他者と関わることを避け、敵意を剥き出しにしていた旅人に二人は辛抱強く繋がろうとした。憎悪だけではない。この世には愛があるのだと。十年の時を経て、ようやく旅人は気が付いた。これから先の未来が輝かしいものでありますように。そう願わずにはいられない素晴らしい物語でした。

  • 図書館で借りた本。

    旅人さんの昔のお話。捉え方を変えると、同じことも全く違う意味を持つ。お話としては、前向きになるのはいいのだけれど、元のままでいてはいけないものなのか。

  • 今回は読み応えあった。
    旅人の学生時代のお話。

    闇堕ちの旅人と今のギャップがいい。

    2021.9.4
    120

  • あまり楽しめなかった。怖い。ブラック旅人満載。

  • 戦後の女学生さん三人娘の「竹馬の友」がすき。いつもと違った毛色なことも新鮮だった。

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著者プロフィール

福岡県出身。2008年に第15回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞。翌年、受賞作『神のまにまに!』で電撃文庫よりデビュー。他の著作には、TVドラマ化された『探偵・日暮旅人』シリーズ、『天保院京花の葬送』シリーズ(共にメディアワークス文庫)などがある。

「2023年 『幽霊と探偵2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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